Ib〜ハッピーエンドへ行き着くためには〜   作:月舘

109 / 142
どうも、私です。何とか無事に書き終わりました。楽しんでいって貰えましたら今回はうれしいです。本編を考えるので疲れたので後書きはなしです。











では、どうぞ。



閑話:1周年&UA10000突破記念if

今日はギャリーに呼ばれてイヴの家へと向かう。何故ギャリーに呼ばれたのにイヴの家なのかは分からないが、何かが準備されているのだろうか。もしそうだった場合メアリーもほぼ必ずいる事だろうし、俺達4人に関連する何かがあるのだろう。

 

しかし俺自身も当事者なのだろうが、正直呼ばれる理由に心当たりがあまりない為に少しワクワクしている。あの3人……特にギャリーには口が裂けても言いたくないが。

 

 

「おっイヴ、おーっす。待たせたか?」

 

「ううん!わたしはお兄さんが見えたから家から出てきただけだもん!気にしなくていいよ!」

 

「そうならいいんだけど。もう2人は到着してる?」

 

「うん!2人とももう来て準備してるよ!」

 

 

準備……?と俺は頭を傾げるがどうせ家の中に入れば分かるだろと思考を止めてイヴの後を着いていく。

 

家に入ると、なんだか甘い匂いがどこからか匂ってくる。その匂いに俺の意識は少しだけ持っていかれるが、直ぐにイヴの方へ意識を戻してその後ろ姿を追っていくとギャリーとメアリーがわちゃわちゃしているのが俺の視界に入る。

 

 

「……2人ともなんでそんなにテンション上がってんの?いやテンションの意味が緊張だって事は知ってるから使い方を間違ってる事は言わなくていいんだけど。」

 

「なんでって……私達が出会って1周年記念の集まりでしょ?もしかしてトシって覚えてなかったの?」

 

「え〜!?信じられなぁい!ちょっとアンタ〜!記念日を覚えてないなんて女の子に嫌われるわよ〜。」

 

「ギャリーは少しお黙り。でもそっか、俺達ってあの美術館で会ってからもうそんなに経つのか。時の流れは早いもんだなぁ……。」

 

「お兄さん、その言い方はなんか親戚のおじさんみたいだよ……。」

 

 

そんなイヴのなかなか心にグサリと刺さるツッコミを受けてなんとも言えない気持ちになりながらも気にしていない振りをして話を続ける。

 

 

「それで記念日なのはわかったけど何するつもりなのさ。俺この事について一切聞いてないし、何をするにしても準備できてないぞ。」

 

「いつもアンタに頼りっぱなしじゃアタシも年長者の威厳ってものが廃るのよ。それにサプライズ的な事も1回はしてみたかったし!」

 

「そうそう!いつもトシに任せてたらトシ自身が全力で楽しめないでしょ?だから今回は私達の番!」

 

「お兄さんにはすごくお世話になったからどんな事でもお返しが出来ればなって思ってたんだ。」

 

 

3人から暖かい言葉を貰い、少し心がなんとも言葉では言い表せる事の出来ない感じになってしまった。しかしそんな事もお構い無しに3人……と言うよりもメアリーとギャリーが話を進めていく。

 

 

「それじゃあ早速移動しましょ!アタシアレに行ってみたいのよ!おすし屋さん!」

 

「え〜!おすしって確か魚を生で食べるんでしょ〜?本当に美味しいの?」

 

「それが美味しいらしいのよ!商品の中にはデビルフィッシュもあるらしいから少し怖いけど試してみる価値はあるわ!」

 

「デビルフィッシュ……あぁタコか。タコは確かに美味いな。俺はそれよりもサーモンとかマグロとかの方が好きだけど。」

 

「ねぇお兄さん、もしわたしが食べられなかったら食べてくれる?」

 

「あいよ。気になったら取っちゃいな。でもまぁ基本寿司って2貫で1セットだからあんまり深く考えんでもいいぞ。」

 

「へぇ……!やっぱり日本ってブルジョワジーだね!」

 

 

なんだか日本の文化がねじ曲がって伝わっている所を初めてまともに体感したかもしれないと感じながら俺はイヴの頭を自分なりに丁寧に撫でる。

なんだか最近はイヴと会う度に1回は頭を撫でている気がするが、イヴの頭が撫でやすい位置にあるのがいけないと思う。でもこれが“Ib”ファンにバレたら殺されかねないななんて思ったりもするが、今まで外に4人で出かけて一度もバレた事が無いのできっと大丈夫だろう。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

