次こそは緑の間から次の間に移動させてあげたいですね。私的癒しポイントが待ってますので。
では、どうぞ。
俺は蟻に絵を見せた後、その絵を持って穴のあいていた部屋へと向かった。イヴちゃんが何やら不安そうな顔をしながら着いてくるがこれも致し方ない。この絵には犠牲となってもらおう。そんなことを思いながら部屋に入っていく。
穴の前に着いた俺は、それにかぶせるように蟻の絵を置く。置いて見た感じピッタリと隠れるようだ。これでイヴちゃんがジャンプしなくても通れるようになった。ただもちろん踏まれるために作られたものでないため、耐えられたとしても2,3回が限界だろう。無駄に往復しないように気をつけなければ。
「よし。これで通れるようになった。じゃあイヴちゃん。行こっか。」
「えぇ……。この絵を踏んでアリさん怒らないかなぁ……。」
「きっと大丈夫。蟻もこの状況を知ったら許してくれるさ。」
「うーん……何か許されない気がするけど……まっいっか!」
なんてイヴちゃんも吹っ切れたようでこの絵を踏んで通ることに抵抗がなくなってきているらしい。この世界的にあまり宜しくないのだろうが、イヴちゃんの為だ。我慢をしておくれ蟻よ。俺に踏まれないだけ僥倖だと思って強く生きてくれ。
「じゃあイヴちゃん。ここ通ってみて。多分イヴちゃんなら通れるから。」
「うん……わかった。」
その言葉を聞いた俺は彼女から不安を感じとったため、敢えて一足先に穴の向こう側へと飛び移る。これでこちらに来る決心が穴が空く恐怖心に打ち克ってくれれば良いのだが。まぁほんのスパイス程度には効いてくれるだろう。
イヴちゃんの覚悟が決まり、こちらへゆっくりとした足取りで向かってくる。額縁からミシッと音がなる度に少し体がビクッと強ばらせているがそれでも何とか対岸の俺の前までやってくることが出来た。俺はそんな彼女に対して労いの言葉とともに頭をわしゃわしゃと撫でる。
「おーイヴちゃんよくやりました。褒めて進ぜよう。」
「ちょっと〜!お兄さん!髪の毛がボサボサになっちゃう〜!」
「ちょっとくらい気にしなくても大丈夫だよ。今は気にせず撫でられとけー。」
「うあ〜!やめて〜!」
そんな言葉を聞き流しながら俺はイヴちゃんの頭を思う存分撫で回す。俺には兄弟も年下の従兄弟もいなかったためすごく新鮮で楽しかった。俺にも弟か妹、それか弟分妹分のような存在がいればこんな感じなのだろうか。俺には分からないが、退屈はしなさそうだ。なんて考えながらイヴちゃんの頭から手を退かす。
やはりと言うべきか、イヴちゃんはご立腹のようだ。髪を手櫛で整えながらこちらをジトーっと見つめてくる。そんな彼女を見て俺がもう一度右手を頭に持っていこうとすると、イヴちゃんは頭を精一杯守ろうと頭を抱える。
「大丈夫。もうしないよ。」
「ホントに?ホントにもうしない?」
「多分ね。イヴちゃんもこれに懲りたらあまり年上をからかわないように。」
「は〜い……。」
なんて少し拗ねたようにこちらへ返事をする。その姿はさながらイタズラを怒られた子供のようで少し微笑ましい。口に出したらもっと拗ねて会話すらままならなくなりそうだから言わないが。
のほほんとした雰囲気を充分に楽しんだところでふとこちら側の扉を見つめる。この先からは鬼が出るか蛇が出るか。何が待ち受けているのだろうか。少なくともまともなものは待っていないのだろう。
そんな確信を胸に秘めながら俺は扉を開けた。
次はみんな大好き無個性さんが(敵として)初登場ですね。
すごく色っぽい石像のイメージなのでそんな女性に効く一言を主人公にはいつか言って欲しいです。
ただ難点なのが無個性って喋ることが出来ないんですよねぇ……個性的なのに顔は無いので。でもその理論で行くと赤い服の女とかは喋ることが出来そうなんですけど実際はどうなんでしょう?イヴちゃんとギャリーに聞いてみたいです。