Ib〜ハッピーエンドへ行き着くためには〜   作:月舘

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どうも、私です。何とか八月中に書き終わりました。本当はもっと早く出したかったんですけどなかなか文章が出てこなかったもので……( ̄▽ ̄;)












では、どうぞ。


夏祭り(後編)

「―――は?」

 

「いや、は?じゃないわよ。私とお父さんは仕事で付き添えないからあんたが保護者として付き添うのよ大利。」

 

「えっ!?いやいやいやいや!!夜とはいえこんなクソ暑い中俺外に出たくないんだけど!?」

 

 

俺がそう言うも母さんは俺の発言に聞く耳を持たずにキッチンの方へと戻って行ってしまった。しかし夏祭りとなると俺の学校の面々も一堂に会するだろう。そんな中この2人と一緒にいる所を見られてしまった暁には夏休み明けの学校でさんざっぱら弄られるに違いないだろう。

 

でもここで俺が声を大にして行きたくないと言ったらこの2人は多少なりとも悲しません結果になってしまうのだろうか。それはそれで申し訳ない気持ちが半端なくなってしまうので、何とか2人を悲しませず尚且つ俺もクラスメイトから変に弄られない方法は無いものか無い頭を何とか動かして考える。

 

 

「あ、そうだ。ギャリーは行けんの?あいついるなら俺専用の盾ができるから行くのもやぶさかでは無い。」

 

「ギャリー?……多分大丈夫だと思うよ。詳しく聞いてるわけじゃないけどね。」

 

「よし、じゃあギャリーも呼んで俺の盾になってもらうか。」

 

「お兄さん……いったいなにから逃げてるの?」

 

「何って……同級生という名のパパラッチ?」

 

 

俺がそう言うと2人は納得してくれたのかウンウンと深く頷いている。やはり女の子のネットワークはパパラッチのように俺たち一般人(男ども)には理解し得ないような複雑なものを持っているのだろう。なんともまぁめんどくさい事この上ない。

 

 

「まぁそんな訳で壁がいるなら行ってもいいぞ。」

 

「やったぁ!じゃあ明日の午後4時にここに集合ね!!イヴもそれでいい?」

 

「うん!」

 

「えぇ……ここに集合すんの?せめて駅前とかの方が良くないか?」

 

 

俺がそう提案するも2人は聞き入れる様子もなく話をどんどんと進めていく。その姿をぼぅっと眺めながら俺は2人の会話を右から左へと聞き流していた。

 

 

 

 

――――――翌日――――――

 

 

 

 

「いやまさか本当に俺ん家に集合するとは……。」

 

「いやだから昨日言ったじゃん!午後4時にここに集合するって!」

 

「でも俺はここじゃなく駅の方がいいんじゃないかって言ったじゃんか。」

 

「でもお兄さん。駅は人がすごく多かったよ?多分みんな今日の祭りに来た人達だと思うけどあそこで待ち合わせなんかしたらきっと会えずに暗くなっちゃうよ?」

 

「え?あぁそりゃそうか。それは頭から抜けてたわ。じゃあここで集合するのも致し方ないかぁ。」

 

 

イヴがそう言ってようやく日本人が本質的にお祭り好きな事を思い出した。そりゃ遺伝子からお祭り好きなのだから近場で開催される事がわかれば集まってくるのも仕方ないだろう。

 

「そんなことより!トシはこの格好の私達に何か言うことは無いの!」

 

「ん?……あぁ、2人とも似合ってるぞ。すごくいいと思う。」

 

「んもぅ!ヒロトシったらもっと気の利いたこと言えないのかしら?」

 

「俺にそういうようなものは求めないでくれ。俺はただの高校生なんだからさ。」

 

 

流石にいつまでも玄関で話しているのも如何なものかと思った俺はそう言いながら靴を履く。家の中でさえバカほど暑かったのだが、外に出ると蒸し蒸しとした風が俺を撫でて不快指数がどんどんと上昇していくのが手に取るようにわかる程に暑い。そんな中でもイヴとメアリーは元気が有り余っていると言わんばかりに俺とギャリーを急かしながらズンズンとお祭り会場へと足を進めていく。

 

祭り会場に着くと開始時刻をとっくに過ぎていたからか人がごった返していた。幾ら俺とギャリーがいるとはいえこの中をイヴとメアリーがでも繋がずに歩いたらはぐれる事は容易に想像できるほどだ。

 

 

「……確かにこりゃ保護者がいるなぁ。」

 

「確かにそうね。だからアタシも駆り出されたんでしょ?アンタ1人で全部こなそうとなんてしなくていいわよ。」

 

「それくらいわかってる。……でもこれどうするよ?4人で仲良く手を繋いだら他の人の迷惑になるぞ?」

 

「まぁここは無難に2人を2グループかしらね。決め方は……どうしましょ?」

 

 