 

 

集合をしたのはいいが皆お昼を食べ終えており、結局飯にするには少し早すぎるということでアミューズメントパークに行って買い物やゲーセン、ちょっとしたアトラクションを楽しんだ。

普段の集まりなら子供二人が楽しめるようしっかりと下調べをして色々と万全にしておくのだが今回は俺がゲストらしいのでそういった事はできる限り何も考えないようにした。

 

そしてついにギャリーお待ちかねの寿司屋である。とは言ってもそんなに潤沢に遊ぶ為の資金がある訳でもないのでチェーン店の回転寿司ではあるが、まぁこれも紛れもなく寿司なのだから大丈夫だろう。

 

 

「おぉ……!これがあのおすし屋さん……!日本人はやっぱり凄いわね!」

 

「ねぇねぇギャリー!レジスターの横にガチャガチャがあるよ!やっていい?」

 

「それは帰る時にしなさい!それよりも先におすし食べるわよ!」

 

「ねぇお兄さん。あのノートって何のためにあるの?」

 

「あれは混んでる時に順番待ちをする時に自分の名前を書く為のものだ。店員もあれを見て次のお客を呼ぶんだよ。」

 

「へぇ〜。わたしの近くのお店では見た事ないなぁ。」

 

「こういうお店は待つ為の椅子があるからどういう順番で並んでるのか分からなくなるからなぁ。ま、たまに自分のペンネームみたいな名前を書くやつもいるけど。」

 

「今回は書かなくていいの?」

 

「今回は偶然そんなに混んでないから書かなくてもすぐ席に連れていかれると思うぞ。」

 

 

若干2名テンションの高い奴らがいるがそれは放って置く。多分席に着くとまた煩くなるだろうし相手にしない方が俺も疲れないだろう。

 

 

―――

 

 

案の定席に着いた途端やれこのモニターはなんだだのこの黒いボタンはなんだだのと言ってくるので、他の客の迷惑のことも考えて人差し指を立てて口の前へと持っていく。

すると流石に俺の伝えたい事が分かったのか2人は少し顔を赤くして恥ずかしそうに黙る。

 

それを確認した俺は呆れながらもお店の説明をしていく。

 

 

「まずこのお店はこのレーンに流れているお寿司は基本自由にとっていい。で、その上にある段は注文の品が流れてくるレーンだからこの机の前で止まらない限り、と言うか俺達の頼んだ物じゃない限り取るな。注文したいならそこのパネルからする。ここまではいいか?」

 

「アタシは大丈夫よ!」

 

「私達も大丈夫!ね、イヴ?」

 

「うん!」

 

「おっけ。じゃあ続きな。注文した品でもこのレーンに乗らないものは従業員がここまで運んでくるから気にせず注文して大丈夫。んでこの黒いボタンは熱湯が出る。上にコップがあるだろ?それにこのお茶の粉を入れてお茶を作る為のものだ。だから決して素手のまま押さないように。」

 

「え゛っ……そうだったのね。説明受ける前に押すところだったわ。」

 

「私も何も考えずに押すところだった……。トシ、教えてくれてありがと!」

 

「いくらテンションが上がってるとはいえ何も考えずに行動するのはどうかと思うぞ……。」

 

「ま、まぁメアリーもギャリーもずっと前から楽しみにしてたみたいだし仕方ないと思うよ?」

 

「それでも限度があるだろ……。」

 

そう言って2人を擁護するイヴからは何とも苦労人の空気を感じるが俺はあえて深くは突っ込ずに話を続けた。

 

 

「最後に食べ終わった皿はレーンに戻すな。ここは食べ放題じゃないから最終的に皿の合計枚数で支払い金額が決まる。だからその枚数を誤魔化した場合普通に捕まるからな。気をつけろよ。」

 

「なんか面倒臭いシステムねぇ……。ま、邪魔にならないようにどこか机の隅に置いておけばいいのよね?」

 

「ま、そういう事だな。だから出来れば俺とギャリーのどちらかは廊下側のほうが好ましいな。こっちに空いた皿を渡してくれれば積んでおいてやるからさ。」

 

