海鳴市の中心部から離れた場所にある月村邸は、広大かつ緑豊かな庭を有しており、普段はとても静かな場所である。しかし、招かれざる客によってその静寂は壊されていた。すずかの姉である月村忍と彼女の恋人でありなのはの兄である高町恭也は、招かれざる客である異様にがたいが良い金髪碧眼の老人と対峙していた。
「まさか【夜の一族】でも最強クラスであるこの俺が、ここまでやられるとは思いもしなかったぞ……」
男はダメージを受けた腕を押さえながらも、やたらと気迫のこもった表情で語りかけてきた。
彼の言っている夜の一族とは、いわゆる吸血鬼のことである。言葉通り人の血を吸うことからそう呼ばれるようになったのだが、伝承のような化け物の類というわけではない。現在では忘れ去られているが、夜の一族の始祖はアルハザードから跳ばされてきた人間の科学者だった。元々魔法の力が弱かったその科学者が、戦乱に明け暮れるこの世界で生き抜くために強靭な肉体を手に入れようと自身の遺伝子を組み替えて作り出したものが、夜の一族という人間の亜種だった。
人間離れした身体能力に加えて記憶操作や再生などの特殊能力を持っている夜の一族は、最強の地上生物としてこの世界に誕生した。その代償として人間の生き血を摂取しなければ長生き出来ないという吸血鬼足らしめる制約が付随してしまったものの、それを補って余りある知能を有することに成功し、圧倒的な科学技術を生み出して豊かな暮らしを享受していった。
ただし、それほどの力を持っていても、彼らは地上の覇者ではなかった。人を超越した存在とも言える夜の一族だが、局限まで高めた遺伝子情報が災いして生殖能力が弱まるという生物としては致命的な弱点が発生してしまっていた。そのため、同族だけで種を存続することが困難となり、人と交わっていくことを決意するしかなかった。
当然ながら人間と暮らすためには困難が伴った。数で勝る彼らから差別意識を持たれないようにしないといけなかったからだ。そのため、これまでに作り上げてきた高度な技術を封印しなければならず、生涯の伴侶となるべき者以外には素性すら隠して人間社会に溶け込んでいった。そうして、夜の一族は技術や能力を衰退させつつ現代まで生き延びてきたのである。
実を言うと、彼と向かい合っている忍もまたそういう存在だった。
「まさか、極東の蛮族と交じり合ったクズがこれほどの力を持っていようとはな……日本の名門、月村家は伊達ではないという訳か!」
「フンッ! この私がヘルシングごときに負けるわけないじゃない! っていうか、未だに吸血鬼退治なんてやってるの? 同じ夜の一族のくせに」
「ハハッ、それほどおかしな話ではあるまい。人間の敵が人間であるように夜の一族の敵は夜の一族というだけのことだ」
「……確かにその通りかもね。でも、暴力で欲しい物を手に入れるなんて愚の骨頂だわ。今時ジャイアニズムなんて通用しないわよ?」
「俺とてこんなマネはしたくなかったのだがね。こうなったのは、お前たちが【自動人形】の技術を独占しているせいだろう?」
「独占も何も彼女たちは私の家族なんだから、プライベートな情報を開示する訳ないじゃない」
「ふんっ、家族だと? 只の人形にそこまで思い入れするとは、お前も存外に少女らしい赤子よ」
「花の女子大生に向かって言ってくれるわね。っていうか、赤子ってなによ?」
忍は、自動人形という言葉を聞くと、怒りを隠そうともせずに男を睨みつけた。
自動人形とは、遥か昔に夜の一族によって作られた護衛及び戦闘用の人型マシンだ。人間たちとの共存に苦心しているうちに開発技術が途絶えてしまい、今ではその全てを再現することができないロストテクノロジーの塊となっている。当然貴重な物なので現存しているものは少なく、世界有数の名門である月村家でも【2人】しかいない。それに加えて、機械いじりが得意な忍は、自動人形にもっとも精通している希な人物だった。
だからこそ、この男は忍に交渉を持ちかけたのだが、あまりに身勝手な言い分だったので全ての申し出を一蹴した。大切な家族である彼女たちを売り渡すことなどできないからだ。
しかし、話はそれで終わらなかった。取り付く島も無い忍の態度に男は怒り、あろう事か彼女に襲い掛かってきたのである。躊躇することなく向かってきたので、どうやら最初から力ずくで奪う気だったらしい。
相手は夜の一族なので尋常ならざる力を持っていたが、この男が怪しいことを承知していた忍は対抗策を用意していた。御神流という古武術の使い手である恭也に付き添ってもらっていたのはそのためであり、彼と協力することで有利に戦いを進めて今の状況に至っていた。
「もういいでしょう。自動人形のことは諦めてさっさと帰りなさい」
「そうはいかん。あれは戦闘用の兵器だからな。お前たち赤子には過ぎた代物だ」
「そう言うあなただって持て余すだけだと思うけど。あの子たちをどうするつもりなの?」
