ウルトラマンアバドン season2   作:りゅーど

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地底怪獣 サック
登場


第一章 シンシャ編
悪魔再臨


「またなのだ、慎太郎」

「またなー!」

「おうよ! 達者でな、えーちゃん! 達者でな、シン!」

 カツコツと革靴の音をアスファルトに響かせ、ジーンズを履き紫の(ダサT)の上にこれまた紫のパーカーを着、飛行帽を被って街を歩く青年がいる。

 皆様ご存知、諸星慎太郎───────またの名を、ウルトラマンアバドン! 

 

 ウルトラマンアバドン

 

 SEASON 2

 

 

 

「なんだこれ」

 慎太郎の目に飛び込んできたのは街頭モニター。そして無駄に流れているテレビにはあるニュースが流れている。

「昨夜未明。東京都内に建てられている国際美術館での展示会されていた宝石が数個盗まれるという事件が起きました。この事件は昨夜の夕方から警視庁が予告状を渡されていたらしく、警備を強化したものの、ダイヤモンド、ルビー、サファイアなどの宝石が盗まれました」

 映像には悔しがる警視庁の刑事やら警官が映されていて1人の警官は例の予告状を握りしめていた。

「物騒だなぁ」

「またあの怪盗らしいわよ」

「こわいなーとづまりストIV(フォー)

 口々に喚く住民たち。

 だが一部にはファンがいるもみたいだ……。

「カッコイイ!」

「華麗なる動きで宝石を盗むのはいけないことだけどカッコイイよね!」

「彼女が現れてから興奮が止まらねぇ! 俺あの子に惚れそうだー!」

「やりますねぇ! いいゾ^~」

 ニュースは続いて政治やスポーツなどより怪盗の話で続いていた。

「……怪盗、ねぇ」

 脳裏によぎるはあの忌まわしき過去。

「アイツ、次会ったら殺す」

 未だに過去の清算はできていないようだ、と自嘲し、慎太郎は路地裏に入る。

 路地裏には人気が少ないが、街では怪盗の噂話が広がり続けていた。

「ねぇ、あの怪盗って年若そうだよね〜」

「案外未成年だったりして」

「ウッソ〜!?」

「あの怪盗少女、俺の好みでファンになっちゃったぜ」

「お前ロリコンかよw」

 人気のない路地裏でもこんな噂話は響き渡る。鬱陶しいくらいに……聞こえ続ける。

 慎太郎はそれをイライラしながら聞いている。

「ったく……なんてったってあんなゴミを持て囃すんだか……」

 鬱陶しいくらいに響く怪盗の噂話。批判する人もいれば応援する人もいた。帰国していつの間にか街は怪盗話で広まってしまっていたのだ。どこの誰なのか正体不明の少女に……

 その噂は慎太郎にとって懐かしきあの場所でも噂話をする人がいた。

 

