「さっきの部屋に傘をなくした乙女って作品があったからその人に渡せば変化が起きるんじゃないかな?って思って!」
「あ〜確かにそれはありそうだね。じゃあその作品があるところに行こっか。」
そう言って私達はマネキンのあった部屋へと戻っていく。そして部屋に入ってすぐにある『傘をなくした乙女』に傘を返すとなんと雨が降ってくるでは無いか。
「え?え!?部屋の中なのに雨が降ってきた!」
「風邪ひいちゃうから早く出よ!メアリー行こ!」
「うん!」
こんな時間がずっと続けばいいのにな。
――――――暗闇が徐々に明るくなっていく。音が聞こえ始め思考もゆっくりと動き始める。指を動かし首を動かし、そしてようやくゆっくりとまぶたを開ける――――――。
「―――、んぁ……。あれ、ギャリー戻ってきてたんだ……。お疲れちゃん。」
「あら、随分と眠そうじゃない。そんなんで大丈夫なのかしら?」
「多分大丈夫……。あー、上着なんてかけて貰ってスマンね。あんがとさん。」
「別にこれくらいどうって事無いわよ。それに何もかけてないまま寝てるのを見てると何だか可愛そうに思えちゃってね。」
「お前は俺の母ちゃんかよ……。」
「アンタみたいなのが子供だったら苦労しそうね。というかアタシは男なんだからそれを言うなら父ちゃんでしょうが。」
うつらうつらと頭もまともに動いていないような状態ながらギャリーと会話をしながら夢の内容を思い出せるかそれとなく確認する。
過去2回に加えて今回の夢まで全てしっかりとその時の感情まで思い出せる事を確かめた俺は改めてこの世界で誰よりも異質な存在な事を再認識する。
すると、俺が余程浮かない顔をしていたのかギャリーが心配そうな面持ちでこちらを覗いてくる。
「ギャリー、そんな顔をしなくても心配するような事なんて何もないよ。まだ眠いだけだから。」
「そうかしら……。魘されてはいなかったけどもしかしたら夢見が悪かったんじゃないかしら?」
「そんなことも無い。4人で楽しく外の世界を満喫してる夢を見たよ。」
「そう……。現実にそうなるようにアタシ達も頑張らないとね。」
「確かに。―――で、収穫は何かあったか?」
「あ、そうそうその話をしないといけなかったわね。アンタの言う通りあの部屋の奥に紐が下がってたわ。」
「お、その話し方なら紐を引っ張ってきたって事か。そしたら何が起こったよ。」
「隣の部屋に行けるようになったわね。ほかはどの部屋に行ってみても変わったことは無かったわ。開かない所は開かないままだったし。」
「じゃあ隣の部屋にまたなんかあるって言う事かねぇ……。んで?ギャリーはもう隣の部屋は探索し終わったのか?」
「流石にそこまでのワンマンプレイはしないわ。今はアンタ待ちよ。」
「おぉ、そりゃ失敬。じゃあ早速行きますか。」
俺はそう言って立ち上がるとすぐに隣の部屋へと足を向ける。後ろから「ちょっと待ちなさいよ」と言われるがそれを全く無視してズカズカと歩いていく。
「ほーん。隣と特に何が違うとかはそんなにない感じか。かかってる絵くらいしか変わらんな。」
「もぅ!本をしまうくらい待ってくれてもいいんじゃないかしら!?アンタ本当に意地が悪いわね!」
「いや、すぐそこだし扉を出る訳でもないからいいかなって。」
「ホント信じらんないわ!さっきのアタシの優しさを返してちょうだい!」
「後でな。今から本棚の中身確認しないといけないから。」
「全く!次やったら本当に許さないから覚えておきなさいよ!」
「ハイハイ。」
俺は適当に返事をしながら
「……!な、なんで……。え?嘘でしょ……これ……。」
「メアリー…………?!」
どうも、私です。今回は早く書き終わったので少しほっとしています。それと、明日はこの作品が1周年だという事でifをあげようと思っています。
進捗、そこそこです。多分書き終わるかと。多分。