「決まっているだろう、世界平和のために無人兵器として活用するのさ。そして、我がヘルシング家が再びお前たちの悪行を正すのだよ!」
「なにかっこつけてんのよ。あんたの家が没落したから、夜の一族の遺失技術に目をつけただけでしょ? 大体、これまでだって夜の一族を悪者にして美味い汁を啜ってきただけじゃない。まったく反吐が出るわ!」
ヘルシング家は吸血鬼を退治した英雄として知られているが、実際の話はかなり違う。
彼らは夜の一族でも下級に位置している家柄で、継承している遺産はほとんどなかった。そのため、遺産を用いて巨額の富を築いていた上流階級の者たちに嫉妬し、憎しみの炎を燃やした。そうして悪意を溜め込んだ結果、ヘルシングは同族の者を吸血鬼という悪者に仕立て上げる謀略を実行してしまう。正義の名の下に民衆を味方につけた彼らは、数による一方的な暴力を振るって多くの同胞を襲い、命と財産を略奪した。それこそが英雄譚の真相であった。要するに、彼らは夜の一族にとって裏切り者なのである。
以降、夜の一族は彼らと袂を分かち、多くの者がヨーロッパから旅立っていった。月村家の先祖も新天地を目指した者たちの中の一人だった。因みに、この混乱のせいで多くの技術が失われてしまい、その中には自動人形に関するものも含まれていた。
裏切りという最悪の禁忌を犯したことによって、ヘルシング家と夜の一族は数百年以上も絶縁状態となっており、それは現在も続いていた。そのような状況の中でも、彼らは奪った遺産を使ってそれなりに繁栄していたのだが、傲慢な家風が祟ってか長く続く不況の際に回りから援助を受けることが出来ず、あっという間に没落してしまう。そして、再び他の成功している一族に嫉妬するようになり、結局このような暴挙に出ることとなった。一族の血統にこだわり過ぎているうちに年老いて跡取りを得ることができなかったこの男には、もう自動人形に対する希望しかなかったのである。
とはいえ、その野望もこれまでと思われた。こうなっては他の一族も黙っていられないので、全力で彼らを潰すはずだからだ。無論、月村家もそのつもりだ。
しかし、追い込んだからこそ、もっと気をつけるべきだった。
「これ以上恥をかきたくないなら潔く退きなさい! いい年なんだから、そのくらいはできるでしょう?」
「くくくっ、随分と嫌われたものだ。これでは話にならんから今は退散するとしよう。ただし、すぐに戻ってくるがな」
「なによ? まだやられ足りないの?」
「そうではない。今度はこの俺がお前らを叩きのめす番だ。取って置きの弱点を突いてな!」
「弱点? ……まさか!」
「ハッハッハッ! では、お前の可愛い妹を迎えに行くとするか!」
「なっ!?」
「しまった!?」
男は懐に隠し持っていた閃光手榴弾を使って忍と恭也の視界を奪うと、一目散に離脱していく。捨て台詞から察するに、すずかをさらって人質にするつもりなのだろう。しかも、間が悪いことに今日は塾がある日なので、なのはやアリサも一緒にいる可能性が高い。最悪の場合は、彼女たちの命も危険に晒されてしまう。
これも追い込みすぎた結果だった。夜の一族としての強さが彼を支える最後の砦だったのだ。それが瓦解した今、あの男に守るものはなにもない。最悪の場合、子供を手にかけることすら平気でやってしまうかもしれない。
「くぅっ! 早く追いかけないと!」
「ああ! それと、ノエルたちに連絡して先回りしてもらおう!」
「ええ、そうね!」
男を追うために車へ向かう途中、街へ買い物に行かせていたノエルとファリンに事の次第を伝える。今回の交渉で【自動人形である彼女たち】に嫌な思いをさせたくなくてわざと屋敷から離れさせたのだが、結局は無駄になってしまいそうだ。しかし、今は緊急事態だ、背に腹はかえられない。
「……画像を送ったから、そいつを確保して。お願いね」
「よし、俺たちも行こう!」
「うん!」
忍は力強くうなずくと、乗り込んだ車を発進させた。愛しい妹たちを救うために。
もし、すずかたちがシロンを追いかけていなければ、忍たちの思惑通りに事が進んでいただろう。本来の未来では、ファリンがすずかたちを保護している間に、ノエルがあの男を撃退して事件は無事に解決していたからだ。しかし、そんな未来を変えてしまうイレギュラーが起こってしまっていた。シロンを追跡することにした子供たちは大きく寄り道をしてしまい、それが原因でファリンとの合流を大幅に遅らせてしまったのである。しかも、ノエルより先に男と接触してしまいそうな方向に向かっており、事態を更に悪化させようとしていた。
要するに、シロンと出会ったせいで少女たちの未来は変わってしまったのだ。彼が聞いたら文句を言いそうだが、いずれにしても、予断を許さない状況となってしまったのは確かだった……。
☆★☆★☆★☆
3人の美少女とファーストコンタクトを果たした後、子猫形態のシロンは夕暮れ色に染まった閑静な住宅街を歩いていた。
