では、どうぞ。
3人を置いて先にあの部屋を出た俺はそのまま真ん中の建物へと向かっていく。その時にふと違和感を覚えたのだが、何に対しての違和感なのかすぐには分からなかった。
後ろから足音が聞こえているのをあえて無視しながらそのまま歩いていくとそこには1回目と変わらずピンク色の建物が建立されているが、何故だか1回目に見た時と違って付近にある他の建物と同じに手書き感の溢れるものとなっていた。確か1回目の時はここだけ手書き感のない普通の建物のような気がするのだが俺の記憶が間違っているのだろうか。
「もうっ!少し弄ったからってそんなに拗ねなくてもいいじゃない!」
「いや拗ねてないが?」
「トシ……バカって言ってごめんなさい……。」
「ん。ちゃんと謝れたから許す。これからはあんまり言い過ぎないように気をつけろよ?」
「うん……。」
「お兄さんなんで先に行ったの?」
考えている間に3人が追いついて俺に話しかけてくる。それを適当に返しているとイヴがなんとも答えづらい質問を投げかけてくる。さてなんて返したものか……。
「あー……好きって言われ慣れてないから恥ずかしいんだよ。俺の身近にいる連中は好意を直接伝えてくる人がいなかったからさ。」
「へぇ〜。お兄さんの周りの人達はシャイな人が多いんだね!」
「類は友を呼ぶとはまさにこの事ね。」
「喧しい。」
そんなことを喋りながら俺は桃色の鍵を使う。カチャリという音が聞こえてきたと思ったら、それまで持っていた桃色の鍵が瞬く間に俺の手の中から消え去ってしまった。それを目の前で目の当たりにしたのだが特に驚く事もなくそのままドアノブに手を伸ばす。やはりこんな小さなものの瞬間移動よりもやばいものを見てきたせいで何を思うことも無くなってきている。そんなことをふと思いながら俺は扉を開ける。
扉を開けるとそこは見覚えのあるピンク色の部屋ではなく真っ黒の部屋となっていた。やはり1回目に巡った世界とはどこか違うものとなっているようだ。これも俺が戻ってきたから……と言うよりはじいさんが手を出したからだろうか。
「お兄さん、また足止まってるよ。早く先に行こ?」
「―――ん?あぁ悪い。早く行こうか。」
「アンタはよく立ち止まって考えるわねぇ。立ち止まってもどこにも進めやしないわよ?」
「でもたまには立ち止まって休憩したり考えたりしないと。ただ前に進むだけなら猪と変わらないだろ?」
「ギャリーもトシも話してないで早く行くよ!私は早く外の世界に行ってみたいんだから!」
「ハイハイ。じゃあ先に進みますかね。」
す
俺達はそう言って部屋の中にある階段を降り始める。その先はどうやら1回目と変わらないらしく、あの時と同じような景色が拡がっていた。それに少しだけ安心しつつ踏み外さないように1歩1歩着実に歩いていく。
「それにしても全てが黒いわねぇ。ここまで全体が黒いと明かりがあっても踏み外しちゃいそうだわ。」
「確かにな。イヴとメアリーも足元には気をつけてくれよ。足を踏み外しても助けられないからな。」
「はーい!」
「私は慣れてるから心配しなくても大丈夫だよ!それよりもトシとギャリーの方が私より気をつけた方がいいんじゃないの〜?」
「何よ失礼しちゃうわね!アタシの足腰はそこまで衰えてないわよ!」
ギャリーとメアリーが言い合っているのを横目に俺とイヴはゆっくりと階段を降りていく。ギャリーとメアリーも走って降りずに4人で降りきるとそこはやはり美術館となっていた。しかし俺には1つ気になる事がある。
「悪いけど先に2階に行っててくれないか?」
ココ最近は寒い日が続いていますがみなさんは体調管理の方はいかがでしょうか。私はいつも通り元気です。眠いですけどね。