Ib〜ハッピーエンドへ行き着くためには〜   作:月舘

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筆自体はそんなに乗ってないけど時間はそこそこあるから書けるっていう

これ本編に入るのいつになるのか……かみのみそしる


では、どうぞ。


始まりの終わり

家族にチケットが届いたこととその事に心当たりがあるかどうか聞いてみたが、どうやら両親ともチケットを頼んだり譲り受けるという類の話は誰ともしていないらしい。

 

まるで急に出没したかのようなこのチケットの行き先は元々うちだったのか分からない内はこの美術展に行くのもよろしくないだろう。なんてそんなことを思いながらも、心の底では行きたい気持ちが高くなってきている。普段から美術に触れているわけでもなければ美術品に興味があるわけでもなかったのに、この美術展には行かなければならない気がしている。

 

 

「とりあえず明日近所の人たちに聞いてみるか……。」

 

 

 

 

翌日、近所の人の家をいくつか回って聞いてみたがチケットはおろかこの美術展が開催していることさえ知らない人が大半だった。なんだか嫌な予感がしつつも、そんな予感を覆い尽くすくらいに「行きたい」「行かなければならない」という感情が増幅する。とりあえずその日は帰宅して、親に美術展に明日行ってくる旨を伝える。

 

その日の夜、俺は何かを忘れている気がしていた。生きていく上で必要ではないが、確かに自分にとって大切な思い出のような何かを……。

そしてパソコンを起動させるとデスクトップ画面にアイコンがひとつ入っていたであろう空白がぽっかりと空いていた。その穴は何故か今の俺にはとても大きく見えた……。

 

 

 

 

着替えも済み。ついに美術展へ赴く準備は出来た。とは言ってもナップサックに財布と携帯、それとモバイルバッテリーにドリンクと携帯食料のカロリーメイトくらいだろう。美術展には初めて行くし、美術品を見るだけだけならすぐ見終わるだろうからその足で遊びに行けるように軽装にした。欲を言うならカメラも持っていきたいところだが、俺は持ってないしもし撮れなかった時のことを考えると邪魔になるだろう。服装は白いTシャツに黒の薄い上着、下はジーンズにスポーツシューズというとてもラフな格好だが、まぁジャージ一式よりはマシだろう。

 

 

「じゃあ行ってきまーす。」

 

「あら、もう行くの?車には気をつけるのよ。」

 

「それくらい分かってるよ。あ、あと見てきたついでにちょっと外で遊ぶから帰り遅くなる。」

 

「はいはい。変なところに行かないようにね?」

 

「それもう耳にタコができるくらい聞いた。」

 

 

そんな会話を母さんとしながら靴を履く。なんだかんだ言ってこんな会話が1番気が楽なのは話してる相手が親だからなのか。なんて考えながら俺は自転車の方へ向かう。そして自転車のハンドルを握った、その瞬間。俺の思考がクリアになる。

 

【1度入ると もう戻れない

ここでの時間も 全て失う

それでも あなたは 飛び込むの?】

 

そんな言葉が瞬間的に冴え渡った頭の中に浮かんでくる。だが、そんなチンケな問に対しての解答は既に決まっている。

 

 

「飛び込むに決まってんだろうが!それが例え後悔することになっても!」

 

 

そう口から零しながら俺はペダルを力強く踏み込む。その時、昨日から感じていた嫌な予感がちょっとだけ大きくなった気がした。




私の書く主人公は何故かみんな独り言が多いんですよねぇ……。やっぱり飼い犬は飼い主に似るってことなのかな。

ちなみに私は人と喋る時に身振り手振りがもれなくついてきます。仕様です。(隙自語)
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