踏めば倒せる!   作:なにィ

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死ぬかも!

とある山に男がいた。

 

本業である仕事を1日休みにして、

登山をするただの男がいた。

 

その男は

偶然にも山に眠っていた

黄金に輝く金の杯を見つけたのだ。

 

男は舞い上がった。

一攫千金だ!と。

たしかにその杯は人生を3回遊んで暮らしてもまだ余る程度の価値があった。

 

だが男は何を思ったのか黄金の杯についた汚れを付近に流れていた川で洗い、山の頂上で飲もうと思っていたであろう酒を取り出し注いだのだ。

 

恐らく売る前にこの黄金の杯に酒を注いで飲んでみたかったのだろう。

 

安酒でも器が極上ならば最高の味わいをもたらす。

男は普段の何十倍ものグレードの酒を飲み、浮かれまくっていた。

 

正常な判断なら明らかに手を出さないであろう致死性のある毒キノコを手に取り調理して食べたのだ。

 

繰り返すが男は浮かれまくっていた。

悪酔いしていたとも言う。

 

これで俺もマリオだぜー!姫さま助けるぜーっ!パワーアーップ!と叫びながらキノコを食べた男はその場に倒れ伏した。

 

当然の結末。

本来ならここで男の人生は幕を閉じたのであろうが—————ここに一つ例外が存在する。

 

男が器にしていた黄金の杯の名は【聖杯】

あらゆる願いを叶える願望器である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の名前は富沢龍也(とみざわたつや)。

 

気づいたら森の中で赤い帽子を被った髭の(ダンディな)オッサンになってた。

 

 

……イッツミーマーリオ!(ヤケクソ)

 

なんなんだよ一体これは…。

昨日は登山して酒飲んでマリオに出てきそうなキノコをバター焼きして食って寝ただけなのに!

 

「…原因それじゃねーか!」

 

…あのキノコ、よくよく考えれば色合いが明らかにおかしかったし酒飲んだ勢いで食ったが…毒キノコだったのかな。

 

でも毒キノコ食ったからって服装までも変わるわけがないだろ…。

 

ならあれか?

一昔前に流行った死後異世界に行くやつ。

 

毒キノコ食って死んだオレはキノコ繋がりでマリオになって転生したと。

 

なにそれ…(ドン引き)

 

まあいいや。いや全然良くないが、取り敢えずそうだと仮定して。

 

俺が3Dマリオなのか

2Dマリオなのかを確認しねぇと。

最高なのはスマブラマリオだな。

 

スマブラマリオならパーセンテージが堪らないように気をつければ死なないし、3Dマリオならダメージを2回まで耐えられるが、2Dマリオ基準だった場合アイテムなしだと即死する。

 

正面から体当たりされれば死ぬ。

飛んでるやつに当たっても死ぬ。

炎の玉を当てられて死ぬ。

ハンマーをぶつけられれば死ぬ。

場合によっては壁キックできずに穴に落ちて死ぬ。

 

やべえよ2Dマリオ怖すぎる。

ここがどんな世界かわからないが、剣と魔法の世界だった場合、一撃死は致命的だ。

 

いやどんな世界でも致命的だがな!

割とギャク世界の方が暴力は容赦なかったりするし…あれ?割とどこでも積んでない?

 

ええい余計な事を考えるな!

2Dマリオじゃなければいいんだよ!

 

確認方法は…空中ジャンプ?

成功すれば多分スマブラマリオかな。

他作品は出来なかったはずだ…行くぞ!

 

「ハッ!ほっ!」

 

………。

 

できませんでした…。

声だけしか出ませんでした…。

 

こうなってくると3Dマリオか2Dマリオのどちらかになるが…。

 

「水中で息できるか出来ないかだな」

 

息ができなければ貴重なライフが1つ減るが、3Dマリオだと確認できる。

 

無限に続けば2Dマリオだ。

頼むから続かないでくれよ…!

 

水辺は先程鏡がわりに使った水溜りがある。

そこそこ深いから顔はつかるだろう。

かなり汚いが背に腹はかかえられぬ。

目をつぶって早速顔をつけてみよう。

 

「……ブクブクブク」

 

10秒………20秒………30秒……。

1分……2分……3分……オイオイオイ嘘だろ!?

 

「2Dマリオじゃねーかぁぁぁぁぁあ!!!」

 

全く息苦しくなかったぞ!

肺活量が凄いとかそんなチャチなもんじゃねぇ…多分、やろうと思えば水中に住めるレベルだぞこれ。

 

「キノコ!キノコはどこだ!はてなブロックぅ!」

 

多分今の俺はちびマリオ!一撃死する危険な状態!

もしくはノコノコだ!無限1UPさせろ!

…無限1UPできる段差がねぇから不可能か!?

 

ってか今更だがここどこだよ!なんで森の中なんだよせめて人のいる場所で転生したかったよぉ!!

 

「…はぁ」

 

一通りジタバタしたら落ち着いた。

諦めたとも言う。

 

「とにかく街だ…街に出よう…」

 

文明のレベルでこの世界が

どんな感じかはわかるはずだ。

 

理想は現代社会。

コスプレで誤魔化せば、ちょっとおかしい人程度の認識で済むし何より危険が少ない。

 

逆に文明が発達し過ぎていたりすると俺はこの森に引きこもって泣くことになるだろう。

 

俺、そこまで機械が得意じゃないしの…。

理解できる発達具合でないと対応できない可能性が高いのだ。

 

中世レベルだった場合は…。

マリオの筋力活かして農業やるか。

兵士なんざごめんだ。すぐ死ぬ。

 

戦いになりそうになったら

Bダッシュして逃げまくってやる…!

