では、どうぞ。
メアリーを追って部屋に入るとそこには部屋の中腹辺りで座りながら呑気に話をしているイヴちゃんとギャリーがいた。その様子に少し安堵しつつもメアリーの様子をちらりと伺ってみると、肩を震わせながら視線は下を向いているように見えた。
これは相当頭にきているのでは?と思い、とにかく2人に危害を与えないように落ち着かせようと動き出そうとしたが、それよりも先にメアリーは動き出してしまった。
「ちょっと!私も混ぜてよ!」
「……は?」
「あら、メアリーとヒロトシ!2人とも遅かったじゃない!」
「2人とも無事でよかったぁ。」
「というか私の部屋の鍵燃やしたのギャリーでしょ!また作るのめんどくさいんだからもう燃やさないでよね!」
「あら、あの茨は鍵だったのね。それは申し訳ない事をしたわ。この埋め合わせはまた今度するから許してちょうだい。」
「も〜、今回だけだからね!」
……俺ってこの場に必要なのだろうか。俺が居なくてもこうなる運命だったのではないか。何故か原作知識がありながらそう思えてしまう程には自然な流れを感じた。わかりやすく言うなれば所謂“いつもの光景”に感じてしまう程の自然さだった。
「―――で?ヒロトシ、アンタ達は落ちてからどうなったのよ。」
「え、あぁ……。―――ピンクの鍵を拾ったら大量の無個性と青人形に追いかけ回された。」
「え゛っ。もしかしてそれってあの時よりも多かった訳……?」
「えっと……少なく見積って倍以上?」
「アンタ達よく逃げてこられたわね。」
「数は多くても俺達別方向から散り散りになって逃げたからある程度は分散されたんだよ。それに逃げてた場所もだいぶ広いところだったからそこまで避けるのは難しくなかったぞ。」
俺がそういうとギャリーは化け物を見るような目で俺の事を見てくる。しかし“避ける”のは難しくないのであって逃げ切るのはめちゃくちゃ大変だったのは言うまでもないだろう。
何せ数を数えるのも億劫になるほどの敵がこちらに向かって襲いかかってくるのだから波状攻撃やら挟み撃ちやらを全て避けきるのは大変に決まっている。一つ一つはすごく避けやすい攻撃なのに数で押されると面倒なのは分かりきっている事なのだから少しは手心を加えて欲しいものだ。
「2人ともスゴいね!わたしだったら逃げ切れるか不安だよ。」
「その時は俺かギャリーが抱き抱えて走るから安心していいぞ。」
「それだとお兄さん達に負担がかかるね……。」
「そんなの気にしなくていいんだよ。役割分担役割分担。」
「まぁそうならなかったんだからいいじゃない。今更ifを考えても仕方ないわよ。」
ギャリーはそういうと立ち上がって出口の方へと体を向ける。俺達が合流してからそこそこ時間も経った事だし先程まで疲れの溜まっていた体もそこそこに休める事が出来たのでタイミングも悪くは無いのだろう。
しかしここを出たら着く場所はもう1つしかない。『絵空事の世界』の前だ。そこをくぐると俺達は外に出る事が出来るのだが、メアリーをどうやって外に出してあげるのか。そこだけが今俺を悩ませる種となっていた。
「そろそろみんな疲れも取れたでしょうし行きましょ?」
「ん、そうだな。メアリーも大分疲れは取れただろ?」
「もちろん!なんなら疲れてないくらいだよ!」
「あら!それは頼もしいわね!イヴは大丈夫かしら?」
「わたしもいつでも行けるよ!」
「それじゃあ早速出発しましょ!メアリー、あとどれ位で目的地か分かるかしら?」
「ここまで来ればもうゴールしたも同然だよ。今撮ってきた鍵で開けられるドアの奥がそうだから。」
「なんだかんだアタシ達もうそんな所まで来てたのね。最後まで気を抜かないで行くわよ!」
ギャリーがそう仕切るとそのまま歩き出すので俺達はそれについて行く。ここからそこまで遠くないであろう目的地に着くまでに俺の意思は固められるのか。それをずっと考えながら俺は殿を歩いていく。
終わりはすぐそこまでに迫っている。
多分このまま上手く収まればあと2話でノーマルENDに入れるかと思います。あとは私の気分次第ですね。でもおそらくは収まるかと思います。
私の仕事の方もようやくいつも通りのシフトに戻りましたのでのんびりお待ちくださいませ。