Ib〜ハッピーエンドへ行き着くためには〜   作:月舘

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皆さんあけましておめでとうございます。
短いくせに今までの話より時間が掛かりました。難産です。

小学生ってこんなんだっけ……?


では、どうぞ。


黒い手

蜘蛛の絵と蝶の卵の絵【プロローグ】の間で少しだけ休憩をとる。だいたい体感にして10分15分くらいだろう。

あまり休憩になってなかったかもしれないが、お互いにこんな訳の分からない空間に長居はしたくないためそろそろ動くことにした。

 

さっき右側の扉の中を見てきたが今のままでは進めないため、何かしら穴を塞いでくれそうな板状のものを探すために入口から見て左前の置くね続いていた通路?を見に行こうと思う。

しかしその前に、柱に貼ってあった注意書きのようなものを読んでおかないと痛い目にあう可能性がある気がする。ここまで何者かに試されている、そんな予感を感じたから。

 

 

 

───────

 

 

 

「さてイヴちゃん。ここにはなんて書いてありますか?」

 

 

俺は柱の注意書きを指さしながら自分なりに学校の先生っぽくイヴちゃんに聞いてみる。何となくそのノリを察してくれたのか、イヴちゃんはしっかりと手を挙げて書いてある文を読み上げる。

 

 

「はい!《はし に ちゅうい》です!」

 

「正解です。日本語は分かりますか?」

 

「分かりません!」

 

 

日本語が分からないのならば、今イヴちゃんが話している言語は一体何なのか。恐らく多くの国で共通言語となっている英語なのだろうとは思っているのだが、まぁ確かなソースはないのでこれ以上は気にしないことにする。

それにしてもイヴちゃんはだいぶノリノリで生徒になってくれている。ならこちらも先生を続けよう。少しでも楽しく進めるように。

 

 

「なら結構。ともかく端に注意して歩いていきましょう。」

 

「分かりました!はしっこには寄らないようにします!」

 

 

 

「いい心構えです。お……私が先頭を歩きますので着いてきてくださいね。」

 

「はーい!」

 

 

小学校の先生ってこんな感じなのだろうか。如何せん小学校卒業は5年前。入学に至っては11年前になる。楽しいことや辛かったことなどは辛うじて覚えているが、そんな細かいとこのなんて覚えていない。まぁきっとこんな感じだった。そんな感じがする。

 

そんなことを思い出しながら柱とイヴちゃんを背にして立つ。

 

 

「イヴちゃん。服しっかり掴んでてね。何が来ても守るから。」

 

「う、うん……。」

 

 

自分自身何が来るのか身構えながら言ったせいか、少し語気が強くなってしまったようだ。そのせいか分からないがさっきまで元気があった(様に見えた)イヴちゃんは少し脅えていた。でも正直俺自信いっぱいいっぱいなところもありイヴちゃんを気遣う余裕はなかった。端に注意と書かれていたが一体どちらからいつ何が来るのか。その事が思考のほとんどを占めていた。

 

気を引き締めながら歩きはじめるとそいつはすぐに姿を現した。

少しびっくりしたが腰を抜かすほどではなくて少し安心した。流石にイヴちゃんの前で恥ずかしい姿を晒したくはない。

 

 

「これは……手か?」

 

「この手まっくろだね。」

 

 

この手をよく観察してみるとどうやら壁を突破って出てきたのではなく、壁が手を出しているような感じらしい。少なくとも腕のあるあたりの壁に穴や罅は見受けられない。

しかし、この手に体が触れてしまうとどうなるのだろうか。少なくとも警告文が張り出されている以上危険なことに変わりは無いのだが、何がどう危険なのか知っておかないと心に油断ができてしまう。

 

 

「……よっし。いっちょ握手してみるか。」

 

「お兄さんこの手と握手するの?」

 

「うん。何が危険なのか分からないと怖いでしょ?だから1回触っておきたいなって。」

 

「え〜!危ないよ〜!」

 

「大丈夫大丈夫。イヴちゃんは一応俺の薔薇を見ておいて。何か変化があるかもしれない。」

 

「うーん……。わかった〜。」

 

 

渋々と言った感じだが、イヴちゃんは薔薇を見てくれることに。この出方からしておそらくこの手はダメージを与える“敵”のようなものなのだろう。そして、薔薇と命は一心同体(例のあれ)が本当なら俺の薔薇は何かしらの変化が現れてもおかしくない。

これは俺の為。イヴちゃんの為。ひいては未来の為の先行投資なのだ。そう自分に言い聞かせながら俺は覚悟を決める。

 

 

「────イヴちゃん。行くよ。」

 

「こっちはいつでもいいよ。薔薇はちゃんと見てるから。」

 

 

冷や汗が背筋を伝う。俺の直感が止めておけという。しかし今ここで確認しておけば自分たちに危害を加えてくる奴らの特徴が掴めるかもしれない。それがわかるだけでかなり大きいだろう。

そんな葛藤が再び襲ってくるが、何とかそれを意地で抑える。そうして俺は黒い手にゆっくりと触れた─────。




彼らは1つ目の黒い手で止まってます。早く進んで下さい。ダメージ描写は考え中。でも叫ばせません。イヴちゃんに心配かけるからね。


それと、私の中のイヴちゃん像はイギリスのそこそこいいとこのお嬢さんってイメージです。動くより美術品とかクラシック聞いてそう。全て妄想ですけどね。

皆さんの中のイヴちゃん像はどんな感じですか?
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