では、どうぞ。
扉となった青いアイツを抜けるとそこは何やら小さい小部屋になっていた。部屋の中には入ってきたものとは違う扉と絵画が3枚飾ってあるだけで他には何も見当たらない。飾ってある絵画もうち1枚はまるで子供が一筆書きで書いたような何かにしか見えないような出来で何が描かれているのかすら分からないが、題名を見る限り【アンバランスな箱】が描かれているらしい。
そんなどうでも良い絵画は放っておいてあと2枚の絵画へと視線を向ける。1枚は【預かりし真心】という作品で白い背景にハートが浮かんでおり、それを上から取ろうとする手が描かれている。まぁもっとも俺には取ろうとしているように見えているだけであって、いやこれは守っているんだという声もありそうだがそこはそれぞれの感性ということで。
「この絵は何なのかしらね?箱には見えなくはないんだけど……そうだ、溶けてる氷みたいね。」
「えぇ〜そうかなぁ?わたしにはジャパニーズコタツに見えるよ!」
「あら確かに。ねぇ、ヒロトシにこの絵は何に見えるのかしら?」
「子供が書いたセミ……かなぁ。」
「……アンタなかなか渋いセンスしてるわね。」
「そうか?まぁ毎年セミの鳴き声を聴きながら夏を過ごしてるし土地柄じゃないかな。」
「セミの鳴き声なんて聞こえるかしら?アタシは聞いたことがないわ。イヴは聞いたことある?」
「わたしもないよ!お兄さん特殊能力もってるの!?すごーい!」
何やらイヴとギャリーは虫の鳴き声を聞いた事がないという話題としては盛り上がるが別に今必要ではない情報が知ることがわかった。それよりも俺は最後の絵画を目に入れようと視線を動かす。しかしそこにはタイトルの書いてあるプレートはあれど絵画も額縁も何も飾っていない。ただの壁がそこにあるだけだ。それに唯一あるプレートにも何も書かれていない先程この部屋に入ってきた時には何かが飾ってあったように見えていたのだがあれは気のせいだったのだろうか?
「なぁ2人とも。さっきここに入ってくる時にここに何か飾ってなかったか?」
「え、どうだったかしら……。うーん……アタシは覚えてないわね。」
「私も覚えてないかな。……お兄さん大丈夫?疲れてない?」
「さすがにそこまで疲れてないよ。それと急に変な事聞いてごめん。」
なんだろう。この部屋はなんだか色々とズレている気がする。俺と2人の認識の違いもあるけどそれ以上の何かが……。
『本当にもう……これは辛いなぁ……。』
……ッ!?この記憶は一体なんだ。全く身に覚えの無い記憶なのに部屋の家具の配置や色合い的に俺の部屋のものだし聞こえた声は俺の声だ。しかし今の記憶は少しおかしいところがある。
パソコンの液晶を見ながら言葉を発しているはずなのに画面には何も表示されていなかったのである。何かを見て辛いと言っているのになぜ俺の視界には“辛い要素となるものが無い”のだ。
一体今のはなんだったのか考えながら目線を再び見えない絵画の方へと向けると先程はあった題名のプレートすらもなくなっていることに気づく。一体何が起こっているのか。さっきの身に覚えの無い記憶は一体何なのか。色々な事が頭をよぎりながらもここで立ち止まっている訳にも行かず、俺は2人に声をかける。
「そろそろ次の部屋に行こう。ここで止まってても何も起きないからね。」
「確かにそうね。次の部屋へ早速向かいましょ。」
「次の部屋は何があるかなぁ。……わたし少し嫌な予感がする……かも。」
「イヴそれ本当?具合が悪くなったら早く言いなさいよ?」
「うん……今は大丈夫。それよりも奥の部屋から嫌な予感がする気がするから気を張ってた方がいいかも。」
「わかった。油断をしないようにしよう。ギャリーも気をつけといて。」
「何が何だかよく分からないけど……わかったわ。心構えはしとく。」
「よし、じゃあ行こうか。」
俺はそう言って入ってきた扉ではない方のもうひとつの扉のノブに手をかけてゆっくりと開けていった_____。
やっぱり私の進行速度って遅いですかね?文字数が少ないのもあると思うんですけどそれでも進まなさ過ぎかなと私自身思い始めました。まぁそれでも好きに書いていこうと思います。
それに本編も次回で60話に到達するのが信じられないですね。まだ金髪美少女が本編に出てきてないのが申し訳ないですね。