猫らしく人の通れないような道を行ったりして気ままに進んでいく。
庭の小さい家々が狭い土地に整然と建ち並び、背の高い電柱がそこら中から突き出ている。異世界なのにやたらと見覚えのある光景だ。ある程度予想はついていたが、表札や標識に使われている言語を見て確信に変わる。やはりここは並行世界の日本だ。シロンがいた世界より文明レベルが低いようだが、清潔かつ治安が良いという日本らしさは少し歩いただけでも十分に感じられる。
「やっぱり日本は平和でイイネ! 改めて思うと、ハルケギニアとかに跳ばされなくてホントによかったニャ。あの世界って結構デンジャラスだしぃ。そもそも我輩は巨乳派だから、ルイズの使い魔なんてノーサンキューなのニャ。あ~でも、バストレボリューションなテファだったらよかったかも!」
妄想を膨らませたシロンは、前足を器用に使って柔らかそうなものを揉む仕草をする。そんなエロガキ丸出しの様子を車椅子に乗った少女が離れた場所から見ていたが、神経が図太いシロンは全く気にすることなく進んでいく。このくらい何度も戦争(コミケ)を経験している彼にとってはどうということはないのだ。しかし、ここが未知の異世界であることを考慮しなければいけないところなので、主想いのセフィは助言することにした。
<(マスター、これまでに得られた情報から考察すると、この世界には会話のできる猫がいないようなので、あまり人前で言葉を発しないほうがいいかと思われます)>
「え~そうなの~? ってか、なんで念話?」
<(私の存在は秘匿すべきだと判断したからです。もし悪意のある者に知られたらマスターの身に危険が及ぶことになりかねませんので)>
「なんと、出会って間もないのにそこまで我輩の事を考えてくれるとは! グラハムより人の話を聞かない困ったちゃんだなーとか思ってたけど、お前ってホントはいい奴だったんだニャあ」
<(……さりげなくけなされた気がしますが、一応褒め言葉として受け取らせていただきます)>
2人(?)は、微妙な信頼関係を深めつつ、この世界でのスタンスを模索していく。確かに、会話のできる猫がいないのなら、シロンは珍獣として捕獲されてしまうかもしれない。その上、セフィの秘密が知れてしまったら、悪用しようとする奴らが群がってくるはずだ。不二子ちゃんみたいな巨乳美女だったら喜んでルパンダイブするが、キモイおっさんに言い寄られてはたまらない。
「ぐはぁ!? 思わずヤバイ想像をしてしまった! さっき見たリニスのパイオツを思い出して回復せねば!……ニャヘヘ~」
<(そのマヌケな表情、まことにおいたわしい限りです……)>
色々と思考を重ねて疲労した精神を独自の方法で休めるシロンだが、傍から見れば如何わしいことこの上ない。お前はどこぞの横島かとつっこみたくなるところである。しかし、彼の性癖をバカにする前に新たな問題が発生していた。
<(マスター、緊急連絡です)>
「うぇ? おトイレにでも行きたくなったのニャ?」
<(違います。どうやら、私たちの後をつけている人物がいるようです)>
「なにぃ! 不可視境界線管理局の奴らに見つかってしまったのか!?」
<(いいえ。そんな妄想の産物ではなく本物の少女です。前方にあるミラーに写っているので確かめてみてください)>
「すっげー目敏い!? お前はコナンか!」
セフィの意外な観察眼に驚きながらも、言われた通りに道路の角に設置してあるミラーを見てみる。するとそこには、電柱に隠れてこちらを伺っている3人の少女が写っていた。なにやら見覚えがあると思ったら、ついさっき別れたばかりの少女たちだ。
「そうか、あの子たちは我輩に一目惚れしてしまったんだニャ。まったく、プリティー過ぎるのも困りものだぜ……」
<(呆れるくらいに前向きですね。ところで、どのように対処しますか? マスターが望むのであれば、仲を取り持つこともやぶさかではありません)>
「我輩はロリコンじゃねーし! ってか、存在を秘匿するとか言ってた奴が、なんで恋のキューピッドやろうとしてんの?」
<(勿論、恋愛に興味があるからです。これでも私は乙女ですから……)>
「グラハムみたいなこと言わんといて! あ~でも、実際に乙女だからいいのか? いやいや、やっぱりダメだって!」
思わず納得しかけてしまうが、やはりセフィの存在は隠しておかなければならないと思い直した。
流石にこんなしょーもない事で正体を明かしてしまうのはどうかと思うし、そもそも、あの少女たちと恋愛する気はない。どんなに美少女でも小学生に手を出すわけにはいかないのだ。それが、シロンのジャスティス(ロリ否定)だった。ほぼ同い年なんだから気にする必要もないのだが、変な所で男らしいシロンであった。ただし、胸が大きくて大人っぽい子には適用されないという、かなりいい加減な心がけだったが……幸いながら(?)現在のすずかたちには当てはまらない。
