でもたとえ思考が詰まってもエンディングまでがんばって描き続けていこうと思います。
では、どうぞ。
何事もなく話し合いの終えた俺達は何事も無かったかのようにこの部屋を後にする。
……もしこれがゲームと同じ視点ならこの部屋の外側、つまり絶対に一人称だと見えない位置に“知っちゃった 知っちゃった メアリーの秘密”と浮き出るタイミングがあの本のメアリーのページを確認した後にあるのだが、それがこのイレギュラーだらけの今回はなんて出てきたのか気になる所ではある。まぁどう足掻いたところで見えないのだが。
しかしこんな事を下手に考えていたら先程のあれでまだ納得いっていないのかとギャリーからいい感情を持たれないのは目に見えているので深くは考えない事にした。
そんなこんなで平然を装いながらギャリーと廊下まで出てきたところでふと絵の具玉を取り忘れているところがある事を思い出した。『ジャグリング』である。
確かあの絵を調べると描かれているジャグラー?が問題を出してきた記憶がある。そしてそれに正解すれば絵の具玉が貰えたはず……。
あぁ……Ibの全てを暗記するくらいにやり込めばよかった。全てのエンドを見尽くしたくらいじゃこの程度の記憶しかできないのかと過去の俺にもう少し覚えようとしてくれと言いたくなってくる。
「ヒロトシ、アンタあの部屋出てから静かだけどどうしたのよ。まさかまだなにか思うところでもある訳?」
「いや……この美術館に来る前の俺を殴りたくなってきてさ……。はぁ……。」
「いや急になんなのよ。アンタの情緒不安定にも程があるでしょ。」
「俺の事はいいから早くほかの絵の具玉を探しに行こう……。はぁ……。」
「やりづらいったらありゃしないわね……。アタシも頑張るんだからアンタも頑張んなさいよ!」
ギャリーからそんな応援の言葉を頂いたところで俺達はギャリーを先頭に行動を始める。今まで俺が先頭で歩いてきたから少しだけ違和感を感じるが、本来あるべき姿はこうだと思ってしまう。
……というか何でゲームの時はイヴちゃんが先頭を歩いているのだろう。確かに主人公はイヴちゃんなんだろうけれど年上として、大人として、そして何よりも男としてそれってどうなのか。甚だ疑問である。
そんなことを考えていたらギャリーが立ち止まる。どうやら彼もまだ絵画を調べていない事に気づいたらしく、『心配』の前で立ち止まっている。違う、そっちじゃない。
「さっきからここら辺を通る度になにか視線を感じていたのよ。だからこの絵が怪しいなってアタシは思った訳!」
「あ、うん。そうだな。」
「だからきっとこの絵をくまなく見れば―――。」
しかし何かが見つかる訳もなく。ただただ『心配』から心配そうに見つめられるギャリー。
「くまなく見れば―――。」
それでも諦めずに端から端まで、限界まで目を見開いて絵画を観察するギャリー。当の『心配』は今まで以上に心配そうな眼差しでギャリーを見つめている。ギャリーももう諦めればいいのに。
「見…れば……。」
「はぁ……見つからないならそれでいいじゃん。早く諦めなって。」
「ムキー!なんでアンタはホイホイと手掛かりを見つけられるのにアタシは見つけられないのよ〜!」
「そりゃ今までのものは簡単なものばっかだったし。ほら、そこでいじけてないで隣の絵画も調べなって。」
「なんでアンタはそんなに余裕そうなのよぉ……。」
何とも萎びたギャリーがとぼとぼと隣の絵画へと歩いていく。もし今倒れたら立ち上がることが出来なさそうなほど力なく歩いている為、なんだか少しゾンビにも見えてくる。そんな事を思いながらギャリーの後ろについて行くと、『ジャグリング』の中から声が聞こえてきた。
“我 誕生 いつだ”
「―――はっ?ヒ、ヒロトシ……アンタ何かアタシに言ったかしら……?」
「いや?俺は何も言ってないけど。」
“我 誕生 いつだ”
「いやいやいや!アンタやっぱり何か言ってるでしょ!」
「いや、こいつじゃね?このフロアでこの絵だけずっと動いてるし。」
「まさかそんな訳……。」
“我 誕生 いつだ”
ギャリーは本日3度目となるその声を聞いてついに固まってしまう。かと思いきや急にプルプルと震え出す。急に何事かと少し心配しているとバッと下げていた顔を上げて絵画の方を睨み始める。
「そんなのっ!わかるわけないでしょぉおおおお!!」
そりゃそうだ。
この時期になると今年も終わるなぁって感じがしてきますよね。なんだかんだ今年も早く終わった感じがするのはなんででしょう?
まぁ来年もこの作品は続いていくと思いますのでどうぞよろしくお願いします。