Ib〜ハッピーエンドへ行き着くためには〜   作:月舘

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どうも、私です。皆様メリークリスマスです。今年もサンタは私の元に来てはくれなさそうですが頑張っていきます。












では、どうぞ。


sketchbook

先に走っていったメアリーを追ってのんびりと歩いていくと何やら広い所へと続いていた。そこの入口にはいかにも手書きで書きましたと言わんばかりに大きさも位置もガタガタの“sketchbook”という文字が壁にデカデカと書かれている。

 

正直これを見たところで浮かんでくる感想が、『まるで子供の落書きみたいだなぁ。しかも後でしこたま怒られるやつ。』ときたものだからとても口には出せたもんじゃない。多分口にしたらメアリーが機嫌を損ねるだろう。

 

 

「ここが私の『世界』だよ!全部1人で作ったの!」

 

「へー。1人でここまでやるなんてスゴいじゃん。こんなに描くの大変だったろ?」

 

「ううん!私の望む世界が作れるんだもん、すっごく楽しかった!」

 

「そっか……。外に出たらメアリーは何がしたい?」

 

「甘いものが食べたい!食べ物はいくら望んでもいくら描いても出てこなかったんだもん!」

 

「なら頑張って外に出て甘いものをお腹いっぱい食べないとな!」

 

「うん!」

 

 

メアリーの話を聞いて俺はやるせない気持ちになるが、メアリーは俺の感情など気にも止めずにイヴちゃんとギャリーを探しながら歩いていく。

 

俺だけが気まずいまま2人を探して歩いていると、この広場の中央にあるピンク色の建物の前で立ち往生していた。メアリーはそれを見つけるとイヴちゃんの名前を呼びながら全力でダッシュし始める。

足音に気づいたのか向こうの2人もこちらを向いてくるので俺は軽く手を上げる。ギャリーは俺と同じく軽く手を上げる程度だったがイヴちゃんはそれでは足りないようで飛び跳ねながらこちらに大きく手を振ってくれている。

 

イヴちゃんとメアリーが手を合わせながらきゃいきゃいしている中、俺はギャリーとこの広場について話を聞く事にした。

 

 

「この広場はどんな感じよ。ある程度はイヴちゃんと回ったんだろ?」

 

「そんなにガッツリは調べてないわよ?軽く見て回った程度。でもまぁ一応あの絵みたいな家も中に入れそうね。扉には鍵がかかってたし1ヶ所は中に入れる状態だったわ。」

 

「へー……俺達は2人を探してただけだからそれは知らなかった。それじゃその入れる家に行くのが手っ取り早いのかねぇ……。」

 

「トシ!ギャリー!ここは私に任せて!」

 

「ト、トシ?アンタ達いつの間にそんな親しげに呼ぶようになったのよ?」

 

「い、いや今初めて言われたから俺も少しびっくりしてる。メアリー、どうして急に渾名(あだな)みたいに言い始めた?」

 

「だってヒロトシって長いから!別にトシって呼んでもいいでしょ?」

 

「まぁ別にいいけど……。」

 

 

俺がそういうとメアリーはラッキーと言わんばかりに「やった!」と口から零れる。しかし私に任せてとは一体どういう事なのだろうか。さっきメアリーがここは私の世界だって言っていたこととなにか関係があるのだろうがそれが何か分からない今俺には何もわかる訳もなく。

 

メアリーはイヴちゃんから離れて、この広場で唯一今まで見てきたのと大差ない扉の前に立つとドアノブをガチャガチャと捻って扉を押したり引いたりするが鍵がかかっているようで開く予兆すら見えやしない。

 

「あれぇ〜?私ここの扉の鍵をかけてないはずなんだけど……。もしかして青人形が閉めちゃったのかな?」

 

「メアリー、鍵かかってるみたいだけど他に宛はあるのかしら?」

 

「うん。鍵を閉めたら『おもちゃ箱』に戻すように伝えてるからそっちにあると思う。」

 

「じゃあおもちゃ箱の方に向かおうか。メアリー悪いけど案内よろしく。」

 

「任せといてよ!すぐそこだから皆は待っててくれてもいいよ!」

 

「メアリーの想定外の事が起きてるのならそういう訳にも行かないだろ。皆で行動しよう。」

 

「そうだね!それにわたしはみんなと一緒にいたいもん!」

 

 

イヴちゃんの言葉が嬉しかったのかメアリーはニヤニヤとした表情を隠そうともしないまま俺達に着いてこいと言わんばかりにずんずんと歩いていく。イヴちゃんはメアリーに寄り添うように、俺達は後ろから見守るようについて行くとそこにはクレヨンで書かれたであろう1件の民家が建っていた。

 

メアリーが先程と同じようにドアノブを捻ると、先程とは違い途中で止まっているような素振りもなくぬるりと動く。そのまま扉を開けて中に入っていくとそこには桃色の箱がぽつんと1つ部屋の一番奥に置かれていた。

 

 

「多分あそこの鍵はあの箱の中にあると思うんだけど……。」

 

「じゃあとりあえずはこの中を覗いてみようか。メアリー、箱の中になにか危険なものとかは入ってる?」

 

「いや、特に無いはずだけど……。私にとってはって話だから皆からしたらちょっとわかんないや。」

 

「おっけ。じゃあ慎重に箱の中を覗いてみようか。」

 

「あの、本当に私に任せてくれていいんだよ?この箱の中身も私と遊んでくれる子達ばっかりだし……。」

 

「これくらいは俺にもやらせてくれ。ここじゃあメアリーに頼るしか進む事ができないんだからさ。」

 

「……わかった。じゃあ一緒に探そ!あ、イヴとギャリーは待ってて!流石に3人で見るのは難しいから!」

 

「わかったわ。ちゃんと鍵を見つけるのよ?」

 

「わたしもやりたい!わたしも一緒にさがす!」

 

「こらこら。2人の邪魔をしちゃダメよ?」

 

「まぁさっさと見つけるからそしたらここから一緒に出よう。今はそれで我慢してくれ。」

 

「ぶー!けちー!」

 

 

イヴちゃんの文句を聞きながら俺とメアリーは箱の前へと近づいていく。そして中を覗くと――――――、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

中から黒い手が伸びてきて俺とメアリーの腕を掴んできた。

 

 

「―――え?」

 

「―――きゃぁぁぁぁぁぁぁあ!!」

 

 

そうして俺達は暗い箱の中に引きずり込まれたのであった。




今回の展開は前回書いている時から考えていて唯一どうやって誰をおもちゃ箱のそこに落とすか迷いに迷った挙句のコレになります。
欲を言うなら4人とも落としたかったけど、いくら大きな箱でも4人だと詰まって落ちないかなって思い主人公君とメアリーに代表して落ちてもらう事にしました。
そっちの方が色々と違和感ないかなって。



今年の大晦日も更新日となっておりますが仕事が入ってしまいましたので今年の最終更新日は28日となります事をご了承ください。
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