Ib〜ハッピーエンドへ行き着くためには〜   作:月舘

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うーん……うーん?今年最後の更新なのですが、なんていうか飛ばしても大丈夫っちゃ大丈夫な回です

ゲームなら進められるフラグを回収してるんですけど、話的にはいっさら進まないので。


では、どうぞ。


なんにもない

1面真っ青の廊下を抜けた先は、1面緑色の部屋?だった。正面右の壁には様々な虫の飾ってある。そこから少しだけ視線を左に寄せると、奥へと行けそうな通路があり、その前の柱にはなにやら注意書きらしきものが貼ってある。

他にも何かないかと辺りを見回すと右奥にはどうやら扉がありそうだ。左側には壁しかない。

 

今できることは2つ。左前の通路に行くか、右奥の扉に行くか。俺一人ならば右奥の扉に行くが、同行者の意見も聞かなければ。そう思いイヴちゃんに声をかける。

 

 

「道がふたつあるけど、イヴちゃんは左と右どっちに行ってみたい?」

 

「うーん……。右側のドアが気になるかな。」

 

「あ、やっぱり気になる?じゃあそっちに行ってみよっか。」

 

「え?お兄さんはそれでいいの?」

 

「もちろん。俺もそっち気になるなぁって思ってたし。」

 

 

嘘偽りない一言ともに扉の方へ歩みを進める。まぁどちらにも行くことになるだろうから、気になるところは虱潰しに調べていく。そうすればきっと見つからないものはほとんど無くなるだろう。なんて、謎解きそっちのけで探索のことばかり考えていると、イヴちゃんが俺の服をちょんとつまんでこちらを引き止める。

何かあったのかと振り返ってみると、彼女はしゃがみこんで足元を見ていた。何を見ているのかと俺もそこに目を向けてみると、そこには蟻がいた。なぜだかこの蟻はイヴちゃんをしっかりと認識している感じがする。

 

 

「ぼく アリ。」

 

「!?」

 

「へ〜。ありさんって言うんだ!よろしくね!」

 

 

蟻が喋るのかこの世界は。何が何だかもうよく分からない。俺が混乱しているのをよそに彼?彼女?は話を続ける。

 

 

「ぼく 絵 だいすき

ぼくの 絵 かっこいい」

 

「そうなんだ!見てみたいなぁ。どこにあるの?」

 

「ぼくの 絵 見たいけど

ちょっと 遠い とこにある」

 

「そっか〜……。じゃあ私たちが持ってきてあげる!待っててね!」

 

 

どうやら俺が惚けている間に話が進んでいたようで、俺たちは蟻の絵を探すことになった。まぁこの狭い部屋の中だ。きっとすぐ見つかるだろう。なんてことをこの部屋を見て思う。

イヴちゃんが蟻との会話も終わったところで俺たちは扉の方へと向かう。途中で蝶の成長過程が1枚ずつ描かれている絵画を見ながら歩いていると、直ぐに扉の前へと着いた。

 

 

「じゃあ扉開けるよ。すぐ逃げられる用意をしておいてね。」

 

「うん……。」

 

 

イヴちゃんは少し緊張しているようだったので、つい頭を撫でてしまった。まぁこれくらいならあの微笑んでいた絵画も許してくれるだろう。……多分。

 

 

「……え?お兄さん?」

 

「大丈夫。ちょっと覗くだけだからそんなに緊張しなくていいよ。」

 

「そうなの?」

 

「うん。それにイヴちゃんちゃんは無事に元の世界に帰りたいだろ?ずっと緊張してたら途中でバテちゃうからね。肩の力抜いて程よくリラックスしよう。」

 

 

俺は言葉を選びながらイヴちゃんへ語りかける。それでも俺の伝えたいことが伝わっているかなんて分かりやしない。むしろ伝わってないとすら思える。それでも俺は励ましの言葉を口にする。たとえ言葉で伝わっていなくても、口にしないと伝えられるものも伝わらないから。だから俺は言の葉を紡ぐ。

 

やはりと言うべきか、イヴちゃんの緊張は取れていないように見える。この間偶然見つけたものだが肩の力を抜く方法を見た事があり、まだそれを覚えてる。本当に効果があるのか実践をしていないから分からないがやらないよりはマシだろう。ネット情報を信じてみますか。

 

 

「よしイヴちゃん。1回思いっきり肩に力をいれてみようか。こんな感じでやってみて。」

 

「え?肩に?こうかな〜?むむむ〜!!」

 

「そうそう。そしたら次は一気にその力を抜いてみようか。こう、だる〜んと。」

 

 

そう言って俺は何も力の入っていない肩を揺らす。こういう時は見本があるとわかりやすいと思ってやって見たが、成程これは有効だな。

俺も少し緊張していたらしくなかなかに程よく緊張が抜けていいパフォーマンスができる気がしてくる。それを見せる相手が芸術品相手というのがなんとも言えないところではあるが。

 

どうやらイヴちゃんも少し緊張が緩んだようで少し安心した。張り詰めた緊張ほどぷっつりと言った時に怖いものは無い。後でしっかりと休憩を挟まなければ。飲み物もある事だし心身ともに休まることを期待するとしよう。

 

 

「どう?少し気が楽になったかな?」

 

「うん!多分!」

 

「そっかそっか。じゃあこの扉の先をチョロっとだけ覗いちゃおっか。」

 

「おー!」

 

 

子供というものは本当に正直ものだ。こちらとしても清々しいほどの正論を言ってくることもある。だから子供は好きだ。俺が、大人が見ないようにしてるところにもズカズカと入って気持ちがいいくらいにズバッと彼ら彼女らの意見を言ってくれるから。

 

扉の中をそろりと覗くと中央にそこそこ大きな穴があるくらいで他に何も無かった。

改めてしっかりと扉の先へと足を踏み入れる。穴のように見えたものの正体はやっぱり穴だった。しかも見えていたものより大きいように見える。これくらいならジャンプすれば飛び越えられそうだ。しかしこのままだと俺はともかくイヴちゃんが通れないだろう。何処かにこの穴を隠す板状のものを探すことに。

 

1度扉を出て一息つく。どうやらイヴちゃんもほっとしていたようだ。それはそうだろう。こんな蟻が喋る世界なんだ。ここから先絵画から虫が飛んできたり石像が動いたとしても不思議ではない。

どんな原理なのかは気になるが、きっと思い出に引きずられている幽霊みたいなものだろう。

なんて妄想が俺の中で縦横無尽に動き回っているのを感じながら俺はイヴちゃんに尋ねる。

 

 

「イヴちゃん。ここらでちょっとだけ休憩でも挟む?」

 

「うん、そうする。」

 

 

二つ返事で帰ってきた言葉に少し安堵しながら俺たちは少しだけ壁によりかかりながら座った。




自分の文章構成力の無さに泣きそうです

あと眠い


それでは皆さん良いお年をお迎えくださいませ。
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