では、どうぞ。
あれからじいさんと色んな世界線の俺達の結末を見ていった。イヴのみが助かる世界やイヴとギャリーが助かる世界。イヴとメアリーの2人が助かる世界もあればはたまた皆で美術館に残る世界なんてのもあったりした。しかし、1つ気になる事もある。
―なぁじいさん。なんで俺はどの世界でも外の世界に戻ろうとすらしないんだ?
―それは君自身が1番よくわかってる事なんじゃないかな?違う世界線であれ君は君だ。思想や理念が大きく違う事は滅多にないからね。
じいさんがそう言うとこちらにニコリと笑みを浮かべている……ように感じる。というかここは一体何なのだろうか。あの3人を外に見送ってからじいさんに連れてこられたが、なんだか何も無いように感じる場所に瞬間移動させられた。先程までの世界線巡りもプロジェクターに投影しているものを見ているような感じで見ていたし、会話をしているはずのじいさんは俺に視界には入っていない。
―じいさん。聞くの忘れてたんだけどここは何処なんだ?それにじいさんはどこにいるんだ?
―ははっ、本当に今更だねぇ。そこは私が突貫で作った部屋だ。まぁ映画館のようなものと思ってくれればいいよ。
―突貫でこんな部屋を作るなんてお手の物ってか?あんな美術館作ってりゃ、そりゃこんな小部屋なんかちょちょいのちょいなんだろうけど。
―まぁそんな所だね。それで私の居る場所は今までと全く変わってないよ。つまり……。
―……俺の頭の中って事か。それなら今まで口を開かずとも会話出来てた理由もそれのお陰って訳か。
―そういう事だね。ま、今の私は君の別人格とでも言っておこう。いざとなったら君と代わって動いてあげるよ?
―そりゃありがてぇこった。ならそん時はよろしく頼むよ、じいさん。
そんな軽口を叩き合いながらもこの部屋とじいさんの所在を聞いてとりあえずの危険が無い事にほっとしながらも、次に気になった事を質問していく。
―なぁじいさん。今までの映像を見てきたのはいいが俺にこれを見せて何をしたいんだ?
―うーむ……、なんと言えばいいのか。初めに
―まぁそれは覚えてる。けどメアリーの幸せと俺がこれらの映像を見るのに何が関係してるんだよ。
―それが大いに関係してくるのだよ。わかりやすい所で行くとゲームとかのフラグ管理だね。
―……俺の記憶から“ゲーム”を見たのか。まぁその説明なら俺でもわかりそうだからいいんだけどさ。
―いやぁ、君の世界は娯楽に満ち溢れているねぇ。私がその時代に生まれたのならゲームクリエイターになっていたかもしれないよ。
随分と現代に染まりきった中世(であろう)美術家も居たもんだと自分の影響だと言う事を考えないようにしながら呆れていると、じいさんはそんなことも気づかずに“ゲーム”という媒体の素晴らしさを意気揚々と語り始める。
―……つまりこの様にお手軽に映像とともに物語を楽しめるモノというのはとても素晴らしいものなんだ。私の時代にもこんな画期的なモノがあれば私の芸術活動ももっと華々しいものになっていたかもしれないと考えると……。くぅ!なんだかとても悔しく感じてしまうよ!
―あぁ、そう……。それよりもさ、メアリーの幸せと俺の
―それをすぐに教えてもいいんだけど
―答え合わせって……。俺はまだその答えの予測すら出来ていないんだぞ?合わせる答えがないんだからそれはもうカンニングと大差ないだろ、
―うーむ。あれだけ一緒にいたのだから
じいさんはそう言うと俺の前に姿を現す。突然の事で少し驚きはしたが瞬間移動や頭の中での会話など普通では考えられないような事をこの数時間で何度もしてきた為恐らくできるであろうという予想はある程度着いていた。それでも多少驚いてしまったのは突然の事だったからだろう。
しかしなぜ突然じいさんが俺の目の前に姿を現したのか。今の今まで姿は見せなくとも会話をしていたと言うのに。俺はその答えをじいさんの表情から理解した。
とても真面目な顔をしていたのだ。
今までのじいさんならどんな話でもニコニコと笑みを絶やさずにいて、好々爺と言われていそうな顔だったのに今俺にみせている顔はとても真面目な今まで見た事のない表情だった。
「……どうしたんだよ。そんなおっかない顔してさ。」
「ここからは真面目な話をするから茶化さないで聞いておくれ。」
「……あいよ。」
「君は――――――、
自分の名前の意味を考えたことはあるかい?」
今回は前回、前々回でゲルテナさんとの会話にカギ括弧を使わなかった理由とハッピーエンドの条件の最後の1つについて触れていきました。
主人公君の名前に一体どんな理由があるんでしょうね?(すっとぼけ)
次回でゲルテナさんとのお話は終わりにさせたいと思ってます。でも予定は未定です。ハイ。