Ib〜ハッピーエンドへ行き着くためには〜   作:月舘

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どうも、私です。今回は大幅に遅刻してしまいました。ユルシテ……ユルシテ……。今回は伝える事もないのであとがきは無いですよ。そんな御託は置いておいて











では、どうぞ。


青い薔薇

再び花瓶の置いてある部屋まで戻ってきた俺達はその足で真正面にある扉へと歩みを進めていく。扉の前まで来てドアノブの所を確認するが、鍵穴が存在しない。もしやと思いノブを捻って扉を開けてみるとキィ…という音を立てて扉が開いてしまった。

 

 

「あれ?鍵ってここに使うと思ってたけど違うのか。……なんか嫌な予感がするなぁ。」

 

「このカギを使った先に何かおそってきそうだね。ちょっと怖いかも。」

 

 

そんなことを話しながらも扉の先へと入っていく。すると廊下のような風貌ではなく美術品を飾っていそうなちょっとした段のある部屋になっていた。それに廊下が奥にまで続いていて、足元には青い何かが落ちているように見える。

 

……なんだあれは。そう思い謎の扉の近くに近づいてみると落ちていたのは青い花弁の様に見える。もしこれがあの倒れていた人影のものだとしたらかなりまずいことになっている。そう思い花弁の続いている先に行ってみると、そこには何か絵画が飾ってあったであろう空間があった。作品のタイトルは……

 

 

「『青い服の女』……?これはやばいかも!花弁の前にあった扉に入るよ!」

 

「えっ?」

 

「恐らくあの人の花で遊んでる奴がこの中に居る!」

 

 

そう言いながら扉の前まで戻っているとイヴちゃんは緊張感のある顔で俺の後ろを着いてくる。扉の前に着きノブを回そうとするも回りきる前にガチッと止まってしまう。やはりと言うべきか鍵が案の定かかっていたので急いで先程受け取った小さな鍵を取り出すとノブの上にある鍵穴へと差して回す。

 

鍵穴から小気味よくカチリとなると同時に勢いよく扉を開ける。するとなにか鼻歌のような音が部屋の奥から聞こえてくる。

 

 

「……イヴちゃんはここで待ってて。すぐに奪い返してくるから。」

 

「えっでも……。」

 

「大丈夫。すぐ戻ってくるからさっきみたいにここ開けて待っててね。よろしくっ!」

 

 

そう言い捨てて俺は部屋の奥へと出来る限り物音を立てずに進んでいく。

 

『青い服の女』の姿を補足すると、何故か相手もこちらの方を見つめている。もしかして向こうの索敵範囲に入ったか……?もしそうだとしたら相手の持っているであろう青い薔薇を奪取するのに花弁の1枚や2枚は覚悟しておかなければならないかもしれない。

 

 

「ふぅ……。よし、行くか。」

 

 

ひとつ深呼吸を挟みここに来てからいつもより緊張気味の心臓を落ち着かせて1歩1歩ゆっくりと近づいていく。向こうはどうも俺が気になるらしく、花は弄らずに俺の方をじっと見つめている。……そろそろ限界か?

 

そんなふうに思いながら1歩前に足を出す。すると『青い服の女』は『赤い服の女』と同じ様にどこから発しているのか分からない、まるで人間とは思えない雄叫びを上げて俺に向かってくる。あまり早い速度ではないがやっぱり襲われる感覚は慣れない。

 

部屋をぐるぐると周り薔薇を取れそうなチャンスを伺う。すると部屋を回って歩いてる訳でなんだかんだすぐに拾える位置に。逃げながら青い薔薇を拾うと相手の速度が早くなる。

 

 

「やっぱりそうなるのね……!やめてくれよ……!」

 

 

そう言って俺は扉に向けて走り出した。あちらさんも負けじと俺に向かってきているがそんな事気にする間もなく部屋を走り抜ける。すれ違う際に1度体に触れられたのだが、その時に薔薇の散る時の痛みが体中を襲う。しかしこの程度先程確認していた為全く動じることなく動く事が出来る。

 

何とか部屋の入口付近まで戻った俺はイヴちゃんが心配そうな顔をしているのを見て力が入る。あんな小さな子に心配されているんだ。ここで頑張らなきゃどこで頑張るんだ。そう自分に言い聞かせて全力で走り抜ける。

 

俺が扉を出た瞬間にイヴちゃんが扉を閉め始める。相手の向かってくる速さもなかなかのものだったので閉めるのが間に合わないのでは無いのではと思ったが何とか間に合ったようだ。閉めた瞬間に扉を強く叩く音が響き渡る。それもすぐに収まり俺達は安堵した。

 

 

 

 

次の瞬間、部屋の窓ガラスを強く叩く音が。……待ってこれってあれ割られたら俺たちピンチじゃないか?そんな心配を現実にしてやるよと言わんばかりに『青い服の女』は窓ガラスを突き破ってこちらに向かって向かってくる。

 

 

「ヤバっ!イヴちゃん逃げるよ!動ける!?」

 

「う、うん!走れるよ!」

 

「なら走るよ!」

 

 

そう言って俺達は『青い服の女』に背を向けて扉に向けて全力で走り始めた。速さはそんなに早くない為逃げることは容易に出来そうである。これは足が1番遅い人に合わせて速度を変えているのか?よく分からないが嬉しい誤算だ。さっさと出てしまおう。そう思い少しだけスピードを上げて扉に着くと早々に扉を開けてイヴちゃんを待つ。

 

間もなくしてイヴちゃんも無事に扉をくぐったのですぐに扉を閉める。何とか五体満足で逃げきれた。ざまぁみろってんだ。

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