Ib〜ハッピーエンドへ行き着くためには〜   作:月舘

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皆様メリークリスマス!イベントデーの為!2話同時投稿です!
この話は読み飛ばしても大丈夫な奴です!
結構筆が乗ってくれたので楽しくかけました!

この話はこうあったらいいなという妄想です。はい。


では、どうぞ。


閑話:クリスマスif

「「「「メリークリスマース!」」」」

 

俺たちはそう言いながらグラス同士を合わせる。あの美術館に迷い込んだのが9月頃だったからもう既に3ヶ月近く経っているという事だ。ほか3人に近況を聞きながらいつかみんなで会えないかと話していたら、みんなクリスマスイブは家族とすごしたりなんなりと予定が入っていたがクリスマスに大きな予定は無いと言っていた。なのでこうしてみんなで会うことができたというわけだ。

 

……皆クリスマスに会うような友達はいないのだろうか?俺は居ないがこうして会えたのだから居ない訳では無い。決して友達が少ない訳では無い。無いったら無い。

 

 

「いやーみんな元気そうでよかったわ!アタシはメアリーに振り回されっぱなしだったからこういう会は気楽でイイわね。」

 

「ちょっと!ギャリー!そんな言い方はないじゃん!ちょっとこの世界が楽しくて舞い上がってただけなんだから!」

 

「その舞い上がり方が尋常じゃないのよ……。もうっこっちの身にもなって欲しいわ。」

 

「まぁまぁ。ギャリーもメアリーも落ち着いて。メアリー、あのケーキ一緒に食べよ?」

 

「ケーキ!食べる!私イチゴが多いとこがいい!」

 

 

そんなことを言いながらイヴとメアリーはケーキの所へと歩いていく。ケーキは文句が出ないように等分されてあるもの

を買ってあるから苺の数に違いは無いのだが、まぁ後で俺のいちごをあげれば少しは静かになってくれるだろう。

とりあえず今は子供は子供で、大人は大人で話すとしようか。

とは言ってもこの三ヶ月間何か変わったことが身の回りに起きたかと聞かれれば、俺の周りにそんなおかしなことは何一つ起きなかった。美術館の件(あの一件)から何一つおかしなことは起きてないはず。強いていうなれば英語の聞き取りは前より断然上手くなった程度だろう。しかし皆が何を言っているのかはわかるが喋ることは出来ない。それは3人も一緒で日本語の聞き取りはできるようになったらしい。だからこそこういう会が成り立つのだろう。……俺が英語喋れるようになったらもっとみんなも楽なんだろうなぁ……。

 

 

「で?そっちはどうなのヒロトシ。彼女のひとりでもできたかしら?」

 

「出来るわけないでしょ。欲しいとも思わないし。彼女との時間より今この皆といる時間の方が大事だから。」

 

「んもぅ!そんなんじゃ乗り遅れるわよ!もっと男ならガツガツ行かないと!」

 

「ギャリーも男でしょうが……。」

 

「で・も!そう言ってくれたのは凄く嬉しいわ。アタシも同じ気持ちよ。」

 

 

なんて話しながら俺たちはイヴとメアリーの方を見る。こんなふうに楽しく過ごせるのもみんなであの世界から出られたおかげなのだ。今はただ、ゲルテナ(あの世界の父)に感謝しよう。メアリーも一緒に出してくれたことを……。

 

 

「ちょっとギャリー!トシ!そこでイチャイチャしてないでこっち来て遊ぼうよ!それとプレゼント交換もしたい!」

 

「メアリー。ご飯があるからバタバタしちゃダメだよ。ホコリが入っちゃうよ?」

 

「う〜……。ごめん、イヴ。」

 

「さてと!お嬢様もお呼びですしそろそろ行きましょ!ヒロトシ!」

 

「ハイハイ。仰せのままに。メアリー!プレゼント交換はまだだ。先ずは料理を食べきるぞ!」

 

「トシ!そう来なくっちゃ!私はお肉がかり!トシは野菜がかり!それでいい?」

 

「ダメだ。バランスよく食べなさい。せっかくイヴとイヴのお母さんが美味しい料理を作ってくれたんだ。全部堪能して食べなさい。」

 

「え〜!トシのケチ!アホ!わからず屋〜!」

 

 

 

──────

 

 

 

 

クリスマス会もお開きになり、イヴを送っている最中だ。メアリーはギャリーと2人で暮らしているので送る必要は無いのだろうが、俺もみんなと別れるのは名残惜しいので3人とも送っていくつもりである。

 

 

「ギャリー。メアリーは寝た?」

 

「えぇ。もうぐっすりよ。」

 

「2人ともこの日を楽しみにしてたからな。楽しんでくれたようで何よりだよ。」

 

「ヒロトシもこの会を開いてくれてありがとね。」

 

「別にお礼を言われることでもないよ。俺がやったことといえばイヴのお母さんに料理を頼んだこととそれを運んだことくらいだ。」

 

 

そう。俺のしたことなんてそんなものだ。だから褒められるとなんだかむず痒くなってしまう。しかしギャリーはそうは思っていないらしい。少しムスッとした顔でこちらを見つめてくる。

 

 

「……何さ。そんなに見つめられても何も出ないぞ。」

 

