では、どうぞ。
俺達は今現在入れる最後の扉の前に立ち止まると何の気なしにふと右側へと視線が向かっていく。そこには何やら口をパクパクとさせながらまるで斜眼の様な瞳をギョロギョロと常時動かしている謎の青い壁のようなものがある。気味が悪くて先程部屋の探索をした時は3人してスルーしてしまったが、あいつは一体何なのだろうか。
「……あのさ、さっきスルーしたあの青いのに話しかけてみない?今まで動いてるやつって敵だったりギミックだったり何かしらこの美術館に意味があったからあいつにも意味がきっとあるんじゃないかな。」
「えっ。アタシあいつの傍に行きたくないんだけど。なんか気持ち悪いじゃない。」
「ギャリーそういうこと言っちゃダメだよ。人を差別するような事を言っちゃダメってママが言ってたもん!だからギャリーもそういう事言っちゃダメ!」
「……分かったわよもう言わない。それにしてもいいお母さんじゃない。アタシは親からそんな事言われた記憶がないもの。」
「へー。やっぱり家庭によって言われる事は違うな。うちは人に優しくしなさいって馬鹿みたいに口酸っぱく言われたよ。……じゃあ1回あいつと顔合わせしておくか。」
俺たちの足が例の青い顔に向かって動いていく。するとあいつもこちらに気づいたのか何だか動きが早くなった……気がする。
近くまで行ってみると案の定と言うべきか、見ていてあまり気持ちの良くないと感じる。とりあえず話しかけてみようと半歩ほど前に出ようとすると、その行動を読んでいたのかあいつから口を開く。
『えへへへへへへへへ。はな……おはないいなぁ……。』
「は?」
『そのお花くれたらここ通してあげるよ……。えへへ。』
「いややらんが?」
『えへへ……お花ちょうだい?』
ダメだ。こいつは全くこっちの話を聞いてなどいない。それにこの世界で命と同等の重さである薔薇をあげてしまったらそれはもう死んでいるのと同じだろう。それにどうせ花をあげたところでどうせろくなことに使わないだろうしここはお断り一択だな。
「悪いけどこの薔薇はやる訳にはいかないな。諦めてくれ。」
『ねぇおねがい……ちょっとだけ。におい嗅ぐだけだからさぁ……。』
「絶対にノー。」
『ちょっとぐらいいいじゃん……。えへへ、へへへへへへへへへへ!あはははははははははははははは!!』
「キャッ!いきなり何なのよ!気味悪いわね!早く離れましょ!」
ギャリーがそう言って俺達はその場をそそくさと離れるが、あいつの笑い声は俺達が扉に入るまで続いていた。
急いで元々入ろうとしていた扉の前まで戻ってきた俺達はその足で扉をくぐる事に。
扉の先には幾つものイーゼルとその上に飾ってあるキャンバス。それと沢山の丸椅子が無造作にちりばめられて置かれている。全てのキャンバスに目薬の絵が描かれており、奥の壁にも目薬の大きな絵画が飾ってある事から恐らくこの部屋には目薬が置かれているんだろう。そう思いとりあえず奥に進もうと丸椅子を跨ごうと足をあげるが丸椅子の手前くらいで謎の壁に阻まれて跨ぐことが出来ない。
「……丸椅子が跨げない。なんか壁があるっぽいからギャリーもちょっと試してみて。」
「アタシ?良いけどアンタが跨げないなら多分アタシも無理だと思うわよ。」
「お兄さん、なんでわたしにはやってって言わないの?」
「えっ……。イヴちゃんもやりたい?やってもいいけどイヴちゃんスカートなんだから気をつけてね……?」
「うん!」
なんかよく分からないがイヴちゃんがやる気を出しているのでやってもらう事に。とりあえずここから進む方法を探さなければ。
今回の花を渡すところ書いてる時に生殺与奪の権が何故か思い浮かんでしまってあと少しで本文に入れてしまうところでした。まぁ入れたからなんだって話なんですけどね?