では、どうぞ。
「えー、3人……というかギャリーとメアリーが静かになるまで10分かかりました。」
「そりゃ簡単に落ち着けるわけないでしょ!大先生でありこの世界の創造者なのよ!?」
「パパと知り合いならそう言ってくれても良かったじゃん!トシったらなんで教えてくれなかったの!」
「あーこりゃまだ落ち着いてねえや。すぐに話を聞く体勢になったのはイヴだけだ。偉いぞ。」
俺はそう言ってイヴの頭を軽くなでるとギャーギャー騒いでいた2人は少し気まずそうに顔を背ける。
まぁ確かにどのifの世界でもゲルテナが俺達の前に出てくる事は無かったから今回が大分特殊なのだろうし、俺も3人と同じく何も知らない身だったらギャーギャー騒ぐだろうから気持ちはわかるが。
しかしもう少し早く落ち着いてくれてもいいんじゃないか?特にメアリーなんかはじいさんと全く会えない訳でもないだろうに。
「まぁまぁ。君……ここではヒロトシ君とでも呼ぼうか。ヒロトシ君も初めてあった時は2人以上に凄かったじゃないか。私は今でも覚えているよ。」
「そりゃあここを探索してる最中、気がついたら暗闇の中にいてなにか知ってそうなじいさんがいるんだから無理やりにでも聞き出そうとするわな。」
「あぁ、あの時はまだイヴちゃんと2人で探索していたね。それならあそこまで興奮しててもおかしくないね。」
「あ、そういえば思い出したんだけどよ。イヴと俺の薔薇が置いてあった所の絵画にロリコン扱いされたんだけどどうしてくれんの。風評被害も甚だしいんだけど。」
「あぁ。彼女なら色々な絵画越しに君を監視してただろうしきっと大丈夫だよ。」
「一応じいさんからも違うって事伝えておいてくれよ?」
俺達がそんな風に話しているとギャリーとメアリーは少し驚いた表情を見せる。俺とじいさんがここまで仲良いとは思ってなかったのだろうか。まぁなんにせよそろそろ話を進めなければ。
「それで?じいさんの準備ってもう終わったのか?何をしてたのかは知らねぇけどさ。」
「もちろん。君達のために年甲斐もなく色々と頑張って来ちゃったよ。でもこれならなんとかなるはずだよ。」
「そりゃありがたい。……なんでお前らはずっと黙ってんだよ。」
「いや、だって……ねぇ?」
「私達が会話に入る隙がなかったって言うか……。」
「お兄さん達だけで話すすめすぎ!わたし達ついていけてない!」
「「そう!それ!」」
何だかよく分からないが俺とじいさんの話に入れなかったらしい。じいさんがどうだか知らないけど俺としてはどんどん入ってきても良かったんだけどなぁ。
「私もヒロトシ君もそんな事気にしないから話に入ってきてよかったのに。」
「あの話に入れるのは多分イヴだけよ……。だってアタシ達はその時まだ合流してないんだもの。」
「それよりもパパー。さっきトシに準備がどうとか聞かれてたけど何の話なの?」
「ここから出る為の絵画……かなぁ。あ、勿論この絵空事の世界とはまた違うよ?」
じいさんがそう言うと3人の顔がポカンとする。しかしそんなこともお構い無しにじいさんは指をパチンと鳴らして絵画を出す。意味がわからないがここはじいさんの世界って言ってたし瞬間移動もこなしていたからもう今更なのだろう。
「これが君達が全員で脱出するための秘密兵器。……名前はまだつけてないんだけどね。」
そんな事を言ってのけるじいさんの表情は今まで見てきたものより楽しそうだったのは俺の見間違いでは無いのだろう。
ゲルテナおじさんが娘とその友達の前でも色々やってくれた回ですね。美術家の人ってこういう所ありそうって思ってしまうのって偏見だってわかってるんですけど……。
今までもそうですけどゲルテナおじさんは一般常識を知っていながら時には嬉々として常識を投げ捨てる方となってしまいました。
多分美術家はこんな人が多いと思います。(偏見)