では、どうぞ。
隣の部屋に着くと、イヴちゃんが先程言っていた通りに見た事のない無個性が扉の前を陣取っているのが見える。
周りに泣き頭動かすようなギミックがないか視線のみで確認してみるも何か謎解き出来そうなものはおろか扉以外に何も見当たらない。
こいつらはいつ動いて襲ってくるか分からない為あまり近くに行きたくないがどうしたものか……。
「なにこれ邪魔ね……。イヴ、ヒロトシ、ちょっと離れててくれる?」
「えっ?……いやギャリーさんあまりそいつに近づかない方がいいですよ。そいつ急に動いて襲いかかってきますから。」
「もう。ヒロトシは気にしすぎよっ……と。」
彼は特に何を気にする事もなくネクタイだけを身につけた男型の無個性を移動させる。その姿は先程唾のようなものを吐かれた際に尻餅を着くほど驚いていた人物と同一人物だとは全くもって思えない。
しかしこいつが動かなかったからいいものの、もし動いてきた時はこの人はどう立ち振舞ったのだろうか?これから今みたいに自分達で無個性を動かすこともあるのかもしれない事を考えるとそこら辺を考えるのもいいのかもしれない。
「よし。これで通れるようになったわ。それじゃ行きましょ!」
「うん!お兄さんもほら!はやくいこ!」
「あ、うんすぐ行くよ。」
イヴちゃんに腕を引かれながら扉をくぐると、そこは先程までの赤い部屋から一転して一面灰色の部屋へと変化していた。部屋の内装もシンプルながらいかにも謎解きがありそうな部屋となっている。
しかし床から生えている手は何やら寂しそうな雰囲気を醸し出していてこちらを襲おうとしている空気は感じられないし、壁には悲しそうな顔をしている新郎新婦の絵画が飾ってあるところも見ると指輪を無くしてしまったとかなのであろうか。
まぁ何はどうであれ今現在出来る事といえば謎解きなど知った事かと虱潰しに床に指輪が落ちていないか探す事くらいだろう。こういうような部屋ならおそらく次の部屋へと続く扉は相手いると思うので確認をしてみる。
「……やっぱり開いてるか。イヴちゃん、ギャリーさん。この部屋で今出来る事も少なそうですし先進みましょう。」
「……気味が悪いくらい部屋の壁の色が変わったのによくもまぁ平然としていられるわね。」
「ここまで来るのに壁の色ががらっと変わる事なんてよくあったんで慣れました。ね?イヴちゃん。」
「うん!黄色とか青とかすごかったよ〜!」
「アンタ達案外図太い性格してんのね……。アタシ1人だったら絶対に無理だわ……。」
そんな事を言ってギャリーさんは俺達に尊敬の念を送る。大人でこういう風に他人の功績を認められる人って少ないと何かで聞いた事があったから少し驚いた。
俺もこんな風に人を認められる人間になっていきたいものだなんて思いながら次の部屋に足を1歩踏み入れた。
ウマ娘が楽しくて執筆活動が捗りません。どうしましょう?