では、どうぞ。
俺達はわちゃわちゃしながらもイヴちゃん達が唯一進めなかったという無個性の所へと辿り着いた。その先は見たところ下り階段になっているらしく、しかも先程昇ってきた階段よりも長いように見える。登ってきたばかりでまた下るのは少し気が滅入りそうになるが、そんな事を知る由もないギャリーがそう言えばと言うように口を開く。
「この無個性って2人で押してみたりした?案外2人の力でも動かせたりしないものかしら?」
「一応押したり引いたりしてみたけどやっぱりわたし達だけだと無理だったよ。」
「やっぱりギャリーかヒロトシがいないと動かせないね。私も早くオトナになりたいなぁ。」
「ふふ。アンタ達は女の子なんだからこういう力がいる事はアタシ達男にやらせておけばいいのよ。」
「ま、適材適所って奴だ。2人は他のところで手伝ってくれればそれでいいよ。」
「むぅ〜。2人とも私達を子供扱いしすぎ!もっとLadyのように扱ってよね!」
「てよね!」
メアリーは今までの俺達の対応に納得いかなかったのか、レディのような対応を求めてくる。イヴちゃんはその発言に面白半分で乗っかってるだけのように見えるからとりあえず放っておいて今はメアリーの事を考えよう。
そうやってうんうんと悩んでいると、メアリーが心配そうにこちらを覗き込んでくる。因みにイヴちゃんとギャリーはこいつはまたやってるよと言わんばかりの目でこちらを見ていた。
「ヒロトシ大丈夫?私何か気に障るような事言ったかな……?」
「え?……あぁいやそういう訳じゃないから安心して。」
「ホントに?ホントに怒ってない?」
「本当に怒ってない。ほら、2人も先に降りてるし俺達も行こう。」
「あっ……うん!」
俺はメアリーの頭を軽く撫でると、いつの間にか移動させていた無個性を横目に階段を下っていく。階段を歩いていくと程なくして壁がなくなりまるで階段が宙に浮いているかのような感覚に陥ってしまうほどに精巧に描かれた夜空が俺の視界に入ってくる。
……まぁ描かれているのにもかかわらずその星々が少しづつ動いているように見えるのはきっと幻覚なのだろう。
ちょくちょくメアリーが着いてきているか後ろを確認しながらゆっくりと歩いていくと、突然シャラララという音とともに流れ星のようなものが飛んでくる。少しびっくりして肩を震わせてしまったが、そんな事はお構い無しに俺達の上空を突っ切ってどこかへと消えていってしまった。
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幻想的のような、しかしそれにしては手書き感満載の星だったような流れ星をあと何回か見送った後、ようやく1番下までたどり着く事が出来た。
しかしそこはどう見ても子供がクレヨンで道を描きました!と言わんばかりのものとなっていた。細い線のようなものが束になっていてそれがしっかりと密着している訳でもなく、綺麗に線が引かれている訳でもない。有り体に言ってしまえば“雑”なのである。
ゲームで意図せぬ予習は済ませてあったとはいえ、これを肉眼で見ると道としての酷さは計り知れないものがある。とはいえ、この道を誰がこさえたかなんて分かりきった答えのおかげで俺的には安心してこの地面に足をつける事が出来る。
だって自分が通るための道を態々通りづらくなんてしないだろうから。
「メアリー、早くあの2人を追いかけよっか。」
「うん!どっちが早く着けるか競走ね!」
「あ、おい!急に走ると転ぶぞ!」
「大丈夫だよ!だってここは“
メアリーはそう言うと穴や凸凹など何も無いと言わんばかりに普通に走っていく。その姿を見て俺も大丈夫なのか気になったので線の引かれていない場所に1歩踏み込んだが、俺の足が落ちる事は無かった。それをしっかりと目で見て足で踏んで確認した後にゆっくりと走ること無くメアリーの後を追いかけて行くのだった。
前回の前書き及び後書きの言い訳をさせてください。
この間の金曜日なのですがいつも通り朝6時に仕事が終わり、ウトウトしながら前話を書いていたんですよ。そうしながら一日中のんびりと書いていたらいつの間にか21時になっていたんですね。それで寝ぼけていた私はそれを23時と見誤り、前回の悲劇になってしまいました。
ちなみにその後30分くらいあとに気づいたのですが、面倒だったのでそのままにしてしまいました。ごめんなさい。
という事で次回の事なんですけど今回まではそこそこ原作から乖離しすぎない程度に書いてきました。もちろん私なりに乖離してないってだけで皆様に置かれましてはそう考えていないかもしれませんが。
しかし、このパーティにメアリーがいる以上原作に準拠しすぎてしまうと“ここ”のイベントがややこしくなってしまうので今まで以上の原作乖離を起こそうと思っています。
何となく察しているかもしれませんがお楽しみにしていてください。
今年のクリスマスifはありませんのでご容赦を。