「とゆーわけで、あの子たちには手出し無用! 好きなようにさせておくのニャ」
<(それでいいのですか?)>
「おうともさ。特に悪意は無さそうだし、お友達になりたいってんなら喜んで受けてやるのニャ」
<(しかし、隠れながら監視している点が気になります)>
「なに、若さゆえの過ちというものさ。気に病むことはなにも無いニャ」
<(はぁ……)>
シロンは、すずかたちの不振な行動を中二病的なものとして捉えていた。恐らく、この世界にいない喋る猫を見つけて高揚した彼女たちは、その手の気分に浸りながら追跡行為を楽しんでいるのだろう。自分も似たようなものだから良く分かる。そして、その予想は大体当たっていた。
シロンと話をするために後を追いかけていたすずかたちだったが、彼のことを警戒したアリサが待ったをかけていた。どう考えても普通の猫ではなかったから当然の配慮と言える。自分たちの戦闘力はほぼ皆無なので、もし襲い掛かってこられたら危険だということも考えていた。実を言うと、数日前に魔法少女となったなのはだけは対処できそうな力を持っていたが、今はまだ誰にも打ち明けていないのでアリサには知る由も無かった。
何にしても、今の状況では軽々しく接触すべきではないだろう。最善の注意を払って追跡しながら、いつになく興奮しているすずかを落ち着かせるために説得を試みる。
「いいわね、すずか。あの猫が何者か分からないうちは接触しちゃダメなんだから!」
「えー、なんで?」
「ちょっとは考えてみなさいよ。あの猫が危険な妖怪とかだったらヤバイでしょ?」
「それじゃダメだよ、アリサちゃん! 分かり合おうとしなきゃ敵を作るだけだもん! だから、あのネコさんに人の心の光を見せないといけないんでしょ?」
「すっごい真面目に返されたー!? じゃ、じゃあ、別の星からやって来た侵略者だったら?」
「ネコさんだらけの侵略者だったら、むしろ望むところだよ!」
「って、今度は望んじゃうのー!?」
ダメだ、何を言ってもすずかの情熱は止められそうにない。犬派であることが災いしてか、アリサの説得はあまり効果がないようだ。
「あーもう! なのはもなんか言ってやってよ!」
「う、うん……もしネコさんに侵略されたら、ご飯が全部お魚になっちゃうかもしれないよ?」
「侵略の規模ちっさ!?」
「大丈夫、私はお魚大好きだもん」
「やっぱりそう来きたかー! ってゆーか、趣旨変わってるし! 食卓が侵略される前に私たちの身が危険だって言ってんの!」
「ですよねー」
なのはに助けを求めたものの、あまり役に立たなかった。
とはいえ、アリサたちの意見を無視するようなマネを友達想いなすずかがするわけもなく、もう少し様子を見ることに同意した。その結果、今日は3人共に塾をサボることになりそうだが、こればかりは譲れない。猫と話をしたいというすずかの熱意は本物だった。
しばらくスニーキングミッションをこなしていると、見覚えのある場所にやって来た。そこは、シロンとすずかたちが初めて出会った公園だった。日が暮れてきたので、シロンは予定通りにグラハムたちと合流することにしたのだ。まだ落ち着ける拠点が無いので、今日はここで野宿をするのである。この辺りはちょっとした森になっており、身を隠すには丁度良い場所だから、野宿にはうってつけだ。無論、緊急処置なのでシロンはげんなりとしていたが、そんなことなど全く知らないすずかたちは想像の翼を自由に広げていた。
「同じ場所に戻ってきたってことは、ここにあの子の家があるのかな?」
「人気も無いし、そうかもしれないね」
「しーっ! 2人とも、のんきに喋ってる場合じゃないでしょ! ここからが正念場よ!」
「アリサちゃん、何気に楽しんでるね?」
「そ、そんなことはないわよっ? 私は付き合いが良いから、すずかに合わせてやってるだけよ!」
「ふふっ、ありがとう、アリサちゃん」
「ふんっ、分かればいいのよ!」
「にゃはは……」
アリサのツンデレ反応に苦笑しつつ、森に囲まれた道を進んでいく。結局塾をサボってしまったが、そのおかげであの猫の隠れ家を見つけることが出来そうだ。それはきっと、物語の主人公だけが見つけられる不思議な世界への入り口に違いない。状況に酔いしれてメルヘンな想像をしてしまった3人は、実に子供らしい期待感を抱く。
しかし、そんな少女たちの前に災厄がやってきた。黒いスーツを着込んだ筋骨隆々の外人が唐突に現れたのである。
「ハッハ~! ようやく見つけたぞ、月村の赤子よ!」
「えっ!?」
「な、なに!?」
「!! あなたは!?」
すずかは、異様に背の高い男を見上げて驚愕した。その男の目が真紅に染まり、鈍い光を放っていたからだ。血を連想させるようなその赤い目には見覚えがある。いや、自分も同じ事が出来る。あれは、夜の一族が本来の力を解放したときに現れるものだから。
ということは、この男の狙いは恐らく……自分だ!
