Ib〜ハッピーエンドへ行き着くためには〜   作:月舘

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どうも、私です。今回は短めです。それと(私にとって)大事なお知らせをあとがきにてさせていただきます。









では、どうぞ。


再探索

扉をゆっくりと開けると、あいつはどうやら近くには居ないらしい。少し離れたところからズッ……ズッ……と引きずる音が聞こえる。見える範囲をゆっくりと見渡してみると、どうやら元いた場所の近くに戻った様だ。これなら対角線上にいるあいつにバレずに正面にある2枚の絵画の近くは調べることが出来るだろう。……何故だか片方の絵は黒一色しか見えないのだが、気にしたら負けだ。

 

 

「出来る限り足音の出ないようにゆっくりと歩こう。あそこの絵のところまで行くよ。」

 

「……!……!」

 

 

小声で俺が話しかけると、それを聞いたイヴちゃんは無言でコクコクと頷く。なんだか先程の変な空気が無くなったようで少し気が楽になる。しかしここは既にあいつの索敵範囲なのだとしたらあまり気が抜けてしまうのも問題だ。そう思った俺は再び気を引き締め直すと、ゆっくりと前へと歩みを進める。

 

『うん』の陰に隠れて『あ』の方を覗いてみると、あいつは何やら探し物をしているように見える。ずっと下を見て這いずっている様で、こちらには未だに気づいていないみたいだ。

 

 

「よし。向こうはこっちに気づいてないみたいだから早くあっちに行こうか。」

 

「そうだね。でも早く行くのも大切だけど何よりバレないようにしないとね。お兄さんはそそっかしいからちょっと心配だなぁ。」

 

「はは……。 これからはイヴちゃんに心配かけないように善処するさ……。……それよりもあいつが今向こうを向いたから移動するよ。」

 

 

そう言って俺達は極力音を立てないように歩きながら2枚の絵画を見据える。

 

無事何事も無く絵画の元へ着くと、遠くからでは黒一色にしか見えなかった絵の全体像がようやく顕になった。何と黒一色だと思っていた絵画の中に緑色の線が1本入っているではないか。……だからなんだと言うのだろうか。黒字に緑の線が入っているからといって何かが変わる訳でもなし、俺はその絵画から視線を外し題名を確認する。

 

 

「『心の音』ねぇ。じゃあこれは心電図のモニターを写したものなのかねぇ。」

 

 

そう思い、再び絵画を見る為に視線をあげると、“ドクン”という音とともに絵画に引かれている線が一度波打つ。……は?今何が起きた?今まで色んなことが起きてきたが、まさかこんなことが起きるとは思っておらず目が点になってしまった。

イヴちゃんの方を向くと、どうやら彼女も予想外だったらしく驚いた表情で絵画を見ている。しかし何時までもここでこの絵を見ている訳にもいかないので少し思う所はあるが次の絵画に行こうか。

 

そう思い、もう1枚の絵画の方へと移動する。……どうやらもう1つは『タバコを吸う紳士』というタイトルらしい。先程のものとは違いしっかりと絵画らしい絵画になっている。しかし、なぜこんな疲れ切っているような男性を描いたのだろう。なんて思いつつも、このどちらの近くにも何も見つからなかった鍵に関するヒントが『赤い服の女』があったところから出来るだけ遠い事を祈りながら俺はじっとタバコの煙を見続けていた─────。




恐らく赤い服の女とのやり取りも次くらいで終わるかと思われますが、予定は未定です。





3/26と4/2の金曜日なのですが、急遽仕事が入ってしまい執筆が難しくなってしまいましたのでその両日は更新をストップさせていただきます。その後は今まで通り火金曜日更新していきますので何卒よろしくお願いします。
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