では、どうぞ。
――――――
「〜〜っ!体がっ!痛いっ!」
「トシごめんね……私のせいで落とされちゃった……。」
「あ?あぁ、そんな事ないだろ。あんなトラップ俺もあるなんて思ってなかったしな。でも俺はともかくとしてなんでメアリーも落とされたんだろうな。なんつーか、お前の“家族”だろ?」
「それは私もわかんないんだ。……もしかしたらここから出たいのが気に食わないのかも。」
「そっか。……じゃあここで何がなんでもここを出るって決意を見せてやらないとな。」
俺がそういうとメアリーは大きく頷きながら「うん」と言ってくる。それを見てほっこりとしながらここがどんな場所なのかと薔薇の状態を確認する。
辺りを見渡すと青人形や無個性、他にも子供用のおもちゃが乱雑に置かれていることから本当におもちゃ箱の中に入ってしまった感覚に陥る。がしかし、もしここがおもちゃ箱の中なのであれば俺達が入っても尚この広さがあるというのはおかしいように感じる。何せパッと見えるだけでも市民体育館のような広さがあると言っても過言ではないほどなのだから。
因みに薔薇は先程イヴちゃんが渡してくれた時よりも花弁がだいぶ減ってしまっていた。だいたい半分ほどだろうか。そりゃ身体中が悲鳴をあげるわけだ。
「……メアリー。この中から鍵を探すのか?」
「うん、いつもそうだよ。」
「その鍵に鈴みたいな音のなるものって付いてたりする?」
「いや、付けてないよ。そういうのがなくても見つかるもん。」
そのメアリーの一言に俺は俺は少し気が遠くなる感覚を覚える。そりゃこんな広い場所に落ちている鍵を探さないといけないのだからそうなっても致し方ないだろう。
しかしメアリーは鈴なんかなくても見つかると言っているのが頼もしくもあり自分が情けなくもあり。しかしそんな俺など知らないと言わんばかりにメアリーは鍵を探す為に行動を始める。
俺は慌ててメアリーに着いて行きながら足元に目的のものが落ちていないか確認しながら歩いていく。俺のそんな様子を見ていたメアリーは苦笑いを浮かべながら「ここにはないよ。」と言ってくるが、俺は「念の為だから。」と返して床を注視しながら歩く作業を続ける。
程なくしてメアリーが立ち止まるとその場にしゃがみこんで何かを拾う。まぁ恐らく拾っていたものは俺達の探していた鍵なのだろう。そう思い何となく視線を泳がせるとなんだか周りの青人形や無個性達の雰囲気が鍵を探している時よりも荒々しいものになっている感じがし始める。
「メアリー……、なんかヤバい感じするんだけど。」
「トシ……それ間違ってないよ。皆が“最終試練だ”って言ってきてるもん。」
「もしかしてこいつら……今から襲いかかってくるとかないよな?」
「―――、それ正解!トシ!あそこの出口まで走って!あの奥で落ち合お!」
「了解ぃ!」
俺が返事を返したと同時に2人で駆け出し始める。まだ体の痛みは取れていないがそんなことを言っている場合ではなくなってしまった故に体にムチを打って俺を追いかけてくる奴らから逃げていく。既に青人形や無個性が近付いてきていてあまりいい雰囲気とは言えないが逃げ切る事は出来そうである。
そんな事を考えながらメアリーの待っているであろう出口の方へと駆け足で向かっていくのであった。
大変申し訳ございませんが前回書かせていただいた通り、今回の投稿が今年最後となります。今年1年間読んでいただき誠にありがとうございます。
来年も頑張って書いていきますので完結までぜひお付き合いくださいませ。
それでは皆さん良いお年を。