アークナイツRTAトロフィー『消えゆくヒカリ』取得ルート 作:イカ墨リゾット
☆6オペレーターのレベル上げがキツ過ぎて池沼モードになっていたので初投稿です。
目の前が真っ暗になった気がした。
部屋の中でただボーっとしていた時に、あの薄気味悪い白衣がやって来た。いつもカイキにくっ付いてるヘラヘラしたヤツだ。
追い返そうと考えてたら、何時もとは様子がおかしい様に見えた。確かに何時もおかしいが、そう言う訳じゃ無い。
まるでこの世の終わりみたいなヒデェ面してたもんだから、ついソイツの話を聞いちまった。
あの時追い返していれば、こんな気持ちにはならなかったのに。
「カイキ君がさ……脱走、しちゃったんだよねぇ……。」
は?コイツは何言ってんだ?カイキがオレサマに無断でそんな事する筈が無い。
「ん、いやまぁさ、こうなっちゃうのはしょうがないとは思うんだけど、せめて何かしらの素振りを見せて欲しかったよ〜。」
だから何を言ってるんだ。つまんねぇ冗談は嫌いだ。
「はあぁぁぁあぁぁあ、暇だ!退屈だ!憂鬱だ!もっといっぱい調べたかったのにぃ、チクショウ!」
いい加減イライラして来た。コイツは嘘を吐いているんだ。カイキに怒られようが関係ない。兎に角不愉快なんだ。
「オイ、さっさと消えろ!さっきからウルセェんだヨ!」
「あ?ちょ、ヒヒッ!え?マジ!?まさか嘘だと思ってるのかなぁ〜イフリータ君!」
「カイキがそんな事オレサマに何も言わずにする訳ねぇだろ!」
「え?まぁ君は何も知らないんだしさ、そう思っちゃうよね。そう思っちゃうんだよねぇ!イヤイヤイヤイヤ、僕だってよく彼処まで耐えてたと思うよ!狂っているとは正にあの事を言うんだねぇ。」
さっきから何を言っているのか意味が分からない。イヤ、分かろうとしないだけなのかもしれない。でも、カイキのヤツがそんな事……
「じゃあさ、何度でも言ってあげるよぉ!カイキ君がねぇ!脱走!したんだよ!1人で!理解出来る?僕は出来る!お兄さんも連れてって欲しかったよぉ〜!」
「だからカイキがそんな事する筈が……。」
「だから脱走したんだよねぇ〜。いい加減認めちゃいなよ?現実から目を逸らすのは良く無いぜ?……僕の場合は逸らし過ぎて一周して戻って来ちゃったけど。」
カイキが脱走した。それだけの短い言葉を、オレサマは理解したくない。
脱走?アイツが?脱走って如何言う意味ダ?戻ってこない?もう会えない?何で1人で?オレサマは?邪魔だったのか?何で?何で何で何で何で何で……
「ハハッ!ちょ〜っと混乱しちゃったかな?ま、無理も無いよね。気付いてたかい?イフリータ君、君はカイキ君を相当大事な精神的な支えにしていたんだぜ。自覚ある?それこそ、サイレンス君と同じか、イヤイヤ、或いはそれ以上……?」
「どんなに見栄えがいい建物でも、中身がしっかりしてなきゃダメだ!見た目よりも内装!内装よりも構造!」
「そして、君と言う建物はサイレンス君と言う名の骨組みと、カイキ君と言う名の螺子で作られてたんだ。もっとも、後者の方は君自身ですら気付かない様なとっても小さいパーツだったみたいだけどね?」
「今挙げた2つの部品はどっちもイフリータ君にとって大事な物、そう!者だ。その片方を失ったんだよ?そりゃそうなるよねって言う訳で!」
嘘だろ?カイキはオレサマにとって大事?