 CET───────

 来てしまった。つい癖で。

 そしてまだ慎太郎の籍があった。

「うーっす」

 まるで友人宅に来たかのように、のそのそと入る慎太郎。

「久しぶりじゃねーか慎太郎!」

 肇と熱烈な抱擁をしてから、慎太郎は壁にもたれかかった。

「巷じゃ美少女怪盗で持ち切りだよ」

「あの筆跡どっかで見たんだよなぁ」

「そーか? ただあのウルトラのメスガキ(紗和)の奴は見るに堪えない金釘流のクソみてぇな字だったからな……」

 肇はそれを聞いてコーヒーを啜った。

 ニュースで少しだけ見えたあの文章は誰しもが見覚えがある……はず。

 案の定、CETの技術班も例の怪盗話が仕事をしながらしていた。

「あの怪盗少女ってどう思う?」

「いやぁ〜すっげえと思うぜ!」

「あんな奴がここにいたらすっげえ人助けしてくれそうだよな!」

 マジで鬱陶しい。

「……チッ」

 慎太郎はひとつ舌打ちをした。

「なぁなぁ、あの怪盗少女ってもしかして例のフツヌシチームのあの女じゃ?」

「そりゃねーだろ。アイツ、ウルトラマンだぞ?」

「ウルトラマンが悪人なんてあり得ないだろ〜?」

「でもあの女……数ヶ月前から消息不明らしいぞ?」

 この件に関しては慎太郎も初耳だ。慎太郎が今いるチームには……何故か知っている人影が2人ぐらい見当たらないのだ。

「……古橋は?」

「消息不明」

「……あの売女(紗和)もか?」

「ああ」

 慎太郎の問いに肇はそう答えると、ひとつため息をついた。

 宝生(ほうせい)紗和(さわ)。彼女はCETの隊員の1人であり、あのウルトラウーマンラピス張本人である。ここでは医療担当をしており、どんな負傷でもパートナーである古橋(ふるはし)重吉(じゅうきち)と一緒に治療をしていた。

 だが数ヶ月前、何故か2人は姿を消した。警察と協力して探し回ったが見つからず、そのまま捜査難航のまま終わってしまった。

 噂では『どこかで殺されて死んだ』『裏切りやがった』『ここでの活動に嫌気をさして逃げてしまった』などの噂が広まっていたが……そのまま2人は消息不明のままとなった。だが一部では『意図的に消えたのでは?』という話もあったが……

「……という事なんだ」

「マジであのクソガキ殺すわ死ねクソ女死ねゴミ殺す」

「どうどう」

「俺は馬か」

 紗和は恐らく遠くで『誰だよボクのこと馬鹿にした奴……』と笑いながら怒っているだろうが……本人は今この場にはいないので問題はない。

「どっちにしろ殺す」

 それが慎太郎の答えだった。

 あまりにも理不尽過ぎるのでは……? 

 紗和と古橋が今どこで何をしているのかは誰にも分からない……いつか会えることを願うのは……いや、誰もいないな。絶対にいない。

 そんな現状を他所に、慎太郎は食堂に向かう。

 久々に基地の飯が喰いたくなった。天下御免の空きっ腹がぐうぐうと愚痴啼きして参った、と心の中で呟いた。

 食堂は変わらずいつも通りだった。メニュー表も特に変わらずの外見だがメニュー内容は慎太郎にとって嬉しいものが書かれていた。

「っしゃ、タラの煮付けの定食じゃねぇか」

 この煮付けのタレを米にかけて食うのがうめぇんだ、と心の中で呟きつつ、食券を購入。

 しばらく待つ事になる。

 厨房で働いてる人も怪盗噂をしていた。どこにいても噂は絶えないようだ。

 めんどっちぃな。

 そう思いながら待機してる途中、呼び出しのブザーがなる。

 定食を取りに来いと言う合図だ。

 タラの煮付け定食を貰ったはずだが、はて。真っ黒だ。

 まるで黒い山だ。しかし軽く箸でつつき白い身を食うと、味は完全に銀ダラだ。巨大な岩山を採掘している錯覚すら覚える。

 何よりもタレが美味い。米によく合う。

 美味い煮付けを白米に乗せてかっ食らう、それこそ至高、そう慎太郎は思った。なんせこんなに美味いタレなのだ。このレシピをもらって自宅で作りたいほど、美味い。

 銀ダラ、銀シャリ。銀ダラ、銀シャリ……。銀のラリーは止まることを知らない。

 あっという間に皿がカラになる。

 ちょうどいいペース配分で、綺麗に食べ終えたのだ。

「ご馳走様でした」

 至福。白米と煮付け、そして赤味噌の味噌汁。圧倒的至福!! 

 慎太郎の顔が綻んだ。

 

 ふと、慎太郎の耳は後ろ側に座り何かを話している二人の技術班の話を捉えた。

「なぁ、知ってるか? あの未来の総理大臣になりそうなあの政治家。自首したそうだぞ?」

「は? マジで……?」

 これは日本好き(信者)の慎太郎にとっても驚愕なことだった。

 未来の総理大臣だと? 

