Ib〜ハッピーエンドへ行き着くためには〜   作:月舘

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「ねぇイヴ……。この絵の名前知ってるの?」

「うぅん、知らないよ?でも多分そんなにひねった名前じゃないんじゃないかな?」

「えぇ……。―――って正解してるし……。」

「ふふん!わたしだってこれ位はできるんだから!」

「あ、そう……。とりあえず中に入ろ?」

「うん!」


2人はそう言うと部屋の中に入っていく。部屋の中はふたつの部屋に別れているようで、手前の部屋には本棚があるだけのようだ。


「とりあえず本棚を見るのはあとにしておくの方を見てみよ?」

「そうだね。奥には何かあるといいけど……。」


奥の部屋に入ると本棚と一緒に絵画が1つ飾ってあり、何やらその真ん中に穴のようなものが見える。


「メアリー見て!あの絵に何かありそうだよ!」

「すごく楽しそうだねイヴ……。」

「うん!こういう事はお兄さんとギャリーに任せっぱなしだったからすごくしんせんなんだ!」

「そっか。じゃあめいっぱい楽しまないとだね!」

「うん!……あ!この鍵穴ならこのカギが使えるんじゃないかな!」

「イヴ、その鍵っていつ取ってたの?」

「さっき頭のやつ見てた時!」

「いつの間に……。」


釣り針

ガスの充満していた部屋から離れた俺達は、先程一周した時となにか変わってないか確認する事にした。とは言ってもイヴちゃん達がどれだけ進んだかによってこちらに変化が出てくるものなのであまり期待しない方がいいのかもしれない。

 

そんな事を思いながら探索していくと、扉の上にあった双葉は木にまで成長し、海の中のような絵画からは普通のものよりも大きい釣り針が垂れ下がってきていた。

 

 

「ギャリー、釣り針と扉どっちから確認する?」

 

「う〜ん、できる事も少なそうだし釣り針の方を先に見てみてもいいんじゃないかしら。どうせこんな美術館何だから上で誰かが本当に釣りをしてるんでしょ。」

 

「あー確かにそれは有り得るかも。じゃあさっき取った傘なんて引っ掛けてみる?」

 

「あ!それは有りね!どうせなにか引っ掛けるか触るくらいしか思いつかないし、針に触って怪我しても馬鹿らしいものね。」

 

「じゃあギャリー、その持ってる傘を早速掛けてみてよ。」

 

 

俺がそう言うとギャリーは針に触らないように気をつけながら傘の持ち手を針に引っ掛けた。するとそれを待っていたかのように傘はスルスルと絵画の世界に入りながら上へと上がっていく。今まで見ていたドットのものとは比べ物にならないくらいの衝撃がこの絵面にはあると思うがこれを録画していた所で誰に見せたとしてもCGだと思われて終わりだろう。

 

傘が絵画の中から見えなくなると俺は今の状態で絵画の中に物が入るのか気になり、手を絵画の方へと伸ばしていく。その姿を見たギャリーはギョッとして慌てて俺の手を掴んで止めてくる。

 

 

「ち、ちょっとちょっと!アンタ何しようとしてんのよ!」

 

「え?だってこの中に何があるか気になるじゃん。それにこの絵なら手を突っ込んでも何とかなりそうだしさ。」

 

「そういう問題かしら!?もう少し危機感を持った方がいいんじゃない!?」

 

「えー。これくらい大丈夫でしょー。それにすぐそこには水の枯れない花瓶もあるしさー。いけるいけるー。」

 

「なんでそんなに棒読みなのよ……。まぁどうしてもやりたければやればいいんじゃない?アタシはどうなっても知らないわよ。」

 

「じゃ、遠慮なくー。―――おぉ、冷たくもなんか少し暖かい感じのするこの感覚……。マジで水っぽいな。ホントはこの中に頭突っ込んで中がどうなってんのか確認したいけどさすがに辞めとこうか。」

 

「……アンタの好奇心は猫どころかアタシまで殺されそうね。」

 

 

俺が絵画の中から手を抜くタイミングでギャリーから声をかけられる。

そのあまりの言い分に少しムッときたが、今自分のしでかした行動を鑑みて強く否定できなかった為苦笑いで流しておく事にする。しかしこれである程度の時間稼ぎも出来た事だしイヴちゃんとメアリーは傘をあの絵画に届けてくれただろう。

そう期待を馳せて俺達は漸く変化が確認できた扉の方へと向かった。

 

元々つぼみの生えていた(ように見えた)扉は、今では立派な木にまで成長を遂げていた。扉の鍵も植物の成長のお陰で解錠されたらしく先程見に来た時は入れなかった扉も今は開くようになっている。

 

 

「さて、入ろうか。」

 

「そうね……。アタシなんか疲れたから早く中に入って一休みしたいわ。」

 

「なんでそんなに疲れたのさ。なんか疲れるような事あった?」

 

「アンタのせいよ……!まったくもう……あたしにもうこれ以上突っ込ませないで欲しいわ……。」

 

「えー。楽しかったのになー。」

 

「アタシは無駄に疲れるだけで楽しくないのよ!」

 

 

ギャリーはそうやってぷりぷりと怒りながら部屋の中へズンズンと足を進めていく。俺はその後をにやけ顔を辞められないままについて行く。




どうも、私です。今回はちょっと趣向を変えてみました。楽しんでいただけたなら何よりです。

今の段階で入手した絵の具玉は2つ。あと5つあるのですがその内の1つはどうとってもらうか少し悩んでおります。プレイした事のある方ならなんとなく目星が着くのではないでしょうか。では次回もお楽しみください。
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