「じゃあ私はレーン側に居るー!イヴもこっちで色んなおすし食べよ!」

 

「うん!」

 

「……アタシ達ここからだとお寿司取れないわよ?」

 

「まぁいざとなったらもう1席どこか準備してもらうか。子供組と大人組で別れてもいいし、ほかのやつと話したくなったら席を移動しても良いだろうしさ。」

 

「その時まで席が空いていればいいんだけどね……。」

 

「まぁ今は平日で時間もお昼時より少しズレてるから何とかなるだろ。それにあの2人なら頼めばとってくれるさ。」

 

「……まぁそうね。それじゃあ楽しみましょっか!」

 

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

 

「ふぅ……。ここまで生魚を食べたのは初めてよ。生でも意外とイけるものなのね。」

 

「私もお腹いっぱい!こんなに美味しい生魚初めてかも!」

 

「わたしもまんぷく〜!お兄さん、ギャリー!ごちそうさまでした!」

 

 

寿司も充分に堪能し俺達は店を出た。お会計の際に店員さんがお皿を数えている時にはなんでだか分からないがギャリーとメアリーが目をキラキラさせながら店員さんの方を見つめているのを申し訳なく思ったりしながらも無事何事もなく会計まで向かう事が出来た。

店員さん、ウチのバカ2人が申し訳ありませんでした。そう心の中で謝っておく。

 

 

「おー。満足してくれたなら何よりだ。皆はどの寿司が1番好き?」

 

「私は甘エビが1番良かった!名前の通り甘くてそれでいて身はプリプリしてて……。もうサイコー!」

 

「アタシはタマゴね。あの卵焼きの甘さが本当にたまらなかったわ!」

 

「メアリーは兎も角ギャリー……。魚じゃねぇのかよ……。」

 

「それくらいあの卵焼きが気に入ったのよ!悪いかしら!?」

 

「いや……悪くは無いけどさ……。なんと言うか男にしちゃ可愛い寿司ネタ選ぶなって。おこちゃま舌か?」

 

「ムキー!」

 

 

初めての寿司という事で何が1番気に入ったかを聞いてみると、メアリーははとても彼女らしい可愛らしいチョイスとなっていた。それに対しギャリーはなんと言うかギャリーらしいチョイスだなと思いながら少し弄る。

最後はイヴなのだがこの子は何が気に入ったのだろうか。

 

 

「イヴは何が1番美味しく感じた?」

 

「私は赤貝が1番美味しかった!あの食感とか味とかすごく美味しかった!」

 

「おぉ……意外と渋い所選ぶな。でも赤貝美味しいもんな、分かる。」

 

 

思っていた以上に渋いチョイスをしてきたイヴに少し驚いたものの、確かに貝特有のあの食感はいいものだと思う俺もいるのでイヴの意見に賛同しておく。

しかしまさかメアリーとイヴのチョイスの方がギャリーよりもしっかりお寿司と言うかなんと言うか。ギャリーがタマゴを選ぶと思ってなかった事もありそれに関する感想しか浮かばない。おのれギャリー。

 

 

「お兄さんっておすしの中で何が1番好きなの?」

 

「俺?俺はまぁサーモンかな。なんだかんだ言ってあの味が1番俺の好きなやつだな。」

 

「あー確かにあれも美味しかった!トシもいいセンスしてるね!」

 

「お褒めに預かり光栄でーす。ここでのんびりしててもあれだしさっさと帰るぞー。ギャリー、車は任せた。」

 

「了解。ここまで回してくるからちょっと待っててちょうだい。」

 

 

ギャリーが車の方へと走っているのを見ながら俺は今日1日を振り返っていた。昼間のサプライズから始まりアミューズメントパーク、そして最後に寿司屋。行った場所は多くはないとはいえすごく楽しめた1日だったと胸を張って言えるだろう。

 

 

「ねぇトシ。今日は楽しかった?」

 

「―――あぁ。すっげぇ楽しかった。ありがとな、メアリー。」

 

「お兄さんっ!わたしは?わたしは??」

 

「イヴもありがと。こんなに楽しかったのマジで久々だったわ。」

 

 

俺達はどれだけ年が離れていようと、どれだけ住んでる場所が離れていようと繋がれる事を俺の中で再認識した1日になったのであった――――。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。