俺達が道の端でウンウンと悩んでいると痺れを切らしたメアリーが会話に割り込んできた。

 

 

「もう!早く行きたいんだからこんな所で立ち止まってないでよ!」

 

「いやでもね?こんな人の多い中をみんなで歩いたら絶対にはぐれちゃうでしょ?そんな事がないようにアタシ達は考えているのよ?」

 

「絶対にはぐれないから大丈夫!だから早く行こ?イヴからも何か言ってよ!」

 

「ギャリー、お兄さん。早く行こ?」

 

 

俺達は2人から「早く行きたい」コールをされて頭を抱えつつ迷子になる事承知で俺だけの裏技を使う事も考えながらその場から動こうとしたその時、ギャリーが突然ハッとなにかに気づいたような表情を浮かべる。

 

 

「そうだ!メアリー、イヴ!アンタ達ジャンケンしなさい!」

 

「なんで急にジャンケン?」

 

「いいからしなさい!勝ち負けが決まったら教えてちょうだいね?」

 

「う、うん……わかった……。」

 

 

ギャリーはイヴとメアリーにそういうとこちらに向き帰り拳をこちらに差し出してくる。やりたいことはわかったが何となく気づいてないふりをしてその拳に俺の拳を軽くコツンと当てる。

 

 

「ちょっと!ヒロトシアンタわかっててやってるでしょ!アタシ達もジャンケンするわよ!」

 

「はいはい……ちょっとしたおちゃめ心だろ?そんなカリカリすんなって。」

 

「アンタのボケはいつも拾いづらいのよ……。」

 

 

なんてそんな事を話しながら俺達もジャンケンを始める。と言ってもそんな長引くようなものでもなく、すぐに俺達の決着はついた。

 

 

「よしっ!じゃあ勝ちと負けでペアになってちょうだい!これが今日の祭りを回るバディよ!」

 

「俺と一緒に回るのはイヴか。行きたいとこがあったら言ってくれよ?」

 

「うん!お祭り楽しみだねお兄さん!」

 

「えぇ〜!私ギャリーとぉ???いつも一緒だから今日はトシとがいい〜!」

 

「アンタの運がない事を呪いなさい!そんな事より行きましょ!こんな日そうそう無いんだから目いっぱい楽しまないと!」

 

 

別れる直前にギャリーと集合場所と時間だけササッと決めてお互いにお祭り会場に足を踏み入れていく―――。

 

 

 

 

――――――

 

 

 

 

「はぁ〜!今日は楽しかった!こんな楽しい事毎日やってたら良かったのに!」

 

「はぁ〜、アンタバカねぇ。こんなのが毎日やってたら有難みがないじゃない。偶にでいいのよ偶にで。」

 

「ぶーぶー!ギャリーは夢がないなぁ!そんなんだから恋人が居ないんだよ!」

 

「アンタはいつも一言余計なのよっ!」

 

 

そんな会話を後ろで聞いていながら俺とイヴは静かに帰路に就いていた。先程までいたお祭り会場と打って変わって虫の鳴き声以外に聞こえてくる音が前の二人の会話のみでかなり静かなのだけれどその静けさが先程の喧騒も相まってなんとも心地よい。

 

 

「ねぇお兄さん。」

 

「んー?どうかしたか?」

 

「また来年も……一緒に行けるよね?」

 

「あぁ……きっと行けるさ。なんせ俺達には他のどんな物にも敵わない心強い味方がいるじゃんか。」

 

「あ!リリーちゃん!確かに心強い味方だね!」

 

 

イヴのその発言を肯定するように大きく頷くと、イヴはその整った顔を綻ばせる。それを見て俺も微笑みが溢れてくるが、そんな空気も長くは続くはずもなく俺は突然横から衝撃を受けてよろけてしまう。

 

 

「もー!トシもイヴもおっそーい!早く帰って花火やろ!ギャリーが買ってあるって言ってたからさ!」

 

「え!花火!?やりたーい!ね?お兄さんもやりたいよね?」

 

「……そうだな。さっさと帰って花火やるか!」

 

「おー!トシもノリノリだねー!―――私みんなと外に出られて本当に良かった!」

 

 

そういうとメアリーもまた人形のように綺麗なその顔に満面の笑みを浮かべる。俺は―――俺達はこの笑顔を守る為にこれからも頑張らないといけないと再認識しながらイヴとメアリーに両腕を引っ張られ転びそうになりながらも1歩1歩しっかりと地面を踏み締めていく。

 

 

 

 

その先がハッピーエンドに続いている事をいつまでも信じて。




という事で何とか夏のイベント「夏祭り」編終わりました。

今後もその時期その時期のイベントをかければと思ってますのでゆっくりとお待ちくださいませ!

――え?お祭りの事が書かれてない?……ここ数年祭りというものに参加してないので分からないんです(´;ω;`)ごめんなさいm(_ _)m
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