Ib〜ハッピーエンドへ行き着くためには〜   作:月舘

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どうも、私です。今回はだいぶ難産でした。本当はもっと早く上げる予定だったんですけどこんな時間になってしまいました。












では、どうぞ。


まるで別人

仕上げをするという“俺”の言葉に嫌な予感を感じつつも、今の俺には何も出来ない事に変わりはないという現実に打ちひしがれながら事の一部始終を“俺”の中から見守る。

 

 

「ようお3人方。こんな所で一体何をしていたんですかねぇ?」

 

「……アンタを待っててあげたのよ。イヴに頼まれちゃったしね。」

 

「ねー。やっぱコイツは放っておいてさっさとここから出よーよー。」

 

「で、でもわたしはお兄さんに今まで助けてもらったし……。」

 

 

“俺”の前でもお構い無しにこちらを罵ってくる2人をイヴが何とか止めようとするがあまり効果は見えないように感じる。それほどまで憎まれている“俺”は一体何をやったのか。先程の夢で見た行動だけではここまで露骨に嫌われるとは思えない……訳では無いけれどもまさかギャリーまで敵に回すとは思っていなかった為驚きが隠せない。ギャリーで遊ぶの楽しいのに。

 

 

「あらあら。こりゃあ俺もだいぶ嫌われたもんだなぁ。」

 

「そりゃあんな事をしてくれたお陰で十二分にアンタの事を知れたもの。」

 

「お前なんかここに置いてってやるんだから!いくらイヴをここまで連れてきたからって信用なんてしてないからね!」

 

「わたしは……。」

 

 

イヴがなにか言いたそうにしている事を除けば三者三様に言いたい事を心置きなくぶちまけている。ここまで来るともはや他人事の域に達しているので自分の身に起こるかもしれなかったifを見ていると言うよりは知り合いがやっている演劇を見ている感覚になっている。

 

そんな事を思っていると、仕掛けの準備ができたのか“俺”が『絵空事の世界』の方へと歩き出し始める。ギャリーとメアリーは俺が何をしでかすかてんで見当がついていないらしく、イヴを守りながらこちらを睨みつけるだけで何かをしようとはしてこなかった。

 

 

「そんなに警戒されても君達には何もしないよ。君達には(・・・・)、ね。」

 

「アタシ達にはって……一体何するつもりなのよ!」

 

「さぁ?ま、何が変わったか分かればいいな?」

 

 

“俺”はそう言うと高らかに笑い始める。さながら悪役のような高笑いにもはや演技臭さすら感じてしまうがそんな事も気にもとめずに“俺”は笑い続ける。

 

その姿に気味が悪くなったのか3人は少し後退りをして“俺”から距離をとるが、ギャリーが“俺”を無視して絵画の方へ近づいていくとその大きい額縁に触れる。しかし何も起こる様子は感じられない。その様子にギャリーは頭を傾げるだけで終わるが、メアリーは違った。額縁が無くならない事に違和感を覚えたのだろう。目を見開いて絵画の方を見つめている。

 

 

「おやぁ?一体どうしたんですかぁ?何かおかしい事でもありましたぁ?」

 

「お前ホントにムカつくなぁ!一体これに何したんだよ!」

 

「さぁ?俺には分からないなぁ?」

 

「お、お兄さん!わたし達を外に出してほしいの!」

 

 

“俺”はイヴからそう言われるとほんの少しだけ困った表情を見せながら、でもだからと言って何かを言う事もなく。“俺”はその場で合図を送る。

 

何の変哲もない拍手の音。

 

ギャリーとメアリーは“俺”の出した音に警戒を強めるが、もう遅い。“俺”の後ろから無個性が2体“俺”をいつも庇える位置に陣取る。

イヴもギャリーも、メアリーでさえ言葉が出ないようだ。

 

 

「さて……無個性。やれ。」

 

 

“俺”がそう言うと無個性のギャリーとメアリーを捕まえてどこかへと向かっていく。そして“俺”がイヴに手を伸ばしていくところで意識がゆっくりとフェードアウトしていく。

 

 

「い、いや……。いやぁぁぁぁぁ!!」

 

 

なんてイヴの悲鳴を聞きながら……。

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

―やぁ。私お手製の夢はどうだった?少しは楽しめたかい?

 

―ただただ胸糞悪い三文芝居だな。せめてキャストが俺たちじゃなければもうちょい楽しめたかもしれん。

 

―ははっ、こりゃ手厳しい。でもこれであと必要なピースは1つになった。

 

―必要なピース?……あぁ、ハッピーエンドのための〜って言ってたなそう言えば。

 

―そう。メアリーは君も一緒に外に出る事を望んでいた。そして今もそれができなかった事を後悔している。ならば親としてはその望みを叶えてあげたいってものだろう?

 

―この親バカが……。

 

―親バカ結構じゃあ次に行こうか。

 

―お手柔らかに頼むよ。じいさん。

 

俺はそう言ってもう一度意識が薄れていく。次は何を見せてくれるのか。少しだけ楽しみになってしまったのはじいさんには秘密にしておこう。そう思ったのだった。

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