では、どうぞ。
幸せなお二人のいる部屋からそそくさと出てきた俺達はその足でお花にとんでもない程の執着を持っているあの青いヤツに再び相見えることに。正直イヴちゃんの情操教育的にあまり宜しくないタイプの人格の持ち主だと理解してはいるが、それでもブーケなんてこれ以上ないヒントも貰っている事を理解していない訳では無い。
俺達がいくら足取り重く歩いていた所でそこまで長くない道のりの為、すぐに着いてしまった。あちらは俺達の気持ちなど知らないと言わんばかりにどこを見ているか分からないままニヤケているその小憎たらしい表情を見せつけてくる。正直あまり話しかけたくはないがここで自分の好き嫌いを出しても先に進めない事は理解しているので俺の心の中にお釈迦様が居るイメージを持って穏やかに話しかける。
『えへへへへへへへへ。はな……おはないいなぁ……。そのお花くれたらここ通してあげるよ……。えへへ。』
「やっぱり対応は変わらないか。この花キチがよ。……イヴちゃんさっき貰ったブーケくれる?それで通してもらうからさ。」
「えー!こんなにキレイなお花あの子にあげちゃうの〜!?うぅ……せめてもう少し待ってくれる?」
「え?まぁ俺はいいけど……。なんで?」
「だってこんなにキレイなお花ホントはわたしの部屋に飾りたいくらいだもん。でもそれは出来ないだろうし、それにあの子にこのお花を渡しちゃうんでしょ?だったらもう少しこのお花を見てたいなって。……ダメ?」
「それなら別に大丈夫じゃない?こいつがどれだけ待ってくれるか知らないけどまぁ渡さなければいいだけだしね。」
「ホントに!?やったぁ!」
イヴちゃんはそう言うとウットリとした顔で新婦から受けとったブーケを愛でるように見つめている。俺には正直花の良さというものは分からないが、育ちが良さそうな感じもするし俺みたいなガサツなやつには分からないような何かを感じているのだろう。
幾許かの時間が経ち俺達は図らずも各々で体を休める形となっていた。と言っても2人が花の話でワイワイ話しているのを俺が傍からぼーっと見ているだけなのだが。しかし何時までもここでのんびりしている訳にも行かないので俺は重い腰を上げてようやく行動に移す。
「お二人さんそろそろ行かないか?このままだといつまで経っても一向に進みやしないぞ。」
「あ、お兄さん。待たせてごめんね。それじゃあ行こう!」
「ついつい花の話で盛り上がっちゃってねぇ!アタシも満足したわ!」
「それなら良かった。じゃあイヴちゃん、ブーケをくれるかな。ちょっとあいつに渡してくるからさ。」
「はいどーぞ!……渡す時気をつけてね?」
「そりゃもちろん。俺も痛い思いはしたくないからね。」
そう言って俺はイヴちゃんからブーケを受け取ると青いアイツの方へと向き直す。こちらを向いてずっと『えへへ……お花ちょうだい?』と言い続けている事がとても不気味だが、ここを通してもらう為には誰かがしなければいけない事で俺がその役を買って出ただけの事。……ギャリーに丸かけ忘ればよかった。しかし口から出した言葉はもう戻らないので腹を括って俺はコイツにブーケを向ける。
「ほれ、好きにしていいぞ。」
『えへへへありがとう……。……いい匂いだなぁ……えへへ。』
「あぁそうかいそりゃよかった。じゃあここを通し…て……。」
『それじゃいただきます。』
その言葉と共にコイツはすごい音を立ててブーケをバリバリむしゃむしゃと食べてしまう。その言動と行為に俺は言葉を失ってしまった。あまりに突拍子もない行動だったし、まさか花を食べるとは露にも思っていなかったのでいつも以上に驚いてしまった気がする。
しかしあいつはこちらの事など気にもとめない様子で話を続けていく。
『あーおいしかった。えへへへ。』
「えっ……?あ、あぁそれは良かったよ。満足してくれたようで何よりだ。」
『ありがとうありがとう。約束だからね、ここ通すよ。』
「ここって……何も無いじゃないか。一体何をする気だ?」
俺がそう言って念の為に警戒レベルを少し上げるが、そんな事お構い無しに己自身の言いたい事やりたい事をやっている為あまり意味が無い事を薄々感じとっている。そんな事を知ってか知らずかコイツは自分自身を扉のような模様へと変化させる。
『このドアで奥に行けるよ。それじゃあね、えへへへへ。』
「……嵐のような時間だったな。マジで頭の整理が追いつかない。」
「ブーケ……。お花が可哀想だなぁ……。」
「でもブーケが無かったら誰かの薔薇を差し出さないといけなかったかも知れないって考えると少しホッとするわね。」
「おおぅ……。急に怖い事を言わないでくれギャリー。」
そんな会話をしながら俺達は少しの恐怖を胸に抱えながら次の部屋へと向かう。
ウマ娘でヒシアマゾンさんが遂にプレイアブル化しましたけど皆さんは回しましたか?
私は今回は見送ることにしました。またいつか持ってるサポカのピックアップが来た時に回そうかと。