では、どうぞ。
階段を降りた先でイヴちゃんが何かが動く影が見えたと言うので、なにか出てくるかもしれないと警戒をしながら赤い廊下を渡ってきたが俺達を襲ってくるような存在が何一つとして出てこないまま次の扉の前へとたどり着いてしまった。
何も出なかった事に拍子抜けしつつも、警戒は緩めないまま扉の近くにあったノートへと足を運ぶ。机に上にあるペンを持ってからなにか出るかもしれないとペンを持ったまま辺りを見回したりもしたが、何も出てこないことを確認して漸く警戒を解く。
「ふぅ……。とりあえずここまでは何も出なかったね。こんな世界だし幻覚を見せられたか、それかただ驚かす為のギミックだったのかもね。」
「う〜ん。わたしもほんとに一瞬しか見えてなかったから見間違いだったのかも。倒れたばっかりなのに体力を使わせちゃってごめんなさい。」
彼女はそう言うとこちらに頭を下げてきた。……この子は何かを恐れているのだろうか?
「イヴちゃん。1回謝るのやめようか。」
「えっ……?でも───。」
「何を怖がってるのかは知らないけど、イヴちゃんが頭を下げるような事はしてないんだから謝らなくて大丈夫。もしこれ以上謝るなら俺怒るよ?」
「……。」
俺がそこまで言い切るとイヴちゃんは俯いて黙ってしまった。……もしかして強く言い過ぎただろうか。でも俺としては今のイヴちゃんよりも会ってすぐ位のイヴちゃんの方が素だと感じた。出口がどれだけど奥にあるか分からないこんな所でずっと気を遣うのは俺でもキツイのに、俺より小さい子にさせていい訳が無い。
「……少し休憩しよう。あそこの壁、なんか違和感あるしちょっと見てくる。」
「……わたしも一緒に行く。ひとりにしないで。」
「─分かった、一緒に行こうか。」
そう言うと俺達は来た道を少しだけ戻った。壁も床も同じ朱一色のこの空間で1箇所だけ違和感の覚えた壁の前へと着くと、俺は壁をまじまじと見始める。
「……お兄さん、ここなの?かべしかないけど?」
「此処だよ。なんかここだけ音の反響の仕方がおかしい気がしてね。奥に道がありそうだなって思って。」
「なんかよくわかんないけどすごいね。」
「もしかしたらすり抜ける壁かもしれないから気をつけてね。……おっ、やっぱりここみたいだ。それじゃあ行こっか。」
「えっ?行くって目の前かべ……。」
うだうだと言っているイヴちゃんの手を引っ張って目の前の壁に一直線で歩いていく。壁にぶつかると思ったその瞬間、俺達は暗闇で囲われた場所にたどり着いた。なにか空間があるとは思っていたが、横に手を伸ばした感じ、細めの廊下くらいだろう。目の前も暗闇で見えないはずなのに、何故かどのような形の空間なのかわかる気がする。
「まだもう少し奥がありそうだな……。イヴちゃん、先に進むよ。此処だとイヴちゃんの事見えないから俺の手をしっかりと掴んでてね。」
「うん……。」
言葉少なく会話を済ませた俺は早速前へと進んでいく。途中右に曲がらなくては行けなかったが、そこは口頭で指示を出して何とかなった。そうして進んでいくと、漸く終点に着いたようだ。一面朱い小部屋へとたどり着いた。目の前にはとても大きい、不気味な絵が飾ってある。
「……【魂を啜る群衆】か。随分と悪趣味な絵を描くんだな。ゲルテナってやつはよ。」
「お兄さん……この絵こわい……。」
「早くここから離れよっか。此処にはこれしか無いみたいだし。」
そう言い残して俺達はこの場を足早に去る。そんな俺達を
イヴちゃん……そんなに悲しませる予定はなかったんだよ……?でも君が謝ってくるから。私は君に謝って欲しいわけじゃないんだ……笑顔でいて欲しいだけなんだ!信じて!イヴちゃん!
はい。悪ノリがすぎました。でもきっと序盤のイヴちゃんがこう真面目になったらきっとどこかでイヴちゃん自身がイヴちゃんを責め続けてると思うんですよ。つまりはそういうことですよね。(?)