Ib〜ハッピーエンドへ行き着くためには〜   作:月舘

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どうも、私です。最近青人形がとても可愛く見えてきました。昔は恐怖しか無かったんですが時の流れとこういう文章を書いてるって事実のせいですね。









では、どうぞ。


人形の手柄

人形を連れていくと決めてからは特に何も起こらないままに次の部屋へと繋がる扉の前まで到着する。扉には鍵がかかっており多少強くノブを回したり押したり引いたりしてみるがうんともすんとも言わない。

 

 

「あら?開かないわね……。ここまでに何か扉が開きそうな仕掛けなんてあったかしら?」

 

「いや、そんなものはなかった気がする。ここまでなんの代わり映えもしない廊下だったし。」

 

「うーん……やっぱりそうよねぇ……。じゃあその前の部屋かしら?あの部屋にまだ引いてない紐もあったしあの中のうちのどれか……?」

 

 

幾らここを通過する答えを知っていたとしても、その方法はもう既に試す事が出来ないものとなっている為他の方法を試すしかない。それか俺の頭の上を陣取っている青い人形(こいつ)がやる気を出して鍵を開けてくれれば俺らは特に何もせずに物事が解決するのでありがたい限りなのだが、当の本人は俺の頭の上でうつ伏せになりながらバランスをとって遊んでいる為それも望み薄だろう。

 

大の男2人がうんうんとその場で悩み惚けていると遊び飽きたのか、青い人形が俺の髪の毛をクイクイと引っ張ってくる。そのタイミングで扉付近の壁にパシャッという音と共に文字が浮かんでいる。

 

 

“さきに すすまないの?

わたしにも できることが あったら

いっていいよ! てつだってあげる!”

 

 

「ギャリーこれ!これならこの扉開くかもよ!」

 

「あら!この人形凄いじゃない!早速鍵を開けてもらうよう頼みましょ!」

 

「そうだな!人形さんや、そこの鍵って開けられる?」

 

 

“あけられるよ ちょっとまってね!”

 

 

かの人形はそういうと動き始めるわけでも何をする訳でもなくその場でじっとしている。その姿を見ていて何もしていないように見えてしまうが、次の瞬間に鍵の開く音が扉の方から聞こえてくる。

 

俺とギャリーはその音を聞いてお互いに目を合わせる。そして俺達の目の前の鍵が開いた事を自覚すると感極まって思わずハイタッチをしてしまった。

 

 

「立ち止まってる時間が大半とはいえここもそこそこ長かったしさっさと次の部屋に行こうか。」

 

「ええそうね!早くこの先に行ってイヴ達と合流しないと!」

 

「人形もありがとな。……お前さんって名前とかある?」

 

「確かに名前がなくっちゃ呼びづらいわね。いっその事アタシ達でつけちゃいましょうよ!」

 

「あ、それいいアイデア!」

 

 

俺たちはそんな話をしながら次の部屋へと入っていく。

 

――――――

 

部屋に入るとそこは見える限りはゲームの時と変わらずの部屋配置となっている。と言っても二部屋しか見えないので絶対に一緒だとは思っていないが大きくは変わっていないだろう。

 

 

「さて、ここまで来たのはいいけどここもそこそこ広そうね。」

 

「まぁいつも通りまずは一周まわってみようか。―――君はどうする?俺達と一緒に行動するか?」

 

“わたしは ここでまってるよ

ふたりで がんばってね”

 

 

人形はそう言うと俺の頭から降りて例の部屋(・・・・)の前へと歩いていく。瞬間移動以外で移動できる事にギャリーは少し驚いていたがそれを無視して俺は人形の頭を一撫でする。

 

 

「おっけ。じゃあまた後で話そうな。……よし、ギャリーそろそろ行こうか。」

 

「……アンタって案外臆病じゃないのね。今の驚かなかったのは素直に尊敬するわ。」

 

「へ?……いやいや、今まで動くはずないものが動くなんて嫌という程見てきたじゃんか。ギャリーはそろそろ慣れようぜ。」

 

「こんなの一生懸かっても慣れるような気がしないわ……。」

 

 

なんだかんだ言って人形を見てもマイナスな言葉を吐かなくなっている時点で慣れてきている証拠だと思うが、そこには敢えて触れずに軽く笑う。俺達はそんなほんわかとした雰囲気のまま部屋を回るかと思われたが、突如部屋の奥……と言うよりもすぐ近くの天井からドスンと何かが落とされたかのような音が聞こえてきて俺達の間に緊張感が漂う。

 

 

「やっぱり一筋縄では行かなさそうね……。気を引き締めていきましょうか。」

 

「今のがなんでもなければいいんだけど。まぁなるようにしかならんだろ。」

 

 

何が起きたかは何となく分かってはいるけれどもやはり急にあんな音が聞こえてくると不安にもなるもの。ただ、イヴちゃんとメアリーがちゃんと進んで来ていることがわかったのでそこは少し安心もしている所。とにかく俺達も進むしかないと意識を改め直して探索をし始める。




「―――ねぇイヴ、本当にこれ落とすの?割れちゃうかもよ?しかもなんか重たいし……。」

「うん、落とすよ。だってこれだけほかのものよりも明らかに重いんだもん。何かあるに決まってる!」

「そ、そう……。そこまで言うなら止めないけど……。」

「じゃあ行くよ〜!えいっ!」


ガシャーンと大きな音と共に頭の陶器は机から床へと落ちていく。しかし割れるような音がしたにも関わらずこの陶器は割れず、それどころか床に穴を開けてしまう。


「あーあ。見てよイヴ。床にヒビが入っちゃったわよ。しかもなんか変なガスみたいなの出てるし……。」

「うーん……なんかあると思ったんだけどなぁ……。こうなったらほかの頭も落としてみる?」

「イヴ……いくら何でもそれはやりすぎだと思うよ……。」


メアリーはゲッソリとした表情でイヴに向けてつぶやく。しかし当のイヴはそんなつぶやきなど聞こえていないかのようにルンルンで部屋を後にする。


「―――ヒロトシとギャリーってこのおてんば娘を制御してたんだ……。意外と凄かったんだなぁ……。」


大切なものはなくしてから気づくとはよく言ったもので、メアリーも年長者の存在の大切さをかみ締めながらトボトボとイヴの後を追う。しかしその表情はとても楽しそうなものであった。

今まで通り書くとイヴとメアリーの探索パートが無くなります。欲しいですか?

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