4|2…まだまだ点差はある。次は相手のサーブだ…
「ごめん!!2回目で捕られた!!」
「ドンマイドンマイ!!気にすんな!!今のは相手が凄かった!!2回目で捕ってくるとは思わなかった!!」
「サンキュー」
「次、切りかえていくぞ!!」
「あぁ!!」
「サッコーイ!!」
ピッ!!
…!!俺に来た!!堅実にレシーブで上げる。
「俺にくれ!!」
「和杜!!」
「バックアタック!!止めろ!!」
アタックの姿勢…だが彼奴らは気づいてない…俺が…俺の手が握られていることに!!
「オォラァ!!」
ボールを殴り飛ばす
変則的なフェイントに相手はついてこれない。
ピッ!!
『シャァ!!』
ピー!!
ん?タイムアウトか?
みたいだな
「皆来てくれ!!」
「あぁ!!」
「翔陽!!次のサーブは彼奴を狙うな。…いや、狙うなら、彼奴の足元…捕れそうで捕れないギリギリを狙うなら狙え。俺のドライブサーブは慣れられたら終わり…暫くスパイクサーブとジャンフロでいく。皆は肩の力を抜いて、いつも通りやってほしい。固くなってたら全力を出せないからな。」
『はい!!』
『おう!!』
「んじゃ、いくか!!」
『おう!!』
観客席…
「彼奴らすげぇな…」
「あぁ!!北川第一にタイムアウト取らせたぞ…」
「雪ヶ丘って強豪だっけ?」
「いや、俺らが知る中で今回初出場だろ…」
再びコート
時は飛んでセット終盤
23|24
「相手のセットポイント!!ブレイクするぞ!!」
『おう!!』
「雪ヶ丘!!ファイ!!」
『オォ!!』
次は…
「1本ナイスサーブ!!」
『コージー!!』
『ファイ!!』
「おう!!」
「皆声出せ!!気合い出ねぇぞ!!」
『はい!!』
影山のトス…
「2人共合わせろ!!…せーの!!」
よし!!当たった!!
「ワンタッチ!!」
「おう!!」
「ナイスレシーブ!!」
「翔陽!!スーー…ハーースイッチいくぞ!!」
「おう!!」
((スイッチ?))
和杜と翔陽が交差し、跳ぶ…そしてスパイクを決めるココは確実に決めたいから速いのを…頼むぞ、翔陽。
ピッ!!
『シャァ!!』
観客席
「ハァ!?何あの速さ!!大会最速だろ!!」
「あぁ、アレを越せる方が凄いよな…」
「烏野に欲しい…けど、他の高校も狙うよな…」
「あぁ、できれば2人共欲しいけどな…いや、北川第一のセッター入れて3人か。」
「うん、それに、多分アレ、まだ本気じゃないよ」
『!!』
「本当か!!清水!!」
「うん、陸上やってた人なら誰でもわかる…アレはどう考えても本気じゃない」
「手を抜いてるのか?」
「多分それも違う…温存してるんだと思う」
「温存?」
「彼は短距離選手。多分長期戦は苦手」
「だからか。」
「最も、あのサーブは本気で打ってそうだけど」
「確かに」
和杜side
よしよし、スイッチは捕えられなかったか。
だったら…
「ナイスキー!!翔陽!!」
勝てる
24|24
『泉!!』
『ファイ!!』
「ハァ!!」
ジャンプはしないが、原作より力強いサーブ…勿論軽々しく捕られるが…
「ブロックいくぞ!!…せーの!!」
を合図に、敵のスパイクを止める
ピッ!!
『シャァ!!』
俺のサーブ…ダンクサーブで決める!!
『和杜!!』
『ファイ!!』
「オラァ!!」
チッ!!真上に上がったか…
「ブロックいくぞ!!…せーの!!」
トン…と、軽くボールを触り、フェイントを決められる。
24|25…危ないな…
それに…
「ハァハァ…」
「スーーハーー」
…体力がもう…
「皆!!疲れても集中は切らすなよ!!」
『おう!!』
ピッ!!
『影山ナイスサーブ!!』
「…オラァ!!」
コージー!!だったら!!
「ハァ!!」
俺がカバーする!!
「イズミン!!頼む!!翔陽!!スーハー…スイッチいくぞ!!」
「おう!!」
(((くる!!)))
走る…そして交代…はせずに、交わる所でブレーキして、出した足と逆方向に走る。
「オラァ!!」
今度はパワー重視の俺のスパイク!!…入った!!
ピッ!!
25|25
よし、とりあえず同点!!やり返す…
得点係…
「すげぇな雪ヶ丘…っていうかあの1番と2番…」
「あぁ、強豪の北川第一に対して同点だもんな…」
「正直、手も足も出ずに負けるかと思ってた…」
「だよな…」
観客席…
「ンな!!交代しないパターンもあんのかよ!!」
「しかも視線もサインもないぞ!!」
「あぁ!!どうやってんだ!!」
「でも1番の方、攻撃前に、2番の方見てなかった?」
「2番はそれを無視してる感じだけどな」
「いや、もし1番が見た時になにかサインを出してるとしたら…?」
「…すげぇな」
コート
「翔陽、とりあえずサインには気づかれてないな」
「みたいだな。」
まぁ、誰も思わないだろう。俺が深呼吸の長さでサインを出してるなんて…まぁ、『俺がサイン出してる』くらいは気づく人はいるだろう。それは仕方がない。
「次は翔陽のサーブだ…いったれ!!」
「おう!!」
ピッ!!