思い返してみれば、確かにそうだ。カイキは気が利くし、話してて楽しい。一緒に居ると落ち着くし、それこそ一緒に寝ると安心する。
大事だ。メチャクチャ大事だ。オレサマはアイツがいるから成り立ってる。必要不可欠だ。じゃあ何で、アイツはオレサマから……
「それはだイフリータ君、彼はもうあれ以上耐えられなかったんだよ。君と言うパーツはカイキ君の精神を補強するには脆過ぎた。あ、サイレンス君もだねぇ!そして、君に至っては、カイキ君が守らなきゃいけない程、錆びやすかったんだぜ?当然、カイキ君は雨風に晒される訳で!」
「一体何時から君がカイキ君を守っている気になっていたかは知らないけど、実に滑稽だったぜ。だって、あんなに僕達を威嚇しておいて、実は君が1番怖がりだったんだからさぁ!笑っちゃうよね!」
「あ、もう行かなきゃ。思い立ったが吉日!僕はある程度調べた物をまとめたら、カイキ君の足取りを辿ってみるつもりだ。スッゴク遠い所まで続いているかもしれないし、案外近くで途切れているかもしれない。でもさ、その結果を妄想だけで済ませちゃうのは、少々傲慢だと思うんだ。カイキ君が歩んでいる人生を想像だけで済ませちゃうなんて、勿体無いし烏滸がましい!言ってしまえば何にも知らない他人に、勝手に解釈されてるんだからねぇ!僕は1人の研究者として、カイキ君が描いた軌跡を辿ってみたいのさ。」
「そうそう!それと、最後に言っておくけど………
何も知らない他人ってのは君の事だよ。イフリータ君。」
目の前が真っ暗になった気がした。
もう何も信じられ無い。カイキが居なけりゃオレサマは此処までダメだったのか。でも、治す気はねぇし、かと言って改めるつもりも無い。
最初っからオレサマの一部だったんだ。じゃなきゃ彼処まで信頼出来ない。自分の利き手を信頼出来ない奴がいるか?もしいるのなら、ソイツは目の前で加工された食品しか食べられない臆病者だ。
気になる事がある。あの白衣はカイキが耐えられなかったって言ってた。何に?ワカラナイ。
……オレサマが鬱陶しかったのか?邪魔だったのか!?違う。そんな筈は無い。オレサマと一緒にいて、アイツは嬉しそうだったし、辛そうな顔をしてても、オレサマが肩を叩いてやれば直ぐにはにかんでた。
だから違うんだ!オレサマはアイツに必要とされてるんだ!だから、邪魔だなんて……。
は?『辛そうな顔』をしてた?何でだ?
アイツはオレサマと同じ事をされてたんだし、オレサマが耐えられるならカイキのヤツが耐えられない訳ネェ……。
ちょっと待て。本当に同じ事だったのか?
『お願いだから、サイレンスさんには、僕が辛そうにしてても、黙ってて欲しいんだ。』
カイキは初めて会った日にこう言ってた。今でも鮮明に思い出せる。それ程奇妙な条件だったからだ。
当然、オレサマもあまり気にして無かったし、それこそ、カイキが辛そうな雰囲気だったのも片手で数える位だ。だからあってない様な物だった。
サイレンスに知られたく無かった。何で?サイレンスに知られたらマズイから。一体何を?辛いと言う事が。何故バレたらマズイ?
サイレンスに、止められるから。……何ヲ?
………あっ。
暫く考えたら、部屋の中に今までに見たこともない様な、酷く青ざめたサイレンスが入って来た。何かぶつぶつと呟いているし、手には分厚い本みたな物を持っている。
「サイレンス!」
今は兎に角サイレンスがいる事を確かめたい。直ぐにサイレンスに抱き付く。
「……イフリータ、ごめんなさい、ごめんなさい……!」
「なぁ如何したんだよサイレンス?何でそんなに落ち込んでるんだヨ?カイキが脱走したからなのか?」
「……何時知ったの?」
「さっき、ここに来た薄気味悪い白衣から。」
「……そう、私は、本当に、本当に……。」
もっと落ち込んでしまった。何でだ?……きっと、カイキについてだろう。嫌でも分かる。分からされる。
「なぁ、サイレンスが持ってるそれってヨ、かるてって、ヤツだよな。それも、カイキのヤツ。」
「……!貴方まで知る必要は無いのよ。これは置いて来るから、大人しくしてて。」
「イヤだ。オレサマはどうしても知りたいんだ。見せてくれ。」
「だから、貴方がこれを見たら……。」
どうしてそこまで隠そうとするんだ?知らずにこの先生きて行くなんてイヤだ。ついイラッと来てしまう。
「見せろって言ってんだヨォ!さっさと渡セェ!」
「……!や、やめてイフリータ!お願いだから、これだけは……。」
「ウルセェ!!」
サイレンスの手からそれを引ったくる。
そして、開く。
はは、何だよ、何なんだよ!何でカイキにだけこんな事してたんだよ!何で黙ってたんだよ!
煮えたぎる思考とは逆に、思わず吐き気が込み上げる。
あまりにも酷い『手術』に、オレサマはもう耐えられなかった。
だから手術が『診断』に変わった時は喜んだ。
変わった事に疑問を持たなかった。
変わった理由は簡単、カイキが全てを引き受けてたんだ。
訳の分からない薬を投与されて、部位を切り取られ、そして内臓を……
話してくれなかった理由が分かった。カイキはオレサマの事を守ってくれてたんだ。
カルテを床に叩きつける。
カイキが苦しんでいたのにオレサマはこのザマか!?ただ目の前の光景に何ら疑問を持たずに甘えてただけか!?
