Ib〜ハッピーエンドへ行き着くためには〜   作:月舘

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ここ最近本当に色々ありすぎて執筆に手が着いていません。私です。もうすぐ書き溜めが切れそうなのが本当に辛いです。でも、少なくとも9周年の週までは頑張って書き溜めます。



では、どうぞ。


かくれんぼの終わり

なぜ俺の絵がここに飾られているのか。なぜ絵の中の俺は力なく倒れてしまっているのか。そんなことよりもこの絵がこれから齎すであろう俺への不利益とは一体何なのか、それとやはり俺の当て感は信用ならないことについてが頭の中をよぎる。

後者はかなりどうでもいいとしてもこの絵の齎すであろう不利益。これがかなりネックになる。もしこの絵を見る前と見た後ではこれから出てくるであろう追跡者()の数が段違いだとしたら。もしこれからのギミックがより難しいものに変わっているとしたら。そんなことが思い浮かんでしまう。しかしそんなことを考えても今更それを確認する術はない。

とにかくここを切り抜けて先へと進まなければ。それとこれから運要素はイヴちゃんに任せて俺は謎解きに専念しよう。その方がきっと早く進む。

 

 

「他のところを開けに行こっか。次はイヴちゃんが決めていいよ。」

 

「えっ?あの……お兄さん大丈夫?」

 

「え?体の痛みとかは特にないよ。体調も別に悪くないし。」

 

「そうじゃなくって……!メンタル(こころ)は大丈夫?」

 

「あーうん。まぁ大丈夫だよ。」

 

 

イヴちゃんは心配そうな表情をしながらこちらを見つめてくる。しかしこの絵に対しての恐怖やこの絵を見ていると不安になると言ったようなそんな思考は全く浮かんでこなかったので、そんな表情をされてしまうとなんだかこちらが申し訳なくなってくる。

 

 

「それよりどこのカーテンを次に開ける?イヴちゃんはどこが大丈夫だと思う?」

 

「うーん……。右後ろか1番左かなぁ……。その2ヶ所は大丈夫な気がする……。」

 

「じゃあまずは1番左から行ってみようか。そこが違ったら右後ろのカーテンを開けよう。」

 

 

俺がそう提案するとイヴちゃんはこくりと頷いてくれる。それを見た俺は目的地へと歩き始める。後ろからイヴちゃんが着いてきているのを足音で感じつつそう遠くない距離を真っ直ぐと進む。そして壁をひとつ過ぎ去って目的のカーテンの前にて足を止める。

まず1つ目の候補である入口右側の一番奥にある壁。ここでやつ(棒人間)が見つかってくれれば此方としては何も言うことは無いのだがそう上手くいくのかどうか。兎にも角にも押してみないことには何も始まらない。イヴちゃんが大丈夫な気がすると言っていたし、まぁおそらく大丈夫だろう。

 

 

「じゃあ押すよー。」

 

「うん。……お兄さん緊張感ないね。」

 

「そりゃイヴちゃんを信頼してるからね。ま、当たってなくても責めるつもりはないけど。」

 

「えぇ〜……。」

 

 

何やらイヴちゃんは不満そうで不安そうだが今この場においてイヴちゃんの第六感(シックスセンス)が俺よりも優れていることは明白なので大変情けないことながらそれに頼らせて頂くことにする。

 

そんなくだらない茶番をしている間に俺はボタンに指をつける。そしてイヴちゃんの見ていない隙にボタンに触れている指へ力を入れる。するとカチッという音と共にカーテンが開かれ、辺りはゆっくりと暗くなっていく。暗闇とまでは行かないものの前がそこそこ見づらくなるくらいまで暗くなったところで明度の変化は止まった……気がする。あくまで体感だから実際には変化し続けているのかもしれないが、まぁ感じとれないので大丈夫だろう。

 

しかしここがハズレとなると後は嫌な予感のする壁の右隣が正解なのだろうか。あんなこと(嫌な予感がすること)を聞いた手前、あまり近づきたくないのが本音だがまぁ行くしかないだろう。

 

 

「よーし。次のカーテンを開けに行こう。対角だから場所が分かりやすくて助かるね。」

 

「うん……。」

 

 

やっぱり近くに行くのは不安なのだろうか。しかし僅かな手がかり(と言っていいのかも怪しいが)なのだ。それに縋る他ないだろう。自分自身、こういう運ゲーの様なものは得意じゃないとついさっき判明したばかりなので今現在あまり乗り気では無いのだが致し方ないだろう。

 

 

「じゃあ移動するよー。限界来そうなら手を握るなり大声で威嚇するなりして下さーい。」

 

「うん……。わかった……。」

 

 

あまり元気の無い姿に心配しつつ、俺たちは移動を始める。次こそ正解であると嬉しいのだが期待はあまりしないでおこう。期待しすぎても外れた時に受けるショックが大きいだけだし。

 

例の壁を内心でビクビクしながら通り過ぎて漸く目的の壁の前へと着く。そんなに遠くないはずなのにすごく長い時間歩いたような気がしてしまうのはきっと精神的に疲れてきているからだろう。いやきっとそうに違いない。

 

なんてくだらないことを思いながら俺達はカーテンの方へと体を向けた。

 

 

「さて、と……。とりあえず開けよっか。」

 

「もう開けるの……?ここは大丈夫かな……。」

 

「きっと大丈夫だよ。人の直感ってバカに出来ないからね。それにさっきも言ったけど間違っていたからって責めるわけじゃないから安心してね。」

 

「うん……。わかった……。」

 

 

フォローはできる限りしたつもりだがあまり効果はないように感じる。ここは一旦イヴちゃんに寄り添って彼女のメンタルを回復させた方がいいのか、それともこの部屋を早々に終わらせて休憩を挟んだ方がいいのか。少し考えてみたがどちらも一長一短で俺が決めていいのか迷ってしまう。

しかし、イヴちゃんに聞いたとしてもきっと“わたしは大丈夫だから進もう“と言うような感じの返答が帰ってくると思われるのでなんだか聞こうにも聞きづらくなってしまっている。これは考えすぎだろうか?

 

しばらく考えた後、俺はこのカーテンを開けたら一旦休憩することに決めた。それを伝えてはいないが、まぁ開けてから言えば大丈夫だろうと思い俺はボタンへと漸く指を伸ばす。

 

 

「じゃあ押すよー。」

 

「うん……。いいよ。」

 

 

イヴちゃんはしきりに左側のカーテンを気にかけているせいか返事が上の空な感じがする。しかし言質はとった。早速開けていくことにしよう。

 

俺の指がボタンを押すと目の前のカーテンがシャッという音と共に勢いよく開く。そこには俺たちにこんな面倒なことを仕向けた張本人(棒人間)が堂々とした態度で立っている絵が書かれていた。

 

 

“みつかった けいひん あげる”

 

 

そんな文字が棒人間のそばに書かれたと思うと、すぐその後に奥に見えていた大きな絵画の方からゴトンと何かが落ちる音がした。

その音でイヴちゃんはふと我に返ったような素振りで当たりを見回していた。どうやら意識はずっと隣の壁に行っていて当たりを引いたことに気づいていなかったらしい。まぁそれも致し方ないだろう。何かがあった時はお互いにフォローし合えば何とかなる。多分。




かくれんぼ“は”終わりました。はい。でも魚の頭とったらもう黄の間は終わったようなものですのできっと大丈夫。

次の話はメインイベントからの開始ですので私とってもワクワクしています。



あ、15話にあるアンケートは1月末まで募集してますのでよろしくお願い致します。
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