Ib〜ハッピーエンドへ行き着くためには〜   作:月舘

43 / 142
どうも、私です。今回書き方を変えてみました。今回と今までとでどちらが読みやすいかアンケートを取りますので、宜しければ答えていただけるとありがたいです。









では、どうぞ。




この小さな書庫のような部屋を探索しようと意気込んだのはいいものの、どこから手をつけようか。本棚も全てそこまで大きくはないが、そのすべての内容を把握しようとするのなら時間がだいぶ持っていかれる事は必至だろう。出来うる限り今知りたい情報のみを知る事が出来ればいいのだが、まぁ無理だろう。何故か分からないが急がなければいけない気がするので取り敢えず背表紙のタイトルだけをパーッと流し見するか。

 

 

「右と左どっちから見に行く?とりあえず手前から見ようとは思ってるけど。」

 

 

俺がそう言うとイヴちゃんは頭をひねって考え出す。

 

 

「う〜ん……どうせ全部の本だなを見ることになりそうだし手前も奥も右からでいいと思うよ。」

 

「分かった。じゃあ早速見に行こっか。」

 

 

そう言って俺達は一番右端の本棚の前へと移動した。早速本棚にある本の背表紙を見ようと思ったら何やら本の間に紙切れが挟んであるらしく、不自然にぴょこんと飛び出ていた。その本を手に取ってみると、どうやら今はどうでも良さそうなタイトルになっている。

 

そんな事はお構い無しに本から紙切れをスっと抜き出して両面を確認する。するとそのあまり大きくはない紙切れいっぱいにでかでかと

 

“た の し い ?”

 

と書かれていた。今すぐ破り捨てたい気持ちを何とか抑えてイヴちゃんに見えない様に上着のポケットの中へと忍ばせる。

 

 

「ねぇ、今お兄さん何かをポッケの中に入れなかった?」

 

 

どうやらバレない様にしていたにも関わらずバレてしまったようだ。俺に隠し事の才能は無いのだろうか。仕方が無いので適当に誤魔化しておこう。

 

 

「あー……テストの範囲をメモした紙が何故か出てきたんだよ。だから別にいっかなって……。」

 

 

我ながらなんとも無理のある言い訳だと分かっているが今の俺にはこんな言葉しか思い浮かばなかった。何とも凝り固まった頭の回転の遅さに自分で嫌になる。

 

 

「う〜……嘘っぽーい。それって本当なの〜?」

 

 

怪訝な目でこちらを見てくるイヴちゃんを気にしないようにしながらも俺は本の背表紙を見て気になるものがないか確認していく。ただ返事をしないのはどうかと思い適当に返しておく事にする。

 

 

「マジも大マジ。本当のことしか言ってないよ。……それよりもこの本棚に気になるものはもう無いから隣の本棚に移ろう。」

 

「あ、うん。わたしも手伝うね。」

 

 

何とか話を誤魔化すことに成功した俺はそそくさと次の本棚の前へと足を進める。なにか興味を引くタイトルが有ればいいのだが……。

 

そう思ってから10分程経ち、気になる本が現れないまま4つ目の本棚の確認を開始する事に。ここまで成果がなく気分の落ちていた俺はこのブロックにはあの紙だけで、残りの3ブロックに1つずつあるのでは無いかと高を括っていた。

 

 

「……あ、お兄さん!これなんてどう?」

 

 

上の方を見ていた俺に下の方を見ていたイヴちゃんがそう声をかける。本のタイトルは『ゲルテナ』と言うらしい。

 

 

「おぉ……イヴちゃんよく見つけた!……ん゛ん゛。早速読んでみよう。」

 

「お兄さんってそんな声も出たんだね……。」

 

 

何やら驚かれているが、そりゃ俺は感情の無いロボット人間って訳では無いから喜んだり悲しんだりするわけで。今までできる限り冷静でいようと心掛けていた事が仇になったか。

 

 

「そりゃあ俺だって人間だからね。感情の起伏位は当然ありますとも。イヴちゃんには俺が機械に見えたかな?」

 

 

そんなことを言いながら俺は本を読み進めていく。が、あまりいい情報は無さそうだ。これは言わば作品集といえばいいだろうか。俺たちがここに来るまでに見てきた作品が一堂に会している。それもこの“奇妙な美術館の展示物のみ”がこの本に掲載されている。見つけてくれたイヴちゃんには悪いが正直どうでもいい情報だろう。

 

 

「うーん……この本は単なる作品集だね。しかも今まで見てきた作品しか載ってない。」

 

「さすが機械人間お兄さん。すぐにそういうことも分かるんだね。」

 

 

……機械人間お兄さんとは一体なんなんだ。確かに機械に見えるか聞いたのは俺だがまさか本当にその雑なネタ振りに乗ってくるとは思わなかった。そんな事を思いつつも今の俺には返す言葉が思い浮かばなかった為、大変申し訳ないがスルーさせて貰うか。うん。

 

 

「この本も本棚もあまりいい情報が無さそうだから次の本棚に移動しようか。次のブロックには向こうの部屋に行く方法が分かればいいね。」

 

 

これで誤魔化されてくれればとても有難いのだがイヴちゃんの事だ。きっとこんなお粗末な誤魔化しなんぞ(つぶさ)に反応をして俺を追い詰めてくるだろう。

 

 

「あ、うんそうだね。早く行こっか。」

 

 

……まださっきの言い争いが尾を引いているのか、これ以上の追求はなかった。元はと言えば俺が巻いた種とは言え、何とも悲しい気持ちになる。まぁこれも時が何とかしてくれるだろうと俺達は通路を挟んだ向かいの本棚へと歩き始める。




早く進めたいけどもっとここ深く書きたい気持ちが大きくなってきていますね。このままだと完結までに何話かかるんでしょう?自分でも全くわかりません(笑)


今週からまた金曜日の更新を再開しますのでよろしくお願いします。

今までの書き方と今回の書き方、どちらが読みやすかったですか?

  • 今までの書き方の方でいい
  • 今回の書き方がいい
  • 主の好きな方でいい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。