アークナイツRTAトロフィー『消えゆくヒカリ』取得ルート 作:イカ墨リゾット
此処はロドス・アイランドと呼ばれる製薬会社が所有する方舟、その中の一室だ。
壁も天井も薄灰色をしている、お世辞にも過ごしていて気分が良いとは言えない配色だ。
室内には中央に簡素なデスクが1つに、部屋の隅にエアコンが1つ、天井には1本の蛍光灯が付けられている。
そしてそのデスクに向かい合うように置かれた椅子が2つ。椅子に座る2つの人影も見える。
おしゃべりを楽しむと言うには、少々向いていない部屋だ。それもその筈、何故ならこの部屋は尋問部屋なのだから。
天井の隅に目を凝らして見れば、そこには無機質なレンズでこちらを凝視する1台の監視カメラ。態々監視カメラを設置してあるということは、今此処で行われている尋問はそれ程のモノなのだろうか?
答えはYESだ。これは突如として現れた強敵の調査の為でもあり、とある企業の実態を調べる為だからだ。子供が聞くには早過ぎる内容だし、外部に漏れた場合、それはそれで大変だ。……ロドス・アイランドは孤児の保護も行なっている。
ガラス張りの壁を背にして座るのは、この製薬会社のトップの1人、ケルシーだ。彼女は鋭い目付きで対面に座る人物を観察し、問い質しては、手に持ったペンでボードに固定した紙に記入していく。その近くに置かれている箱はボイスレコーダーだろう。パソコンなどの電子媒体に記録して、情報が漏洩するのを防ぐ為だろう。
そして、ケルシーの対面に座っている彼女はサイレンス。元ライン生命の源石関連の研究員だ。いつもは半目であるのにも関わらず、その目は見開かれており、自身の膝下を見つめ続けている様だった。
部屋全体を照らし出すには些か頼り無い蛍光灯は、恐らく雰囲気を作り上げる為の物だろう。真下にあるデスクだけを照らし出していれば十分らしい。
か細くも、しかし確実な光に包まれながら思い詰めた顔をするサイレンスは、まるで罪人が懺悔をしているときの様な、見ているだけで辛くなってくる表情にそっくりだ。
別に彼女は罪を犯した訳では無い。寧ろ、それを防ごうとしていたのだから褒め称えられるべきだろう。
では何故こんな表情をしているのか。それは、彼女が止められなかった、とある悪事が関わってくる。誰でも嫌な記憶を掘り起こされたら、辛い顔をする筈だ。中には罪悪感に押し潰されそうな顔をする人もいるだろう。
今の彼女の顔は、そんな顔だ。
この部屋で何が起こっていたのか。それを最初から見て行こうか。
《ボイスレコーダーが起動された音》
「最後にもう一度聞いておくが、お前がこの尋問を、いや、質問を受ける義理は無い。辛いのなら黙っていても良いことだ。」
「……義理はあるわ。私は、この事を伝えて、彼を止めなければいけないの。」
「……では、最初の質問だ。まず、お前はかつてライン生命に所属していた研究員で、そこから3人で脱走しロドスに合流。その後にライン生命側から派遣されて来た3人もこの件に関する関係者。……間違いは無いか?」
「ええ。……あの惨状を見て、彼処に居る気は無かったし、あの子にも同じ事をされたりなんてしたら……。」
《監視カメラからは、ゆっくりと顔を上げるサイレンス女医が確認される。》
「では2つ目の質問だ。その惨状と言うのはライン生命が秘密裏に行なっている実験の事で、何を目的として進められていた?」
「そうよ。私も入社した頃は、あんなに腐っているとは思わなかった。目的の方に関しては、それぞれの部署で違ったから分からない。私が所属していた部署の目的は、………命令に従順な、最高の兵士を作り上げること。本当に、馬鹿げてる……ッ。」
《サイレンス女医が再び俯く。膝に置かれた拳は小刻みに震えている。》
「少し休憩を取ろうか?」
「……別に要らない。お願いだから続けて。」
「……分かった。では、3つ目の質問だ。その実験とは、具体的にはどの様な内容だったんだ?」
「それだけは言えない。言いたく無い。思い出したく無いの……ああ、う、……!ごめんなさい。もう大丈夫だから、ありがとう。……一言で表すのなら、残虐。人権を完全に無視していたし、アレは命を弄んでいただけ。……それでも、彼についての実験は、常軌を逸してたわ。」
《サイレンス女医が何かを呟き始める。正確には聞き取れない。》
「4つ目の質問だ。この写真を見てくれ。これはお前の言う彼、カイキで間違い無いんだな?」
《ケルシー女医が1枚の写真を掲げる。》
「夢だって言って信じたく無いけど、間違いなくカイキよ。何で、どうして……。」
《サイレンス女医が手で顔を覆う。》
「……今日の所は、これで最後の質問だ。カイキはこの実験で被検体として参加させられ、数ある被検体の中でも集中的に実験され、脱走した。……間違い無いな?」
《サイレンス女医の嗚咽。》
「本当にごめんなさい。こんな事して許されるとは思ってないけど、謝りたいの。ごめんなさい、ごめんなさい……私が、私が……うっ、うえぇぇぇ……許して……、」
「終了だ。私に付いて来い。急げ。お前達はこの事を漏らさない様に注意しろ。その内招集をかける。」
《インタビュー終了。サイレンス女医の手を引いて退出するケルシー女医。》
彼女はあの出来事に負い目を感じている様だ。それは仕方の無い事なのかもしれないが、あの症状が改善されるには時間が掛かるだろう。
さて、件の彼、カイキはどの様な心境だったのだろうか?もし再会したとして、彼女に手を差し伸べるか、はたまた積怨の籠った目で睨みつけるか。
その結果は彼にしか分からないし、彼自身も彼女に再会した時の結果は、彼女にしか分からないだろう。彼を優しく抱擁するのか、それとも彼の足元に縋り付くのか。
そもそも、これはもしもの話しであって、再会するのかどうかすら分からないが。
どう?大丈夫?変じゃ無い?(不安)
今回の危機契約は確かに以前の物と比べれば簡単ですが、難しい物は難しいです(無慈悲)
主にキャラ性能の壁とか、育成不足ですねぇ!(ドクターの屑)
ボカロを参考に小説を書くのはOK?
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構わん。書け(寛大)
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他人の作品参考にしなきゃ書けねぇのかクズ