「待たせてしまって申し訳ない姫様。あとは私に任せてくれたまえ。」
神代メソポタミアを治めるルガルバンダ王の愛娘、ギルガメシアはウルクの城壁を抜けた荒野で魔獣に襲われた。魔獣の名はアルビオン。偉大なる祖龍より生まれたものの片割れ。神々ですら手を焼く白と天を冠する白天龍。
本来ならば神々と人が手を組み徒党を組んで倒すべき怪物をアフムは一刀をもって切り捨てた。ギルガメシアはその背に英雄を見て憧れた。
これが後に英雄姫と呼ばれ、英雄の始まりと言われるギルガメシアの原点だ。
■□■□■
「ギルガメシアを守るためにアルビオンを倒したのかアフム。」
メソポタミアの中心のウルク。その中心である聖塔(ジッグラド)にてアフムはウルクの王たるルガルバンダと二人で話していた。
「アルビオンは輪廻を廻るだけだがな。私に注目が集まったとしても私なら問題ない。それに若者の未来は我々年長者が守るべきものだ。それに私は姫の護衛だ。」
「ふむ。アフムの言う通りだな。しかし娘にも困ったものだがどうしようか。」
ルガルバンダは、少し前までのまじめな雰囲気を壊し、親バカの一面を出す。
「好きにさせておけ何かあっても私がいるし、そういう年頃だ。それにもうすぐで友もできるさ。生涯において唯一無二のな。」
ルガルバンダには、アフムの眼が一瞬自分でないモノを見た気がした。しかし、アフムと付き合いが長いルガルバンダは見慣れたものだ。
「そうか。あと五年もすれば私は娘に王座を明け渡すだろう。どうか娘を支えてやってくれ。というかお前がもらってくれよ。お前なら安心して預けれるんだが。」
「いつも言ってるだろう。断るさ。私は違うからな。」
こんな会話がアフムとルガルバンダとの間にあったことをギルガメシアは知らない。
■□■□■
自分を助けてくれたアフムの背に英雄を見たギルガメシアはその姿に憧れ目指し始めた。そこでギルガメシアが始めたことは冒険だった。
時は神代。神秘があふれているためウルクの近くでも魔獣や幻想種などはゴロゴロいる。そのためギルガメシアはウルクから出て歩き10分もたたないほどの荒野にて神々の権能が武具の形を成した正に神器を用いて姫は魔獣を狩っていた。
「足りぬ。こんなものでは英雄たりえぬ。もっとだ。もっと強いモノを。私を強くする敵はいないのか?私にこの天雷槍ゼウス以外の財を使わせるものはどこにいる?」
ギルガメシアは苛立っていた。アフムの背に見えた英雄はこんなものではなかったと。白天龍はこんなに弱くなかったと。
怒りに任せ、天雷槍を振るい魔獣を蹂躙する。ただそれだけで、槍から雷が放出され周りの魔獣を消し炭にする。
「姫様。王がお呼びです。一度ウルクにお戻りください。」
「・・・アフムか。わかった。父上のお呼びならば帰るしかあるまい。」