 そう言えば最近共産党(ゴミ)が蠢いているという噂は聞いたが……。またカチコミに行くべきか……?

 そんな思考を脳内に描き上げ、さらに話を聞く。

「てかその政治家の名前なんだっけ?」

「あ──……忘れた」

「馬鹿だろお前」

「まぁ、とにかく……ソイツが何故か自首をして警察が今調査しているんだとよ。なんでも……国の金で好き放題してたり、国民に暴力を振るったのに権利を利用して冤罪にさせたりしたらしいぜ?」

「うげぇ〜……最悪な野郎だな。で、なんで自分から自首なんか?」

「なんでも……“シンシャ”が予告状を出したあと突然自首したとかなんとかって……」

「は? なんだそれ……?」

 会話はしばらく続いた。

「つーか……シンシャってなに?」

「え? お前知らないの? 例の怪盗少女の名前だ」

「あ〜……そういえばそういう名前だったな。で、そのシンシャがその政治家に何をしたの?」

「なんか……『お前の悪心の宝石を盗む』って書いてあったらしいぜ?」

「『悪心の宝石?』……なんだそれ?」

「俺も知らん。だがそれでなんやかんや一時的に平和になったもんだよな〜。悪人の政治家が総理大臣になったらこの国は終わりだな。ハッハッハッハッ」

 下手にこの国は終わりと言ったら背後にいる人がブチ切れるのでは……? 

 

 案の定、キレた。

 例の男は見事に地面とキスさせられている。

「ヒェッ……」

 もう1人の男はその場で震えながら逃げた。この人に関しては無実なので見逃してくれたようだ。

 男の事はそのまま放置し、肇のところへ戻っていった。

 

 現在の慎太郎は私服ではあるが、一応隊員である。

「おっ、蹴り重たくなったな」

「押忍! ありがとうございます!」

 劇場版に登場していたカグラ・ゲンタロウ。彼は慎太郎との組手を待ちわびていたようだった。

 街は平和で例の噂話は絶えないが、何も事件が起きない日々だった。

 その時だった。

『東京都瑞浪区に怪獣出現!』

 エマージェンシーコールが鳴り響いた。

 組手は一旦止まり、慎太郎は慌てて肇のところへ向かった。街で暴れて破壊する怪獣がモニターに映っていた。瓦礫が落ちてきて、慌てて逃げ出す住民の姿も見えた。

「地底怪獣サック、か……」

 重々しい顔をして、肇はこう命じた。

「総員、出撃用意!!」

 

