私はいつも体調が悪いようなものなので慣れました。
では、どうぞ。
俺達が扉を抜けるとそこはパッと見た感じ一本道の通路となっていた。奥の突き当たりには先程の気味の悪い人形が一体ポツンと床に置かれており、その隣には何やら文字が書かれている。
「あの部屋を過ぎたのにまたアイツと会うなんて……。なんであんな所に居るのよ……!」
「もしかしてなんだけど俺達を追ってここまで来たのかもよ?この美術館なら何が起きてもおかしくないしさ。」
「なんてはた迷惑な人形なのかしら……。こんなもの放っておいて先を急ぎましょ。触らぬ神に祟りなし、よ!」
「まぁまぁ。なんか文章も書いてあるし読んでみてからでも遅くはないでしょ。」
「じゃあアタシはここで待ってるからアンタ1人で読んでちょうだい!アタシは読む気なんてサラサラないわ!」
ギャリーは突き当たりを左に数メートル進んだ先で立ち止まり、こちらの様子をチラチラと確認している。そんなギャリーをよそに俺は青い人形にそばに書かれている文字を読む。
“こんにちは ヒロトシ
わたし ひとりで さみしいの
だから いっしょに つれてって”
どうやらこの人形は何故だか知らないが俺達について行きたいようだ。俺としては多少気味が悪いだけだし何よりもこの後の事を考えると多少の気味の悪さなどは度外視して連れていくのは1つの手なのではないだろうか。
「ギャリー、この人形が連れて行って欲しいらしいけどどうする?俺的には連れてくのはありだと思ってるけど。」
「ハァ!?アンタ何言ってんの!そんなの連れて行ける訳無いでしょ!馬鹿な事言ってないで早く進むわよ!」
「あーあ……。ごめんな人形……くん?ちゃん?……まぁいいや。また機会があったら一緒に行こうや。」
俺はそう言って人形から離れてギャリーの後を追う。すると何も無かった筈の通路の先になんの前触れもなく先程と同じ人形が現れる。一応分かってはいたが念の為に振り返って先程の場所を確認してみるも人形がある訳もなく。
「ギャリー、奴さんついてくる気満々だけどどうすんのさ。このままじゃいたちごっこだぞ。」
「そんな事知らないわよ!無視していくわよ!」
ギャリーがそんな事を言ってるがさすがに完全にスルーをしてしまうのもどうかと思うし、なんて書いてあったかさすがに覚えてなかったから気になったので横目でササッとなんて書いてあるのか読むと
“ねぇ どうして つれてって くれないの”
とこちらに問いかけてきているのを見て「あぁ、こんなのもあったなぁ」となんだか懐かしい気持ちになってくる。しかし読んでおいて何の返事をしないのも悪いと思い、俺は一言「ギャリーに言ってくれ」と残して先へ進む。
程なくして再び突き当たりにぶつかる。ここの廊下はゲームの時と変わらずS字のように曲がりくねっているらしくなんとも面倒臭い作りになっている。
曲がり角を曲がると目の前には再びあの人形が俺達を待ち構えている。分かっていたとはいえ流石に少しうんざりしてきたのをぐっと我慢して人形の横に書いてある文章を読んでみる。
“なんで むしするの? わたしのこと きらいなの?”
「……なんとも返しづらい質問をしてくるなぁ。」
「この人形、今度はなんて言ってきたのよ?」
「“なんで むしするの? わたしのこと きらいなの?”だってさ。俺は愛着は湧いてきたけどギャリーはどうよ。」
「そんなの嫌いに決まってるでしょ!?何分かりきったこと聞いてるのよ!」
「そんな事言ってるとこの先この人形になにか仕返しされるかもよ。」
「そんな不吉な事言わないでちょうだい!……もう好きにすればいいじゃない。連れていくのなら連れてけばいいわ。」
「あ、そう?じゃあ連れてこうかな。人形さんや、落ちないように気をつけてな。」
「その人形の何がいいんだか……。アタシには分からないわ。」
ギャリーはそういうと足早に通路を先へと進んでいく。その先が俺にとってどういうものになるのかは分からないがどうにか3人を外の世界に出す。その目標をなんとか達成する為に俺はこの身を粉にする事を決めているが故にこの人形に媚びを売っておく事に越したことはない。
これがどんな変化を産むのかは分からないがやってやれない事はない。自分自身にそう言い聞かせて先に行ったギャリーを追いかけるように駆け足で先へと進んでいく。
「やってやれない事はない」という一文はとある舞台の中のセリフです。私はこの舞台が大好きでYouTubeで公式があげた動画を何回も見直しています。
無断転載じゃないって最高ですね。
今まで通り書くとイヴとメアリーの探索パートが無くなります。欲しいですか?
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欲しい
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要らない
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どちらでもいい