オマエは本当に何をやっているんだ!!何が、何が守ってやるだ……!
視界の端に色の付いた四角い写真が見えた。叩き付けた拍子に飛び出たらしい。サイレンスも知らなかった様だ。
即座に2人で飛び付いて、その写真を見つめる。
そこには、黒髪に黒目のオレサマと同じ、サルカズの男がいた。見た感じはオレサマよりちょっと年上位だ。
いきなり他人の写真が出てきた事にビックリする。だって、本当に関係がない様にしか見えないのだ。
じゃあ何でカイキのカルテから……
「イフリータ。この子の、角……。」
サイレンスが、震える声でその写真に写っているヤツの角を指摘する。
何だよ、別に見た感じ変なとこは無いし、ただ右から下向きに生えてるだけ……!
「あ、ああぁあぁああああ!嘘だ!何で!何で何だよ!カイキ!!」
気付いた。気付いてしまった。
その角は確かに特徴的だ。しかし違和感を覚える事は無かった。何故なら、それは毎日見るヤツとおんなじ角だからだ。
カイキは白い髪に、死人みたいに白い肌。そして、血みたいに真っ赤な目のサルカズだ。この写真に写っているヤツとはまるで違う。
でも、アイツのカルテから出て来た物だ。少なくとも兄弟とか、そんな物では無い筈だ。クローンなんていう陳腐な考えも即座に否定する。
これはカイキだ。それも、手術を受ける前の。
その事を理解した途端、足元が崩れ落ちる様な錯覚をした。
サイレンスは頭を抱えてひたすらに謝罪の言葉を口から垂れ流している。届く筈が無いのに、だ。
それはオレサマにも言える事だ。視界は涙でいっぱいだし、口もだらし無く開いている。鼻水だって出てる。思わずしゃくり上げた。
頭の中ではひたすらに許してもらう為の言葉とも言え無い物が行き交っている。
そんな頭の中でも、1つだけ何を言っているのか分かる物があった。
オマエはオレサマを、信用出来なかったのか?
それに答える者は誰もいない。恐らく、これからもずっと疑問のままだろう。
その方が幸せなのかもしれない。
その他ライン生命組の心情
・サリア
他に脱走者がいないか巡回中に、情報保管室から出て来るサイレンスを発見。過去に衝突しているので、無視しようとしたが顔色がとても悪かった為、トイレまで肩を貸していた。サイレンスが吐いている間に例のカルテを見てしまう。自分が守っていたのはこんな地獄だったのか、と自分が何の為にこうしているのか分からなくなる。邪魔をしてしまったカイキ君に謝りたいと思っている。
・メイヤー
マゼランと共に復旧作業中に、壊されたと聞いた保管庫に訪れ、地面にぶち撒けられたモノを見てしまう。これでも天才なので、脱走したらしい以前会った彼、保管庫を建てた時期、その機能、急に良くなった給料、そして壊されていると言う事実を繋ぎ合わせて全てを悟る。その場にいた上司に怒鳴ってしまい、心配したマゼランに休憩室に連れて行かれる。そこでマゼランに自身が悟った事を話し、マゼランが止めようとしても無視して、自身の首を掻き毟る。
・マゼラン
突如怒り出したメイヤーを心配して休憩室に連れて行くが、そこで彼女が悟った事を聞いてしまう。語られた事を受け止めきれなかったが、メイヤーが自傷行為に走った為、必死に止めて彼女を宥めようとする。余裕がある様に見えるが、内面では押せば容易く折れる程ショックを受けている。自分でも気付かぬ内に依存先を求めるようになった。
・フィリオプシス
カイキ君の事情を知っていたが、自分1人ではどうしようも無く、助けを求めるにもカイキ君のカルテは機密情報の為、事前に上層部に許可を取っていた事もあり、結局1人で抱え込んでしまう。せめて精神面で出来るだけの事をしようと決意するが、データアナリストの為各地を飛び回っている間に彼が脱走した事を知る。知っていたにも関わらず、ただ傍観しているだけだった事に罪悪感を抱く。それ以来、過眠症で寝てしまった際に悪夢に魘されるようになった。最近目元が黒くなっているらしい。
ボカロを参考に小説を書くのはOK?
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構わん。書け(寛大)
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他人の作品参考にしなきゃ書けねぇのかクズ