Ib〜ハッピーエンドへ行き着くためには〜   作:月舘

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今回も進みません。はい。いやー私も早く進めたい気持ちはあるのですがどうも説明を入れたくなる性分なので私の想定以上に進みません。作品の構想時点での予定では遅くてもギャリーと合流しているんですけどねぇ……。どうしましょう?まぁそんなことは置いておいて本編25話、目指せ100話ということで楽しんでいってください。








では、どうぞ。


次の為の小休止

ノートの前へと移動してきた俺達はここで一旦休憩を取ることにした。先程携帯を出した時にカバンの中に4本ほど飲み物があったことを思い出したので、今回は家から持ってきた水筒(ドリンク)を取り出した。中身は市販のパックで作った麦茶が入っている。しかし俺だけ飲むのは流石に気が引けるのでイヴちゃんにも俺の持っている飲み物の中で飲みたいものはあるのか聞く事にした。飲む飲まない以前に返事ができるような状態ならいいのだが。

 

 

「イヴちゃん。お茶とスポドリがあるけど飲む?」

 

「……。」

 

「そっか。じゃあ飲みたくなったら言ってね。何時でもカバンから出すから。」

 

 

俺の問いかけに対してイヴちゃんは返事はおろか意思表示すらなかった。これは相当にやばい自体なのではないか?しかしこんな時にどんなふうに声をかければいいのかなんて分かる訳では無いし、そんな現場に遭遇したことすらない。いくら絵画とはいえこんな近くで殺人紛いな事が起こることなんて想定もしていなければ心構えなんてできているわけが無い。俺も彼女も少し浮つきすぎていたのかもしれない。

 

 

 

 

 

無言で重苦しい空気に耐えられずノートの付近をうろちょろとしていると、ふと額縁に入った真っ白な紙が目に入る。先程ノートに書いていた時にも視界にチラチラと入ってはいたのだが、よく見てみると髪の真ん中に赤い点のようなものが見える。先程は特に見えていなかったのだが、認識してしまうとどうしても気になってしまう。

赤い点の正体がなんなのかどうしても気になってしまった俺は件の額縁の近くへと近づいていく。そこには数字の9が赤い文字で描かれていた。これで黄色の4に引き続き2つ目の数字をゲットしたのだが、これの使う場所がまだわかっていない。それにこの2つで謎が解決するのかも怪しい所がある。

 

そんなことを考えていると、イヴちゃんが俺の服の裾を少しだけ引っ張ってきた。

 

 

「ん?イヴちゃんどうした?」

 

「お兄さん……ごめんなさい。わたしのせいであんなことになっちゃって……。」

 

「んー。それって本当にイヴちゃんのせいなのかな?」

 

「えっ……?だってわたしがあの問題をクリアしなかったらあんなひどいことは起きてなかったんだよ……?」

 

「でも俺も同じ答えを出してるからきっとイヴちゃんが分からなかったとしても同じ結果になってたと思うな。それに……。」

 

「それに……?」

 

「ああいう結末にしたのは絵画達(彼女達)だ。イヴちゃんは何もしていないんだからそんなに自分を責める必要は無いよ。」

 

 

そこまで言うとイヴちゃんの体が再び小刻みに震え始める。今度は何事かと身構えると、なんとイヴちゃんの双眸から涙がポロポロと零れ始めた。

 

「えっちょっ大丈夫?体のどこか痛む?それとも俺と一緒は嫌だとか?いやいやそんなことよりなにか拭くものあった気がする。ちょっと待ってね今タオル出すから。」

 

「お兄さん……ありがと。」

 

 

涙とは一切無縁の生活を過ごしてきた俺は、イヴちゃんの突然の落涙に驚いてしまいつい早口で捲し立ててしまった。しかしイヴちゃんの聞こえるか聞こえないか位の、しかししっかりと心の籠った感謝の言葉を聞いた俺はそれまで慌てふためいていた心の内がその瞬間に穏やかなものへと変わっていくのを感じつつイヴちゃんへ向き直って口を開く。

 

 

「どういたしまして。それとこちらこそありがとね。」

 

「こちらこそどういたしまして!」

 

 

イヴちゃんはふふふと笑いながら涙を自前のハンカチで拭いてニコリと微笑む。その笑みはとても優しく、穏やかなものだった。




今回はイヴちゃん覚醒回でしたね。本当は泣かせる予定はなかったんですが、書いてるうちに何故か泣いてしまいました。

でもここからは本家のビジュアルに負けないくらいおしとやかで清楚なイヴちゃんが書けたらいいななんて思ってます。でも押せ押せなイヴちゃんも好きなのでちょっとその都度脳内会議で決めさせていただきますね。



あ、もうくちびるさんの出番はもうちょっと先なんじゃ。
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