 その怪獣はまるで恐竜であった。

 雄叫びを上げ、街の破壊をし続ける。それは、とても楽しそうに破壊し、街をズタズタに蹂躙しているように見える。

「攻撃開始!」

 合図と共に攻撃を始めた。

 ミサイルが直撃し、呻き声を上げた。

「アバディウム弾頭弾、ファイア!」

 アバディウム弾頭弾がサックの体にぶち当たり、爆発を生じさせた。

 サックは呻き声を上げ続けながら攻撃をする。

 だが機体は上空にいるため物理的に攻撃は不可能だった。ただその場で暴れているだけだ。

「よぉっし! 上から攻めてきゃなんとかなる!!」

 慢心─────圧倒的慢心。

 怒り心頭のサックは叫びながら慎太郎が乗ってる機体に攻撃を仕掛けた。

 サックが近くにあったビルを破壊して慎太郎が乗ってる機体に向かい、まさかのビルを投擲した。

 なんとか機体を動かし回避したはいいものの、慎太郎の表情(かお)に憔悴が浮かんだ。

 サックは投擲をやめなかった。周りのものを投げ続けて当てようとしていた。あまりにも殴ると投擲しか分からない脳筋のようにも見えるが……

 しかしそのコントロールは正確である。人間だったなら、是非とも阪神タイガースに入れたい逸材だ。

 そのうちの一つが、慎太郎の機体に直撃した。

「うわぁああああああああああ!!」

 慎太郎は、胸元からアバドスティックを取りだし、空に掲げた。

「うぉおおおお!! アバドン!!」

 アバドンはまずそれを喰らう前に前蹴りを放つ。

 それから、仰け反ったサックを掴んで一本背負いを放った。

 サックは地面に叩き落とされながらも叫び、諦めずにアバドンに攻撃をし続ける。何故か攻撃最中、ずっと叫び続けていた。

 アバドンは鬱陶しそうにそれを受け流し、海老蹴りでサックの腹を抉った。

 大股で3歩下がって体制を整えたサックは腹立つくらいに挑発しているのかなんなのか分からないが、鳴き声を上げ続け、叫び続けていた。

 まるで……何かを求めているかのように。

 アバドンはイライラしながらサックの顔面にエルボーを噛まし、首を絞めようとした。その時だ! 

「ガッギャァアアアアアア!!」

 ツガイの雄が、アバドン目掛けて地底から突進したのだ!! 

 ずっと相手にしていたのは雌のようだった。雌のサックは嬉しそうに鳴き声を上げているように見えた。

 だがアバドンにとっては最大のピンチだった。2対1という卑怯にも見える戦いとなってしまい、苦戦するのが分かるかのようにマズい状況だからだ。

「畜生共め……死に晒せこの野郎!!」

 そう叫び、アバドンは弾丸タックルで一匹をぶっ飛ばす。

 雌のサックが呻き声を上げながらその場に倒れた。

 それを見て雄のサックが反逆の攻撃を始めた。

 その巨体から放たれた軽快な蹴り技の数々が、アバドンの体を打ち砕こうとしている。

 即座に立ち上がった雌のサックがそのまま攻撃を始めた。2体の連携攻撃には止める方法はあるが隙があまり見えなかった。

「でぇらぁっ!」

 アバドンのヘッドバットで一匹が仰け反り、そのアバドンを背後からもう一匹が羽交い締め。なんとかエスケープしてもまたダメージ。

 その時である。

 CETの誇る汎用型空中戦艦 ジェットホエールが、主砲からある物を放った。

 ツガイ同士で攻撃を続けるが、呻き声を上げ始めた。

 そう、それこそがCETの秘策、『ウルティメイトストライザー』である。

 慎太郎が居なくなった間、肇がウルトラの力を徹底解析、原理を人類に教えた上で開発した擬似スペシウム光線である。

 サックは負けずにアバドンに攻撃をし続けた。

 だがウルティメイトストライザーが当たるたびに背後によろけて呻くが、2体いるだけで状況は変わらない。1体に攻撃をしてももう1体がアバドンに攻撃をする。まさに悪戦苦闘という状況だった。

 ウルティメイトストライザーが放たれる。その時に、アバドンはふと気がついた。

『ウルティメイトストライザーはウルトラマンの力なので、自身にもその力を使えるのでは?』

 そう思い、アバドンは自らのカラータイマーに浴びせるよう念を送った。

 ─────ズドン。

 そしてそれは、案の定アバドンの力に変わる。

「よォっしゃァ!!」

 バガァアアアアン!! と大きな音を立て、雌のサックを殴り飛ばした! 

