話は進みません笑
では、どうぞ。
「メアリー……!?」
そう言うと共にギャリーの目が大きく見開かれる。しかし後に言葉が続かないあたりだいぶ動揺しているようだ。
そう呆けているのも束の間、こちらへ顔を向けて何かを訴えかけてきているが俺は元々知っていた事だし、ただでさえ黙っている事の多い俺がこの事実を隠すのも忍びなくなったので俺の知っている事を
「『メアリー』。製作年不明。ゲルテナが生涯最後に描かれたという逸話の持つ絵画……ってところかね。」
「!?ヒロトシ何か知っているの!?知ってんならアタシに教えてちょうだい!」
「もちろん。とは言うものの俺の知ってる事はそんくらいだぞ。まぁあと強いて言うならここから出たがってるくらいか。」
「そんな事はアタシも知ってんのよ!」
「まぁまぁ少し落ち着けって。そんな怒りを覚えたところで事態は何も変わらんぞ。」
「誰のせいだとっ!―――、はぁ……確かに熱くなりすぎてたわ。一旦落ち着きましょ……。」
ギャリーがキレた時は掴みかかってくるかのような勢いだった為に少し身構えたが、流石にそんな事はしてこなかった。大人としての自制が働いたのか、それとも怒っている事を馬鹿らしく感じたのか。何にせよこの場の空気が荒んでいくのを感じながら俺はギャリーからどんな言葉をかけられるのか待つ事にした。
「……。アタシはイヴを守るわ。メアリーもアイツらと同じとわかってしまった今はもうあの子も敵にしか思えないもの。」
「そっか……。なら俺はメアリーと一緒に動く事にするよ。合流出来たらの話だけどね。」
「なんでっ……!なんでアンタはそこまであの子を庇う事が出来るのよっ!あの子も『美術品』なのよ!?」
「―――だってメアリーは“生きている”から。ちゃんと自分の意思を持って進んでるから。それじゃ駄目か?」
「生きて、る?アンタ、一体何を言っているのかしら!?絵画が生きているわけないじゃない!」
そう言われて俺はハッとする。確かに俺たちの文化に“付喪神”という物はあるけれど、海外にそういったものがあると聞いたことは無い。似たような事例で物に悪霊が取り憑いてこちらを襲ってくるという映画などはあるが、物そのものが妖怪へと昇華するなんて事は日本の作品でしか見た事がなかった。
「……俺の国には面白い文化があるんだ。」
「急に何言ってるの?」
「まぁ聞けって。―――それは“付喪神”って言ってな?物が長い年月を経て妖怪……まぁ精霊みたいなもんになってしまうってものなんだ。」
「……その妖怪って悪さをする存在なのかしら?」
「人間に悪さをするやつもいれば、逆に人間の味方になってくれる奴もいる。どっちとも言えないさ。―――でも確かな事はその長い年月の間にいい感情を向けられていた付喪神は人間と良好な関係になってくれるんだ。」
「……。」
俺の憶測なども含めて付喪神の説明をする。俺の言いたい事の前説なのだが伝えたい事は大まかに伝わっているだろう。だがそれでも最後まで言葉にしないと言いたい事が伝わらないと思い、俺は言葉を続ける。
「俺はメアリーを付喪神の一種だと思ってる。それに悪いヤツなら俺が始めにぶつかった時点で何枚か花弁が散っていてもおかしくない。でもそれがないって事は俺達が目の敵にしない限り向こうが襲ってくる事もないと思うんだ。」
「まぁ……確かにアンタはあの子とぶつかったのに花弁は1枚も散ってなかったわね……。で、でもあれはどうにかしてうまく誤魔化していたんじゃないかしら?」
「それはないと思うよ。それならあの青人形の部屋辺りで俺達に攻撃してきそうなものだもの。俺達油断してたしそれに逃げ場が廊下よりも少ないからさ。」
「言いたい事はわからなくは無いけどだからと言ってそんなに信じきる事は出来ないわ……。」
「まぁ俺が言いたいのはメアリーは何も悪くないと俺は思ってるって事。だって誰でもずっと同じ所に居たくは無いんだし、それに色んな経験をあの子にさせてあげたいんだ。」
俺がそこまで言うとギャリーは何かを考えるようにして黙りこくってしまう。それを横目に俺は『聞き耳』の傍へと行き、それに向かって小声で“メアリーに向かって”語りかける。
「メアリー、俺は誰が何と言おうとお前の味方になるからヤケになるなよ。」
この声が本当にメアリーに届いているのかは分からないが、しっかりと伝えておきたかった事なのでもし聞こえてなかったとしてもまぁ良いだろう。
「わかったわ……アタシはアンタがメアリーに対してする事に文句は言わない。でもアタシはいざとなったらイヴを守るわよ。」
「あぁ、それで大丈夫。俺はメアリーが外に出られるように手助けするだけだからそっちの事も手伝うし。」
「ま、馬鹿みたいに敵対した所でいい事なんてないものね。持ちつ持たれつで行きましょ。」
俺達は下手に陰険な雰囲気にならずに済んだ事に少し安堵しながらこれからの行動をどうするか話し合う。話し合っている時の俺達は今までよりも言いたい事を言い合えた気がするのは気のせいでは無いはずだ。
最初書きたいって思った時に頭の中で考えてたシーンの1つがここなんですけど最初はもっと主人公が熱く語ってたんですよ。
でもここまで書き進めてきて熱血は合わなくなってきてしまったのでこういう形に落ち着きました。
前回のお寿司会ですがみさなんはどの寿司ネタが好きですか?私は安定のサーモンが好きですね。主人公君の味覚は私に寄せているのです。