Ib〜ハッピーエンドへ行き着くためには〜   作:月舘

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どうもー私です。今回も探索回。次回にはこの今いる黄の間から次の所へ行けると思いますよ。その為にもササッとここら辺の謎解きをクリアしてもろて。そうすれば漸くワカメの権化とご対面ですね。まぁその前に赤い服の女と動く絵本が待ち構えてますけどね。

今回はあとがきにお遊び的に別のフリゲーにどこかで突入しそうな分岐点を書かせていただきます。本文途中からの開始のなりますので突拍子もない出だしとなりますがご了承ください。

安心してください。続きは書きませんので。(今の所は)






では、どうぞ。


人形

「それじゃあまだ行ってない人形の奥に進もうと思うけど行けそう?無理はしなくていいからね。」

 

「大丈夫だよお兄さん。わたしのせいでいつまでも休んでいられないもん。」

 

「そっか。イヴちゃんは強いね。じゃあ頑張って進んでいこっか。」

 

 

イヴちゃんの調子が戻ってから少しだけ休憩をとった俺たちはそう言って再びもうひとつの部屋へ移る。人形の吊るされている気味の悪いエリアを何かないかと見渡す。俺が背伸びせずに触れられそうな人形はおよそ3つほど、イヴちゃんとなると1つが限界だろう。それに、俺の触れることが出来そうな3つのうちのひとつは手がギリギリ触れられるくらいの高さで細かく調べられるかどうかと聞かれたら落とさない限り無理だと答えるくらいには高い位置にある。

 

人形以外には特に見えるものもないし、とにかく2人で調べられるものからまずは調べていく。2人いれば見逃しも少なくなるはず。そう思った俺は手前から3つ目の赤い服を着た人形を調べるために気味の悪い空間を勇み足で進んでいく。

 

いざ人形の前に立ってみると、やはりと言うべきかあまり綺麗やかっこいい、可愛いと言われるようなものではなくどちらかと言うと不気味や気持ち悪いという言葉が出てくるようなものだった。

 

 

「イヴちゃん。なにか分かったことはある?この人形の事じゃなくてもなんでも言ってね。」

 

「う〜ん……。あ!あっちにドアがあるよ!」

 

「え、マジ?……あっ本当にある。人形にばっかり気がいってて気づかなかったなぁ……。」

 

「お兄さんどうする?先にあのドアを見に行く?」

 

「どうしよっか。恐らくあの扉でさっきの数字を使うんだろうけど、あと幾つ数字があるか確認の意味も込めて見に行こうか。」

 

 

そう思い移動しようとした次の瞬間、ひとつ奥の人形がなんの前触れもなく突然地面へと落ちてきた。プラスチックのような硬い素材でなかったためあまり音もしなくて気づかずに過ぎ去るところだったが、何かが落ちるところが視界の端に入ってしまったので気づかざるを得ない状況になってしまった。

しかし何故だろうか。今回はあまり驚かなかった気がする。足こそ止めてしまったものの何かが起きそうな気はそこはかとなく感じていたからだろう。しかし、あれはなぜ落ちてきたのだろうか。もしかしてあの人形にも何か数字が書いてあるとか……いやないか。

 

 

「……お兄さんどうする?人形が落ちてきたけど……調べる?」

 

「いや、先に扉の方を調べよう。どうせ驚かすだけのギミックだと思う。」

 

「そうかなぁ。わたしはこの人形に何かありそうな感じがするけどね。」

 

「うーん……イヴちゃんがそう言うなら何かありそうだな……。じゃあ先に人形の方を調べよっか。」

 

「そうしよ。これ(人形)のせいでドアが開かなかったらまたもどってこないと行けなくなるし。余計な手間は増やしたくないでしょ?」

 

「……本当、急に逞しくなったね。イヴちゃん。」

 

 

つい先程まで弱々しく体を震わせていたとは思えない程強い精神をお持ちになったようで、言葉の節々に力を感じる。しかしこの力強さがもし無理している結果なのだとしたら。そしてこれから何かしらのきっかけでその無理が祟ってしまったら。俺はイヴちゃんの心を支えることは出来るのだろうか。

そんな事も出来ないとなるとなんだか歳上として恥ずかしくなってくる。こんな幼気(いたいけ)な少女に無理をさせて俺は何をしているんだろう。そんな考えばかりが頭を過ぎってしまう。俺はなんて無力なんだろうか……。

 

 

「お……ん。…兄…ん。……お兄さん!!」

 

「っ!?ど、どうした!なにか襲ってきたか!?」

 

「ひぅ!……ビックリしたなぁ。お兄さんがボーッとしてて呼んでも無視するから大声出しただけだよ。まったく、この人形に何があるかお兄さんもいっしょに見てよ?」

 

「あ、あぁ。ごめんごめん今見るよ。」

 

 

こんな事を今考えていても何も進みはしない事を遠回しに指摘されたような気がしてなんだか申し訳ない気持ちと、実は心を読まれているのではないかなんて恐怖の気持ちが入り交じったこの感情を俺はゆっくりと解消していく。

イヴちゃん本人からしたら急に黙ってしまった俺を気にかけてくれたのだろうが、今回はタイミングが悪かったように思える。そういう意味では本当に申し訳ない事をしたと思っている。

 

そんな事を考えながら俺は人形を手に取って何かここの謎解きを攻略する為のファクターとなり得るものは無いか組まなく全身を観察する。

 

 

「……ん?ねぇイヴちゃん。ここのこれってなんか数字に見えない?」

 

「えっ?……あっホントだ!81…いや18かな?どっちか分からないけどぬってあるね。」

 