「2人とも、逃げて!!」
「「……」」
この男が危険な存在であることを悟ったすずかは、咄嗟に言葉を発した。自分の家の事情に、なのはとアリサを巻き込むわけにはいかない。しかし、すずかの言葉は2人に届いていなかった。男から発せられる殺気に身がすくんで恐慌状態に陥っていたからだ。本当に人を殺す気があるのだから、子供の喧嘩などとは訳が違う。まさに本物の恐怖を体感してしまっているのである。
「あ、あぁ……」
「うぅ……」
普段は勝気な性格のアリサだが、死を感じさせるほどの気迫を真正面から叩きつけられては言葉も出せない。それはなのはも同様で、魔法の力を手に入れたとはいえ、今はまだ普通の小学生に過ぎない彼女が歴戦の古強者に対抗できるはずもなかった。そもそも、現在なのはが使える魔法はバリアジャケットとプロテクションという防御技だけであり、その魔法自体も秘匿しなければならないという意識があって使用をためらわせていた。
「おっと、いたいけな子供を怖がらせてしまったようだな。しかし、責めるべきは俺ではないぞ? 貴様らが月村の赤子と一緒にいたせいなのだからな!」
「っ!?」
「……ど、どういうことよっ!?」
「ふんっ! 貴様のような劣等種に説明する義理は無い。用があるのは、その月村の赤子だけだ!」
男は、罵声でもってアリサの言葉を一蹴すると、すずかに歩み寄ろうとした。
はっきりいってこの男の目的は分からない。しかし、大切な友人を傷つけようとしていることだけは分かる。だとしたら、このまま黙って見ているわけにはいかない。同じような思いに至ったアリサとなのはは、恐怖心を振り払ってすずかの前に躍り出た。
「……それはいったい何のマネだ、劣等種の赤子どもがぁ!!!」
「っ……す、すずかが悲しむようなことなんて、絶対にさせないんだからっ!!」
「そ、そうです! よく分からないけど、怖いことは止めてくださいっ!!」
「アリサちゃん……なのはちゃん……」
男の言葉で傷ついていたすずかは、自分を庇う2人の姿に喜びと悲しみを感じた。私を守ってくれてありがとう、でも危険なことに巻き込んでしまってごめんなさい……。
だから、私が2人を守る!
すずかは自分の正体がバレてしまう事を覚悟して、夜の一族の力を使う決心をした。敵わないまでも2人を逃がす時間くらいは稼げるはずだ。
「(あの力を見せたら、もうお友達じゃいられなくなるかもしれないけど……それでも、2人が傷つくよりはずっといいもん!)」
子供とは思えない悲壮感を漂わせながら覚悟を決めた。
しかし、その覚悟は良い意味で空振りに終わる。ヒロインがピンチに陥った時には必ずヒーローが現れるものであり、ご多分に漏れず、すずかたちの前にもやってきたのだ。
「ちょーっと待ったー!」
「「「!!?」」」
「ちぃ、劣等種がもう一匹増えたか!?」
不意に、男の背後から可愛らしい声が聞こえてきた。
アリサたちに続いて二度も気分を害された男は、明らかに苛立ちながら後ろを振り返った。甲高い声から判断すると、すずかたちと同世代くらいの子供だろう。くそっ、忌々しい劣等種どもが。心の中で罵りつつ、愚かな正義感に燃えているらしい相手を睨みつける。
しかし、いざ見てみると彼の予想は外れていた。というより、当てることは無理だった。何故ならそれは、この世界に存在しないものだったからだ。
「おい貴様! それ以上の狼藉は、この我輩が許さんニャ!」
「「「あっ!!」」」
「猫……だと!?」
彼らの視線の先には、前足を組みながら空中に浮かんでいる白い子猫がいた。ピンク色に輝く光の翼を広げている姿は少しだけ神々しさを感じるが、どこからどう見ても可愛いニャンコである。
もちろん、この子猫はシロンだ。あれほど熱心に後をつけていたすずかたちの姿が見えなくなったので、気になった彼は広域観測魔法【アイザック】を使って彼女たちの動向を確認した。それによって一連の騒動を察知し、高速飛行魔法【ブイツー】を発動させて文字通りすっ飛んできたのだ。
美少女を助けるヒーロー? 上等だ。キャシャーンがやらねば俺がやる!
