ところで原作を知らない人はぜひ原作を見てほしい
『●500』
前回食べた神の能力を試してみたのだが、これが中々良いものだった。
分体を寄生させ、操ることができる力。それが今回手に入った力だった。
神未満の存在に対しては、使ったところで何の意味もない力だが……これが神にも効くとしたら、どうだろうか。
とりあえず、これを上手く使いこなせるように努力するか。
……恐らく、時間もないだろうしな。
『●1074』
直感的に、というか。なんとなくではあるが、世界が脆くなっているのが感じられた。
近い内に……それこそ百年以内に、この世界は消滅するのだろう。
魔王軍による異世界侵攻まで、もう時間がない。
それまでにできるだけ多くの神を喰らい、力をつける必要がある。
現段階では、魔王に勝てないのは分かりきっている。いつかは勝てるくらい強くなろうと思っていたが、こんなに世界の崩壊が早いのでは間に合わない。
ならば、どうするか。
残念ながら、今の俺にやれることは変わらない。敵を喰らい、糧にして、力をつける。
それだけだ。
『●1330』
今更ながら思ったが、俺は一体何のために強くなろうとしているのだろうか。
美食……はまぁ、今現在の娯楽ではある。食べる相手によって味が違うので、楽しみながら食えるからだ。
しかしそれ自体が目的かというと、そんなわけがない。
今ではもう思い出せないが、俺は人間だったのだ。人間は欲の塊であり、1つの欲で満足できるほどできてはいない。
食欲だけじゃない。俺は、もっと楽しみたいのだ。
だから、力がいる。もっと、もっと。
『●4456』
喰らう。喰らう。喰らう。
こんなものでは足りない。もっと、喰わなくては。
『●7741』
少し落ち着こう。
これでは食欲に支配されたケダモノだ。しかし、俺は悪神だ。欲を満たすことは悪いことではない。
ただ、欲に呑まれれば取り返しのつかない失敗を仕出かすかもしれない、というだけで。
……よし、落ち着いた。
明日からまた頑張るか。
『●10079』
今日、魔王────グドゥラニスに遭遇した。
なるほど、あれが魔王か。一目みてわかった。あれは勝てない。
だてにラムダを蹂躙したわけではない、ということか。桁が違う。
まだその力を完全に見たわけではないが……本能的にグドゥラニスが今の俺よりも強いことは理解できた。
幸いにも今の魔王は異世界侵攻のための準備中であり、俺と遭遇したのも配下を増やすためだった。
当然ながら俺も魔王軍に勧誘された。いや、勧誘というよりは強制されたというのが正しいが。
まぁ断る理由もなかったのでその勧誘に乗り、グドゥラニスに従うことにした。
流石のグドゥラニスも、見たことも聞いたこともない異世界に行くのは難しいようなので、もう少しだけ時間がある。
せっかくだ、その時間で魔王軍に入った邪神悪神を確認しておこう。
どうやらグドゥラニスは邪神悪神を一ヶ所に集めているらしいからな。
『●10143』
確認ができた。
『悦命』『解放』『強奪』『共食い』『魔城』……あと『迷宮』のグファドガーン。
グファドガーンについては、今は食べるつもりはない。まだまだ育っていないのに食べても、大した力は得られないからだ。
それなら『魔城』を食べた方がいいが……それもまだ早い。
魔王軍に入る前ならともかく、今やるのはリスクが大きい。せめて、グドゥラニスが倒されるまで待つ方がいい。
それまでの、辛抱だ。
『●10406』
グドゥラニスの準備が整い、ついに異世界への侵攻が始まる。
ここから、恐らく俺の生きてきた中で最も激しい戦いが繰り広げられることだろう。
そして、俺は決めなくてはならない。魔王軍として戦うのか、それとも魔王軍を裏切りラムダに与するのか……
どちらもリスクは大きい。しかし、俺自身のためにここはリスクが大きいことがわかっていても、やらなくてはならない。
結局のところ、どちらかしか生き残れないのだ。魂を滅ぼすことができるのはグドゥラニスだけだが、そのグドゥラニスであっても神を滅ぼすのは簡単ではない。
それを知った上で、決めなくてはならない。俺は、一体どちらを選ぶのかを。