『翔陽!!』
『ファイ!!』
「オォ!!」
よし、ソニックサーブを喰らえ!!
ピッ!!
『シャァ!!』
最初のはマグレ…と考えているか…
「ナイスキー翔陽!!」
「サンキュー!!」
26|25
「セットポイント!!丁寧にいこう!!」
『おう!!』
「次は捕らせるな!!」
『おう!!』
ピッ!!
『翔陽!!』
『ファイ!!』
「オォ!!」
捕られた!!…だが、レシーブをミスし、ネットに当たる…しかし、敵はそれをカバーする。
「押し込め!!イズミン!!」
「おう!!」
「させるか!!」
ヤベッ…フォロー!!
「コージー!!トス頼む!!できるだけ高く!!」
「おう!!」
バックアタック…大事なのは…威力!!
「オラァ!!」
しかし、ブロックに阻まれる。
相手は吹っ飛ぶが、ボールが俺達のコートに落ちる
「クッソォ!!わりぃ!!丁寧にって言ったのに焦った!!」
「ドンマイ!!」
「アレは仕方ねぇ!!次は気ぃつけろ!!」
「サンキュー!!」
26|26
まだまだ反撃の余地はある…ならば!!
「コージー、ちょっといいか?」
「いいけど…」
「ゴニョゴニョ…」
「OK」
「何話してるんだ?」
「なんでもない」
「捕るぞ!!」
『おう!!』
「捕らせるな!!」
『おう!!』
ピッ!!
時間が流れる…
1セット目…北川第一が30|32で捕り、2セット目
24|25…影山のサーブだ
「影山ナイスサーブ!!」
ピッ!!
「…オラァ!!」
コージー!!
「クッ!!」
「チャンスボール!!」
ツーアタック!!
「上がった!!イズミン!!後ろ気をつけろよ!!」
「わかってる!!」
「スーー…ハーー翔陽!!スイッチいくぞ!!」
「おう!!」
((またか!!))
交代し、俺がダンクスパイクを決める…ただし、ブロックに遮られる。
ピッ!!
24|26…勝者は…北川第一!!
『オッシャァァァァァァァァァァァァァ!!』
相手は勝ちの喜びを分かち合っている…
「済まない!!皆!!」
「いや、むしろ強豪相手に粘ったものだよ」
「そうか…」
と、話していると階段から
「キャァ!!」
という悲鳴と
「潔子さん!!」
と焦る声が聞こえてきた
「翔陽!!カバン頼む!!」
「エッ!?あぁ!!おう!!」
優しく…巻き込まれる様に、抱きとめ、倒れかけるタイミングで、後ろにした足に力を込める。…よし。
階段が近かったのが幸いして、スグに落ちてきた人を助けることができた…って、さっきの声の人達って…
それにこの人って…
「烏野?」
「大丈夫か!?和杜!!」
「おう!!それよりもこの人だろ!!」
「あっ!!そうだった!!大丈夫ですか!?」
「うん、大丈夫。助けてくれてありがと」
「どういたしまして…そろそろ立ってくれません?目立つのと階段で睨んでいるのが気になるので…」
「うん、わかった」
「大丈夫ですか!?潔子さん!!」
「うん、この子が助けてくれたから」
「ありがとね!!うちのマネージャーを助けてくれて。」
「いえいえ、よく見ると俺達が行こうとしてる烏野の方達だったんで、助けられて良かったです。」
「…!!うちに来てくれるのか!?」
「うちの馬鹿が煩いので」
「誰が馬鹿だ!!馬鹿って言った方が馬鹿なんだぞ!!」
「まぁ、コイツが『小さな巨人』のファンで、それで俺も烏野に来いって…それに、そろそろ戻ってくるらしいじゃないですか。名将鵜飼」
「…あぁ、誰が流した噂かわからないけどな」
「なので行きます。かつて名将と呼ばれた人の練習をしてみたいので」
「あぁ、是非来てくれ!!お前らを歓迎するよ!!」
「はい!!では、俺はこれで」
「あぁ、ありがとな!!」
「はい!!行くぞ、翔陽」
「おう!!」
「待て!!」
「…北一のセッター」
「お前らに聞きたいことがある」
「なんだ?」
「お前ら、この3年間何してた?」
「お前!!」
「普通にバレーしてたさ。人数集めて、練習して、試合出て…普通の部活動さ。」
「…」
「勘違いしてると思うから言っとくが、俺は勝つ為にココにいるんじゃない。バレーやる為にココにいる。」
「ンダト!!「俺達は!!」アッ!?」
「俺達は今年まで大会に出られなかった」
「…」
「勝ちたかったけど…出られただけで満足だよ」
「…そうか」
「あぁ、またな」
「あぁ!!」
次回、烏野高校排球部