覚悟を決めたシロンは、アニメの主人公らしく名乗りを上げた。
「颯爽登場! 銀河美少年、シロン・ガンニャールヴル!!」
「ん~銀河美少年ってなに?」
「この状況でそこに食いつくの!?」
「シロンちゃんって名前なんだ……可愛い!」
「こっちはこっちでマイペース過ぎだし! もう、ほんと自由ねっ!」
調子に乗ったシロンは、おバカな名乗りを上げた。予想外の急展開にすずかたちも唖然としたが、どや顔でポーズを決めてる彼の姿を見た途端にいつもの元気を取り戻すことができた。可愛い女の子の前でかっこつけたいという若さゆえの過ちだったが、上手い具合に効果があったらしい。まぁ、彼の思惑とは違った評価を受けているような気もするが、文句を言うのは野暮というものだ。
「クソッ! 貴様は一体何者だっ!?」
「それはコッチのセリフだバーロー! ってか、あんたはまさか、ヒュームさん!? ヒューム・ヘルシングその人ですかー!?」
シロンは男の顔を見て驚いた。彼の容姿は、とある世界で完璧執事と呼ばれている、あの不良老人にそっくりだったからだ。しかし、当然ながらその人物とは別人だった。
「ヒュームなど知らん! 俺の名は、ルガール・B・ヘルシングだっ!!」
「本家のほうだったのー!? ってか、色々混ざってて紛らわしいわ!」
「ええい、先程から訳のわからんことを抜かしおって! 貴様は何者かと聞いておろうがぁー!!」
「フンッ、無礼な貴様に名乗る名など持ち合わせてないニャ!」
「って、もう既に名乗ってるじゃん!」
「ぐぬぬぅ~……どこまでも愚弄しおってぇ~!!」
ヘルシング家の男……ルガールは、自由奔放なシロンに対して怒りを覚えた。あまりに異質な存在だったため一応は警戒してみせたが、話をしているうちに馬鹿馬鹿しくなったのだ。大体、猫と話しをすること自体が間抜けだ。特に脅威となりうる要素も見られないので、これ以上は付き合う必要も無いだろう。ただし、優良種たる自分をコケにした罰は受けてもらうぞ。
「まぁいいさ! 未知の化け物だろうが、月村の作った生物兵器だろうが、造作も無く叩き潰してくれるわ!!」
「やっぱりそう来るのねー!? こうなりゃ仕方が無い! 出番だぞ、ハロ!」
戦闘が始まることを予感したシロンは、魔法で作った異空間倉庫【ホワイトベース】から、小型の球形ロボット【ハロ】を取り出した。それと同時に勢い良く飛び出したハロは、ゴムボールのように弾みながら巧みにルガールの脇を抜けて、アリサの胸に飛び込んだ。
「きゃっ! なにこれ!?」
「それはハロって名前の便利なロボットニャ! ソイツといれば安全だから、3人とも離れちゃダメニャよ?」
「う、うん!」
「わかりました!」
本来ハロはモビルアールヴのメンテナンスを行う多目的作業用ロボットとして開発されたものだが、小型の魔力コンデンサーを搭載することで全方位防御魔法【Iフィールド】を展開できるため、警護用としても使える。見た目も可愛らしいので、アリサも一目で気に入った。しかし、ハロの声は可愛い容姿に反してCV若本だった。
「よろしくね、ハロ!」
<ハロォ。みんなをまもるぅ。まもっちゃうよぉ>
「予想を裏切るオジサン声ー!?」
「見た目とのギャップが半端ない!?」
「よし、みんなを頼んだぞ、ハロ!」
<任せとけってぇ、フグタくぅん>
「ねぇ、ほんとに大丈夫なの、コレ!?」
アリサが不安に思うのも無理はなかったが、その性能は保証できるものだった。実際、この直後にルガールから繰り出されたパンチを見事に防いで見せた。
「ふんっ!!」
<ぶるぁぁぁぁぁ!!!>
「「「きゃー!?」」」
攻撃が当たる前にハロを中心にして無色透明のフィールドバリアが形成され、ルガールの鋭い攻撃を防御した。一撃ぐらいなら粒子ビームにも耐えられる出力があるので、人間レベルの攻撃なら十分以上に使える。ただし、魔力を使い切ったらそれまでなので、その前に決着をつけないといけない。
「ほぅ、これはすごいな。手を抜いたとはいえ、この俺の一撃を防ぐとは。いいぞ、コイツも後でいただくとしよう!」
「なっ、なんて奴ニャ! まったく躊躇することなく女の子を攻撃するなんて、男の風上にも置けないニャ!」
「フンッ! 劣等種の赤子など、どうなろうが知ったことではないわぁ!!」
「っ!?」
ルガールは、先ほどの攻撃に気を取られているシロンの隙を突いて奇襲を仕掛けてきた。ハロの性能を目の当たりにしたせいか、今度は手加減なしの全力だ。
「ジェノサイドカッター!!」
「あーん! 動物虐待はんたーい!!」
