では、どうぞ。
俺のせいとはいえイヴちゃんとメアリーが泣きついてくるので、俺はギャリーの冷たい視線を受けながら2人の頭をなでてあやす。俺の腕が悲鳴を上げ始めてからある程度して、2人とも泣き止むとギャリーが俺に問いかけてくる。
「それで?あれだけ得意気に交渉は得意だって言ってた癖に無様に倒れてたアンタは?ちゃんと話をつけられたのかしら?」
「あ、あぁ。話はつけられたよ。……まぁそれのせいで倒れてたってのもあるんだけど。」
「話をつけたから倒れたって……アンタどういう交渉したのよ。」
「いやー……、根性試しというか元気注入というか一喝というか……まぁ大体そんな感じ。」
「大体って!……はぁ。アンタって本当に思い切りがいいというかなんというか、人を心配させるのが好きねぇ……まったく。」
ギャリーにそう呆れられると俺は何も言えなくなってしまう。なにせ今この現状がまさに心配させているという何よりの証拠になっているから何を言い返した所で何の説得力もないからである。
しかしゲームで
「さて!いつまでもここでのんびりしてる訳にはいかないわ!ヒロトシも無事だったんだしチャチャッと先に進みましょ!」
「うん!お兄さん、行こ!」
「ほら!ヒロトシ立って!もしふらつくなら私達が支えてあげるからね!」
「薔薇も回復してもらったし大丈夫だと思うぞ?……っとと。」
イヴちゃんとメアリーからありがたい言葉を頂くが、正直2人が支えようとしても身長の差が頭2つ分くらいあるので手を繋いでいるだけになるだろう。
それだと自分がもし倒れた時に怪我をさせてしまいそうで怖かったので言われた事自体をありがたく思いながらもやんわりと拒否をする。そうして立ち上がると今まで座っていたせいか案の定よたってしまう。すると彼女達は再び心配そうな表情を浮かべて俺の手を握ってくる。
「ほらー!強がらないで私達に頼ってよー!」
「それともわたし達じゃ不安……?」
「ヒロトシ、イヴとメアリーに心配かけたくないなら2人の好意に甘えときなさい。それが一番だわ。」
「お、おう。……じゃあそうしようかな。2人とも、任せていいか?」
「私達に任せてよ!」
「お兄さんが倒れないように頑張るね!」
2人はそう言って俺の手……というよりも手首から腕にかけてをひしっと抱き抱えるように掴んでくる。そんな姿に小動物チックな何かを感じながら俺達は部屋を出て先へと進む。
イヴちゃんとメアリーの話を聞くと、どうやら2人の探索していたところに無個性が立っていて進めない場所があったらしい。
とりあえず向かう先をそこに決めて紫の部屋を後にする。2人を腕に引っ付けながら長い階段を上がっていくとそこは危険のあまりない部屋につながっていた。……さっきまで俺達がいた部屋もなかなかに平和だったけどここはそれ以上に“何も無い”感じがするのは
そんな事を思いながら俺の両隣に居る2人が俺の腕を引っ張って先導してくれる。しかしそんなに引っ張ってくれるとたとえ足下がふらついてないとしても転びそうになるのであまり強く引っ張らないで欲しい。
「こっちこっち〜!ギャリーも早く来て〜!」
「んもう!そんなに急がなくても多分無個性は動いてないわよ。」
「でもここから出られるかも知れないんだもん!なら早く行きたいじゃん!」
「え?……あぁなるほど、アンタがそういうならそうなのかもしれないわね。まぁ慌てるのも程々にね。ヒロトシが転びそうになってるわよ。」
「え?あぁ!ヒロトシごめんね!ゆっくり行こっ!」
ギャリーが一言言ってくれたおかげでどうにか転ける事は無くなったようだ。そんなこんなで終始のほほんとした雰囲気のまま俺達は無個性の所へと向かうのだった。