 

「…歩くか」

 

幸い森を歩く体力がこの体には備わっている。

ただ歩くだけなら苦労はないだろう。

 

取り敢えず俺から見て右側に歩くか。

マリオのゴールは基本右側にあるしな。

行ってみよう。

 

「1時間くらいでこの森から出られるといいけど」

 

俺はそんな事をボヤきながら歩き出すのだった。

 

 

 

☆

 

 

 

どうしてこうなったpart2!

part1はマリオになった事!part2は炎上している街に出た上に何かめっちゃ襲われてるって事だ!

 

何!?なんなのこのガイコツたち!

スケルトン!?

ジョークかましてこいよぉ!(Undertale並感)

 

「うおおおおお!」

 

にしてもこの体すげぇ!

全然息切れしない!でもダメージっぽいの食らったら死ぬ!筈だ!多分!

 

いわゆるBダッシュで逃げまくってるがそこらかしこに湧いているせいで全然振り切れねぇ!

 

しかも

 

「あら、まだいたんですね。生き残り」

 

とかなんとかいって槍(先端が鎌だ。死神か何かかな?)を振るってくるスタイル良いお姉さんが追加されたんだが!

 

この熱気の中生脚で痛くないんですかぁ!?

 

何か武器か能力!…いやだめだわ。

そもそも何もないから探してたんだったわ。

一周回って腹が立ってきたぞっ。

 

あるのはジャンプ力と息切れしない体力。

あれか。原作的に踏めばいいのか。

 

…逃げながらじゃ無理ですねぇ!

 

「っていうかなんだよここ!

 世紀末!?核戦争でも起きたのかなぁ!?

 あなたはなんか知ってますかぁ!?」

 

「…何を言っているのですか。

 貴方もサーヴァントならわかるでしょう?」

 

さーゔぁんと?

すまない俺は横文字に弱いんだ。

 

というかヤケクソで叫んだだけなのに返答してくれるのな。律儀な人だ。殺しに来てるけど。

 

あっ壁。ジャンプ!

 

「ハッ!」

 

『『『GHAAAAAA!?』』』

 

……ら、ラッキー!

勢いを殺しきれなかったガイコツたちが壁に衝突してやられてくれた!意外と脆いな。

 

あとはこの女の人だけか…殺しに来てる時点で話し合いの余地はないだろうなー。

 

こうして

逃げれてるだけでも奇跡みたいなもんだし。

 

「うまく誘導しましたね…」

 

いえ偶然です。

とは言えない空気。

とにかくひたすら逃げる。

 

…あれ?止まった。

思わず振り返る。

 

「…なるほど、こうしてどこかに誘き寄せて倒すのがあなたの戦法のようですね」

 

いえ、偶然です。

2回も同じこと思っちゃったよ。

まぁでも勘違いしてくれるならありがたい。

このまま逃げさせてもら———

 

「なら、ここで仕留めるのみです」

 

—————いっ!?

 

か、体が動かない!

まるで金縛りにあったみてぇだ!

あの人と目があっただけで…こんなっ…!?

 

「呆気ないものですね。私に構わず逃げ続ければよかったものを…さようなら」

 

ヤッベェ死ぬ!

体よ動け!動いてくれ!

 

うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおあおあおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおあおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおあおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!!?

 

首を切られっ

 

 

 

ザンッ

ドチャッ

ドサッ

 

 

 

☆

 

 

 

呆気ないものだと、彼女は再び呆れた。

 

あそこまで耐えに耐えて邪魔な徒党を誘き寄せ倒したというのにたった一つの油断で命を落とす。

 

見どころがあるかと思ったが検討違いだった。

そう考えを改めて彼女は移動を始める。

 

その時だった。

 

♪ トゥルルッ テレッテテレッテテ テテンテテン♪

 

その場にふさわしくない、

小気味いい音楽が鳴り響いたのは。

 

「…?!今の音はいったいどこから!」

 

❤️×4

 

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」

 

「なっ!?」

 

バカな、確かに殺した筈!

死体もすぐ真下に……ない!?

 

「頭上注意だぜ!お姉さん!」

 

彼女の思考は混乱する中、

体はしっかりと迎撃に向かっていた。

敵は、踵落としを繰り出そうとしている。

 

(槍ならまだリーチの差で間に合う!)

 

彼女の待つ槍は確かにマリオの体を捉えて——す(・)り(・)抜(・)け(・)た(・)。

 

「——は?」

 

「じゃあな!」

 

逆にマリオの攻撃(蹴り)は彼女の顔面に直撃し……たったの1撃で霊器が崩れていく。

 

薄れる体と意識の中、彼女は辛うじてマリオの独り言を拾うことができた。

 

「残機…無敵時間…そして踏めば倒せるの法則…全部あってよかったぜ…1発だったしこの人はジュゲム的なポジションだったのかな」

 

ジュゲムってなんだ。

彼女は最後にそんな疑問を残してこの世を去っていったのだった…。




なお、主人公のジュゲム的なポジションというのは手こずる強キャラという意味である。

手こずるどころか一回死んでるんですけどね。
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