 雌のサックはその場に倒れて苦しそうな声を上げた。

 案の定、雄のサックがキレだし、アバドンに向かって車や瓦礫などを投擲し始めた。

 そんな戦いの中、遠くでは市民の人たちが悲鳴を上げながら避難していた。だがその中に——その戦いを傍観する者がいた。

 口々に喚き逃げ出す群衆。

 それを見て、無事なビルの上でひとりの男がこう呟いた。

「やはり来たか、ウルトラマンアバドン」

 その男はまるで烏天狗で、漆黒をそのまま具現化したかのように黒く、その嘴は全てを抉るかのように鋭かった。

「そうだね……君は何もしなくて良いよ。ボクがやる……ちょっとだけ、手助けするよ……」

 隣にいた外套を羽織り、外套に付いてるフードでしっかりと顔を隠した少女が笑わずに手袋をそっと外した。

 雄のサックが怒りに任せてアバドンに投擲を続けた。その隙を観て雌も近づきながら攻撃を再開していた。

 アバドンは雄のサックの左腕を千切り、雌に向けて投げ飛ばした。

「雄はアバドンに任せよう。ボクは……雌だ」

 そう言った少女は左手を前へ向けて指先から銀色の液体が浮き出てきた。

 雌のサックは別の気配に気づいたかのように立ち上がり、アバドンのことなんか見ずにそこに近づいた。

 雄のサックは左腕が切られたことに呻き声を上げ続けた。痛みに苦しんでいるように見えた。

 アバドンは雄のサックの顔面を引っ掴み、おもむろに首を絞めた。

 雄は苦しみなんとかエスケープするために腹部を攻撃をし、腕に噛みついた。

 一方、雌のサックは顔を隠した謎の少女に気づいてないが、その少女の《何かの気配》に気づいて近づき続けた。

「……水銀……」

 少女はそう呟いた瞬間、左手から浮き出てきた銀色の液体が手のひらから溢れ出し、雌のサックの顔を濡らした。その瞬間、雌のサックは今までにないくらいの絶叫を上げた。

 これには流石のアバドンにも何が起きたのか予測不可のことが起きたのだ。

 しかし、アバドンは一瞬にして冷静さを取り戻し、地面に叩きつける。

 そして、必殺のアバディウム光線でその命を奪った。

 もう一匹に関してはウルティメイトストライザーが腐食部位に直撃。

 無事に、奴らを倒す事は出来たのだ! 

 ツガイのサックは爆散した。

 少女は銀色の液体を左手から吸収したかのように握りしめて消した。そして少しため息を吐きながら左手に手袋を付け直した。

 その直後、アバドンと目が合う。

 アバドンは何かを察し、アバドスポットレイを目から照射した。まるで()()()()()()()()()()()()

 風に揺られて外套が揺れる。被っているフードも揺れていた。顔は少ししか見えなかったが、見覚えのある細すぎの身体と赤いメッシュが見えた。

 そしてその少女には……水銀色をした仮面が取り付けられていた。まるで素顔が見られたくないように……

 そしてそれは、黒い影により掻き消された。

 そのコンマ数秒後、アバドスポットレイが二人のいた所を貫いた。

 ……当然、二人は避難できていた。

「クソッ!」

 アバドンのカラータイマーが鳴っている。アバドンは一旦身体を休める為、巨大化を解除した。

 CET基地──────

 慎太郎はトレーニングルームのサンドバッグを蹴った。

 この憔悴はなんだ! この湧き上がる憎悪はなんなんだ!! このままでは、あの愛憎戦士(佐久間 優作)と同じじゃあないか!! 

 そう思っていても、本能はこう叫ぶのだ。

 殺せ! 絶対に奴を!! 全てを以て、奴を殺せ!! 

 悶々としながら、サンドバッグと皮膚が勢いよくぶつかる音をさせて、押忍と叫んだ。

 

 所は変わり─────────

「やっぱり……彼は……ボクのことを……」

 路地裏で少女は哀しみに満ちた瞳となりながら呟いた。

「……仕方がないだろう。やつは最早ただの復讐鬼────獣だ」

 チィ、と舌打ちをし、烏天狗は頭を抱えた。

「でも……彼のことで怒らないでくれない? ボクは彼のことで怒ってもないし、憎んでもないよ」

 そう言いながらクスッと笑みを見せた。

「……優しいな、お前は」

 そう言って、烏天狗はにこりと笑う。

「……ありがとう。さて……今日のターゲットを手に入れるために今回もお願いね……」

「分かってるよ────」

 二人は、コーヒーに砂糖が溶けるように、漆黒の夜に消えていった。

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