不意を突かれたシロンは、名前通りの鋭い連続蹴りをもろに受けてしまった。がたいの良い老人が子猫を蹴り上げている姿はものすごく大人気なかったが、本人は至って真面目だ。それは少女たちも同様で、無残に蹴り飛ばされてしまったシロンを見て悲鳴を上げる。
「きゃー!?」
「シロンちゃん!?」
「そ、そんな……」
ルガールの蹴りによって空高く舞い上がったシロンは、放物線を描きながら吹き飛び、なすすべも無く地面に叩き付けられた。予想以上にルガールのスピードが速かったため、避けることが出来なかったのだ。流石に省エネの猫形態で夜の一族の相手をするのは無理があった。それに加えて、今日は魔力を消費しすぎているので、その分体の反応が鈍くなっている。
正直言って、この姿のままで勝つのは難しいだろう。ならば、こちらも本気を出さねばなるまい。
「……」
「なんだと!? あれを食らって起き上がれるというのか!?」
「無事だったんだ!」
「よかった……!」
「やっぱり只の猫じゃないわね!」
予想に反して立ち上がってきたシロンの姿を見て、それぞれの反応を示す。ただ、俯いている彼の雰囲気が若干変わった気がして、少女たちは不安を感じた。
「シロンちゃん?」
「くっくっく、やってくれましたね。このわたくしをここまで追い込むとは、賞賛に値しますよ。その褒美として、大サービスでご覧に入れましょう! わたくしの最後の変身を……わたくしの真の姿を……」
「なんか口調が変わってるー!?」
シロンは、顔を上げた途端にフリーザ様のようなことを言い出した。
急に豹変した彼を見て少女たちは途惑った。もしかして、頭を強く打ってしまった影響だろうかと心配してしまう。まぁぶっちゃけると、只ふざけているだけなのだが、変身するという言葉は本当だった。この場にいる全員が注目する中、シロンの体が光を放ち、少年の姿へと変化したのだ。
美しい銀髪と神秘的なオッドアイ、更に猫耳としっぽを持つ美少年となったシロンに一同は驚く。特に、多感なお年頃である少女たちは激しい衝撃を受けてしまった。それほどまでに理想的な美しさが備わっていたのだ。
「綺麗……」
「かっこいいかも……」
「素敵です……」
まるで、天使のような神々しい容姿に見とれてしまう。それもそのはず、乙女のピンチに颯爽と現れた彼の勇姿はヒーローそのものなので、幼い彼女たちが惹かれてしまうのも無理はなかった。
しかし……
「ここからは、ずっと我輩のターンニャ!」
「語尾はそのままなのね!?」
猫妖精としてのプライドが仇となり、かっこよさを大幅に下げてしまっていた。とはいえ、シロンの強さが段違いに上がった事は間違いなく、その気配はルガールにも十分に伝わっていた。
「き、貴様! いったいなにをした!?」
「なにって、変身しただけニャ」
「ふざけるなっ! 変身などできるはずないだろうがぁ!」
「あ、もしかしてマジックだとか思ってる? ノンノン、こいつはそんな紛い物じゃなくて、モノホンの魔法だニャ!」
シロンの口から非常識な真実が告げられる。その言葉を聞いて、なのは以外の面子は信じられないというような表情になった。
「魔法だと!?」
「そう。奇跡も、魔法も、あるんだよ。だがな、可愛い女の子をいぢめるお前には、罪と罰しか存在しない!」
そう言った途端、シロンの足元に魔方陣が浮かび上がる。エメラルドグリーンに輝くそれは、優しさと力強さを感じさせた。これはケット・シーが独自に作り出した魔法であり、なのはの使うミッドチルダ式とは明らかに違うものだった。
「乙女を守りし可能性の獣よ、内なる神を解き放て! ユニコーン!」
シロンは、身体強化魔法【ユニコーン】を使った。その瞬間、彼の体がエメラルドグリーンの光を放つ。これは攻防一体の強力な魔法であり、シロンの得意技でもあった。
「見せてやろう、ユニコーンは伊達じゃないということを!」
「なっ!?」
身体強化されたシロンは、残像を発生させながら凄まじいスピードで突進した。その速度は人知を超えており、夜の一族であるルガールでさえも視認しきれなかった。
そのため、ほぼ棒立ちのままで腹部に強烈な一撃を受けてしまう。
「ぐほぉおー!?」
「まだだ、まだ終わらんよ!」
将来有望な美少女を傷つけようとしたルガールに対して容赦する気など微塵も無いシロンは、更なる追撃を実行した。腹を抱えてうずくまっている彼の足を掴むと、十分な勢いをつけてから思いっきり上空に投げ上げたのだ。そして、射撃の的と化した彼に向けてとびっきりの魔法を打ち込む。