「もっとアンタは素直に物事を受け取りなさいよ。ひねくれてても何もいいことはないわよ。」

 

「別にひねくれてなんかないさ。ただ俺が思ってることを言っただけだよ。」

 

「じゃあこの会を立案したのは誰だっけ?場所の提案をしたのは?準備と後片付けをしたのは?」

 

「俺です……。て言うか!後片付けは皆でしただろうが!準備もイヴのご家族に手伝ってもらったし。あの会場の予約をしたのはギャリーだ。俺なんて全体的にちょっと手を出しただけなんだよ。」

 

 

だから何も褒められることはしていない。そう言おうとした。しかし俺がそれを言う前にギャリーは足を止める。何かを言おうとしている。彼は一体何を言おうとしてるのか。それが気になり俺も足を止める。

 

 

「多分アタシならこんな会は開けなかった。……いや開かなかったの方が正しいわね。」

 

「……なんで。なんでそう思うんだ?」

 

「さっき言ったでしょ?メアリーに振り回されてるって。でも実際はこの子に助けられてる。でもアタシはこの子と暮らしていく為に働かないといけない。たとえ少し収入がいいところで働いていたとしても賄えないくらい人1人養うのってすごくお金が必要なの。でも前のアタシにそんな経済力はなかった……。」

 

「それでギャリー自身に余裕が無いってことか……。」

 

「そういう事。だからこの会を開いてくれたアンタにはすごく感謝してる。アタシの心に余裕をくれた。メアリーの心に楽しみをくれた。それってすごいことなのよ?」

 

 

そんなことを言いながら彼は笑う。俺はそんな彼になんと声をかければいいのか分からなかった。でも何かを伝えたい。そんな気持ちが俺の心を突き動かしている。

 

 

「ギャリー。きっと大丈夫だよ。」

 

「えっ?急にどうしたの?」

 

「きっと今は慣れない環境に入ってどうすればいいか分からないだけ。これから徐々に分かっていくようになるさ。」

 

「ヒロトシ……。」

 

「メアリーもきっと分かってくれてるから家の色んなことを手伝ってくれるんだ。彼女も子供じゃないから。なら後はギャリーが慣れるのを待つだけ。慌てなくて大丈夫。……なんて!ギャリーもこんな当たり前のこと分かってるよな。ごめん。」

 

 

なんて偉そうな口を聞いてしまったんだろうか。ギャリーは俺よりも年上だ。こんなこと分かってて行動しているだろう。俺の言動が悔やまれる。そう思って俺は顔を伏せてしまった。

 

 

「ヒロトシ。顔をあげてちょうだい。」

 

「えっ?」

 

「ありがとう。すごく嬉しかったわ。だからそんなに落ち込まないで。言った本人が落ち込んでたらアタシも気分が下がっちゃうわ。」

 

「ギャリー……。ありがとう。」

 

「えぇ。どういたしまして。さてそろそろイヴの家に着きそうだから2人を起こしてあげましょ。サヨナラくらいは顔を合わせてしたいじゃない?」

 

「そうだな。起こそうか。」

 

 

俺が励ましていたはずなのに励まされるなんて、俺もまだまだ子供なんだな。でもそんな関係が俺達にはちょうどいいのかもしれない。そんなことを思いながら俺はギャリーを横目で見る。メアリーはなかなか起きないらしく大変そうにしている。

そんな光景に少し笑いながら俺もイヴを起こす作業に入る。

 

 

─────

 

 

「それじゃあまた。次もみんなで会えるといいな。」

 

「そうだねお兄さん!」

 

「次のイベントは何かしら。新年のカウントダウン?」

 

「う〜ん……私起きてる自信ないなぁ。」

 

「だったら皆で初詣に行こうか。それなら朝でも昼でも大丈夫だし。」

 

 

そういうと彼らは一様に首を傾げる。そうか。初詣は日本の文化か。すっかり失念していた。まぁお正月にもし会えたらその時に説明をすればいいか。

なんて初詣の説明を未来の俺に託す。きっとうまくやってくれるだろう。

 

 

「まぁ元旦に会えたら説明するよ。そっちの方が時間もあるから。」

 

「ガンタン?ってのもよく分からないけどわかったわ。楽しみにしとく。」

 

「年越してすぐ会うの?やったー!!イヴ!いっぱい遊ぼうね!」

 

「うん!いっぱいあそぼ!」

 

 

今年の正月はお年玉準備しとかないとなぁ……なんて思いながら3人と別れる。

どうやら2人も家がそこそこ近いらしく、ここでいいらしい。なんだか一気に1人になって少し寂しいが、まぁ元旦に会えるかもしれないんだ。それまでの辛抱だな。そんなことを思いながらフーっと息を吐く。口から出た行きは白くなり、外の寒さを思い出させる。

 

 

「おーっさむさむ。さっさと帰ろっと。」

 

 

俺はぶるっと体を震わせながら帰路に着く。みんなと次会う日を心から楽しみにしながら。




閑話でギャリーとメアリーが初出って私の執筆遅すぎ……!?

なんでしょうね。少し悲しくなってきます。



え?国?……い、イギリスかなぁ〜?(震え声)
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