「文字が小さいから見逃すところだったよ。赤地の服に緑の糸だったからまだ分かりやすかったけどね。」

 

「お兄さんスゴいね!わたし見つけられなかったよ!」

 

 

そう言うとイヴちゃんはその幼さの残る可愛らしい顔に満面の笑みを浮かべる。まるで自分が見つけたかのごとく喜ぶ様を見ていると何だか俺も嬉しくなってくる。

そしてそれと同時にこんなに人のことを思える優しい子の表情が再び曇らないように何とか俺に出来る事をして支えてあげなければ。そんな風に考えながら念の為に人形をもう一度注意深く調べる。

 

 

「……この人形はもうこれ以上無さそうだね。特に気になるところはもう無いし。イヴちゃんはまだ見る?」

 

「う〜ん。わたしももういいかな。こう言うのって1つのものにヒントはひとつしかないってよくあるしこれも多分そういうものだと思う。」

 

「そっか。じゃあ改めて扉の方に向かおうか。何事もなく開いてくれればいいけどね。」

 

「多分何かなぞときがあるよね……。まだ黄色の4とかこの緑の……81?18?とか使ってないもん。」

 

「まぁそうだよねぇ……。まぁ気楽に行こうか。ここで思い詰めても何も進まないからね。」

 

「……お兄さんがそれ言うの?ついさっき思いっきり深く考え込んでたのはだれだっけ?」

 

「……仰る通りでございます。其れについては申す訳もございません。」

 

 

そんな気の抜けた会話をしながら扉の前へと移動を開始する。扉までの距離はそんなにある訳では無くすぐに着いてしまうが、そんな間の何にも追われていない時間位は気を抜いても許されるだろう。

 

扉の前に着くとなにか扉に違和感を持つ。それもそのはず、“扉に暗号のようなものが描いてある”のだ。

 

 

“ × + =?”

 

 

少し黄色い丸が見づらい気はしたがまぁわかったので良しとしよう。それにしてもここに来て算数か。

サッと携帯にメモしたものを念の為見てみると“黄色の4”“赤の9”と書かれている。それにさっき判明した緑の数字が81か18のどちらなのか判明すれば答えも直ぐに導き出せるだろう。

こんなことに時間をかけるのも嫌なので電卓アプリを開こうとするも何故か起動せず。何度電卓マークをタップした所で一向にアプリが起動する素振りすら見せない。

 

……こんな訳の分からない世界なんだ。そりゃ都合の悪い物は使わせないか。ならなんでメモアプリは使えたんだ?電卓がダメならメモも使ったらダメなものだと思うのだが……。

 

「お兄さんどうしたの?……SmartPhoneだっけ?それ見ながら固まっちゃって。」

 

「いやね。電卓機能があるからそれ使おうとしても携帯が反応しなくてさ。多分この美術館に迷い込んだ時に使えなくされたのかも。」

 

「え〜!じゃあこの計算を自分の頭の中でしないといけないの?これは大変だ。」

 

「じゃあイヴちゃんは18だった場合の計算をしてくれるかな?俺は81の計算をするからさ。」

 

「わかった!がんばってみる!」

 

 

そう言って俺達はお互いに計算をし始めた。とは言っても俺の方は繰り上がり自体はそんなに多くないため直ぐに終わるだろう。そんなことを思いながら思考の海へと俺は潜って行った。




移動しようとした次の瞬間、ひとつ奥の人形がなんの前触れもなく突然地面へと落ちてきた。

……俺は今の光景を見た事があるような感じがする。そう、あれはマンションの上階のベランダから女の子が段ボールなどで台を作って飛び降りる姿だ。そんな彼女の格好は独特なもので、長袖でピンク地のニットに赤いスカート。服の胸に位置する部分には窓を連想させるかのような柄が入っている。彼女は飛び降りる直前まで夢の中を四六時中駆け回り24個のエフェクトと呼ばれる道具を集めていた。中には物騒なものもあったが、そんな事をまるで気にせず時には悪魔のように残酷にそして時には天使のように慈悲深く夢の住人とコミュニケーションをとっていた。

彼女に会ったこともないのになぜ俺はこんなことを知っている?人の夢なんて同じものを見られるわけもないのになぜ俺はこんなにも詳しく覚えている?俺はあんな訳の分からない夢なんて見た覚えもなければ、目が覚めた際にその夢の内容を“ゆめにっき”と称してノートを取った記憶もない。それなのになぜ俺はこんなことが頭の片隅にしこりとなって残り続けているのだろう。

彼女は何時もあまり喋ることはしなかった。口から出す言葉は主に“ダメ”や“ムリ”などの否定の言葉。その言葉も他人へと言うのではなく自分自身に言っていた。おそらく常日頃から自己否定をし続けてきたのだろう。そんな彼女にその奇抜な服の特徴から夢の住人からこんな名前がつけられた。“窓付き”と……。






最初はこれを本文に乗っけてしまうところでしたがすんでのところで踏みとどまりました。書いちゃったらそれはもう“Ib”じゃなくなっちゃいますからね。

そういえば皆さん1月25日頃に発売されたIbのラインスタンプは買いましたか?私はつい先日モノクロブログをなんとなしに開いた時に気づいてその場で買ってしまいました。あれギャリーのOKスタンプがすごく使い勝手が良くてついつい多用していまいます。まぁ私はあまり普段スタンプ自体使わないので宝の持ち腐れなんですけどね(笑)

他にもイヴちゃんとメアリーはもちろんのこと無個性や赤い服の女、心配などもあるので見てみるだけでも楽しいかと思います!

kouriさん!本当にありがとうございます!
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