「天より集いし聖なる光よ、全ての闇を焼き払え! ソーラ・レイ!」
詠唱を終えると、シロンの頭上に展開された円筒形の環状魔法陣から極太レーザーが発射された。
極大光撃魔法【ソーラ・レイ】は、彼が使える攻撃魔法の中でも上位に位置するもので、非殺傷であっても食らえば数日は起き上がれないほどの威力だ。後になのはが習得するスターライトブレイカーに勝るとも劣らない砲撃魔法である。
当然ながら魔法技術の無いこの世界で見られる光景ではなく、凄まじい光の奔流を目の当たりにしてしまった少女たちは大きな衝撃を受けた。
「「「えぇーーーーー!!?」」」
彼女たちの叫びは、どちらかというと「あのオジサン大丈夫?」的なものだったが、そう思うのも仕方が無い。宇宙空間まで届くソーラ・レイの威力はそれほどまでに圧倒的であり、流石のルガールもそんな魔法の直撃を食らってはなすすべもなかった。結局は、一発も反撃することなく戦闘不能となり、パンツ一丁の姿で地上に横たわる結果となった。
何はともあれ、こうして戦闘は無事に(?)終わった。その合図としてサムズアップを送ってきたシロンの元にすずかたちが集まってくる。
「やったね、シロンちゃん!」
「すごい魔法だったね!」
「フッ、勝利の栄光を、君に!」
「ちょ!? そんなことより、あれってやり過ぎじゃない!?」
「あ~大丈夫ニャ。アフロになった髪の毛は元に戻るニャ……」
「いや、心配してるのはそこじゃないんだけど……って、どうしたの!?」
シロンの異変に気づいたアリサは驚きの声を上げた。魔力の使いすぎによって疲れがピークに達していた彼は、落ち着いた途端に力が抜けてしまったのだ。そして、意識を失うと同時に再び猫の姿に戻り、そのまま前のめりに倒れこんだ。
「きゃ! シロンちゃん!?」
すずかは、慌ててシロンを抱き上げる。顔を近づけて状態を確認すると、意識を失っているだけだと分かり、一先ずほっとした。
「大丈夫かな?」
「うん。疲れて眠っちゃってるだけみたい」
「はぁ……まったくビビらせんじゃないわよ。このチビネコ!」
「もう、そんなこと言っちゃダメだよ。この子は私たちを助けてくれたんだから」
「ん~……まぁ、そうね。一応感謝してやらないでもないわ!」
「ふふっ、アリサちゃんは素直じゃないの」
「うっさい! なのはのクセに生意気だわ!」
「ええ~!?」
危機が去って安心感に満たされたため、少女たちの口調も大分明るくなってきた。魔法などと言う非現実的なものを見た直後なのに落ち着いていられるのは、順応性の高い子供だったおかげだろう。まぁ、なのはだけは事前に知っていたからだが。
「ところで、これからどうする? この変なオジサンもどうにかしないといけないんだけど……」
「それなら、お姉ちゃんに頼めばいいと思うの。この子の手当てもうちでしたいから」
「そうだね、今ならお兄ちゃんも一緒にいるだろうし」
落ち着いたところで今後の行動を話し合う。とりあえず脅威は去ったものの、事態はまだ収拾できていないので何とかしなければいけない。そのような中ですずかが示した提案は、簡単かつ適確なものだった。ルガールが夜の一族であることを考えると、後の処理は忍に任せるべきだからだ。同時に、なのはとアリサにとっても反対する要素がないためすんなりと意見は通った。
しかし、そこに待ったをかける者たちが現れた。
「待ちたまえ。その話し合い、私も混ぜてはもらえないかな?」
「えっ?」
「だ、誰!?」
急に乱入してきた若い男性の声に反応して、なのはたちは一斉に後ろへ振り返った。するとそこには、綺麗な猫を抱いた中学生くらいの少女が立っていた。男性の姿を探しても、彼女の他には誰もいない。しかし、先ほどの声は彼女が発したものではないはずだ。
ということは……
「安心するがいい。乙女座の私なら、君たちのガールズトークに参加しても何ら不自然ではないさ」
「「「えぇっ!?」」」
「そんなに意外かね? 私の愛情は乙女以上に純粋だというのに……この口惜しさ、たまらんな、ガンニャム!」
「まったく、なにを言っているのですか。彼女たちが気にしているのはそこではありませんよ、グラハム」
「ふふっ、君の嫉妬は可愛いな。その一途な想いに好意を抱くよ、リニス」
「そ、そんなことを人前で言うなんて! 意地悪な人ですね……(恥)」
「「「……」」」
イケメン風の声で語りかけてきた金色のような毛並みの猫と、彼に恋しちゃってるらしい美少女。そんな2人の会話を聞いてなのはたちは思った。この人(?)たち、たぶん変な人だ!
次回から無印本編に入ります。