Ib〜ハッピーエンドへ行き着くためには〜   作:月舘

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どうも、私です。

星10評価:弐式炎雷さん
星1評価:神威混淆さん

評価していただきありがとうございます!
どんな評価でも貰えるだけでとても嬉しいです!
今日はのんびりしてたらこんな時間になってしまいました。申し訳ありません。







では、どうぞ。


直前

俺たちが隣の部屋へと入るとそこにはイーゼルに掛けられたキャンバスと机が一つ置いてあった。キャンバスには花瓶が描かれており、机の上にも同じような花瓶が置かれている事からここにいた人物は恐らく花瓶を描いていたのだろうが、如何せん花瓶の置かれている位置が少しおかしい。普通観察しながら描くのであればキャンバスのほぼ正面辺りに被写体を置くはずなのに今現在机の置いてある場所は描き手のほぼ真横であり、模写をするにあたってどう考えても適していない位置にある。

 

この美術館の物は基本的にガッチリと固定されていてどれだけ力を入れたところで動かない事もざらにあるのだが、もしかするとこれはキャンバスと机のどちらかは動くようになっているという事なのだろうか?

 

 

「お兄さん、ここになんかよくわからないけどくぼみがあるよ!ここまで机を運んで来れそうかなぁ……?」

 

「きっといける……んじゃないかな。さっきあった椅子の部屋みたいに引き摺って運ぶのなら行けそうだね。」

 

「さっきのヒロトシみたいに持ち上げようとしちゃダメよ?上に花瓶も乗ってるし危ないからね?」

 

「もう!ギャリーもお兄さんもわたしを子供扱いしすぎ!わたしだってもう立派なレディなんだからね!」

 

「ふふっそうね!アタシったらうっかりしてたわね。ごめんねイヴ。」

 

「ふふん!分かってくれたらそれでいいよ!お兄さんもわたしの事レディだって思うよね?」

 

 

なんとも子供らしく可愛らしい質問がイヴちゃんから投げかけられた。そういう事を他人に聞いている時点でそれはレディにはなり得てないのでは無いかと思ってしまうが、まぁ子供の可愛らしい部分だしこの事について返す言葉は決まっている。俺が今するべき事は目の前のレディ(イヴちゃん)の納得するような言葉を献上するだけだ。なんで少しカッコつけすぎただろうか?

 

 

「勿論イヴちゃんは立派なレディだよ。だからこそ雑務は俺が今までやってきたんだよ?レディにそんな事は似合わないからね。」

 

 

俺はそう言ってイヴちゃんの頭を優しく撫でる。なんとも気持ちよさそうなイヴちゃんの顔が表に出てきているがそれに気付いたのかすぐ先程までのしかめっ面に戻ってしまう。

 

 

「ほぁ……。お兄さんはわたしの事なでれば解決すると思ってない?そんな事でわたしはごまかされないからね!」

 

「そっか。じゃあもう頭を撫でて欲しくないって事でいい?俺は喜んでくれればいいなって思ってやってたんだけどなぁ。」

 

 

俺がそう言ってイヴちゃんの頭から手を退かすとイヴちゃんは悲しそうな顔を浮かべながら俺の手の動きを目……というか顔全体で追っていた。その動きが何となく猫のようで愛らしく、撫でてしまいたい衝動に駆られたが直前に間接的なもう撫でません宣言をしているので彼女から撫でてと言われるまではノータッチを貫こうと思う。

 

 

「お兄さん……頭撫でて。優しくお願いね?」

 

「ハイハイ分かりましたよマイレディ(お嬢様)。」

 

「あら、ヒロトシったらイヴを随分とたらしこんでるのね。イヴも気を付けなさいよー?将来こんな男について言っちゃダメだからね!」

 

「たらしこんでるなんてギャリーのそれは言い過ぎじゃないか?俺はイヴちゃんを妹的な感覚で可愛がってるだけだぞ?」

 

「なんでお兄さんみたいな人について行っちゃダメなの?お兄さんみたいな人ならきっと優しい人だよ?」

 

「……なんというかアンタ達にはアタシが付いてないと何しでかすかわかったもんじゃないわね。」

 

 

ギャリーの言う事に俺達2人は訳も分からず頭を傾げた。俺達が知らない所で何かおかしな事でもやらかしてしまっていたのだろうか?

 

そんな事を思っていると、ギャリーがいつの間にかイヴちゃんの言っていた窪みに合わせて机を動かしていた。あたかも俺達……というか俺が悪いような言い方をされてしまった気がするが何か、俺はいけない事でもやってしまっていたのだろうか?イヴちゃんを妹みたいに可愛がってるだけと言ったがそもそも俺には妹はいない為この距離感が兄妹として正しいのかも分かってないもんだからそこら辺がギャリーの琴線に触れたのかもしれない。

 

ギャリーが所定の位置に机を動かすと次の瞬間にどこかから、少なくともこの部屋の扉では無いところから鍵の動かされた音がしたのが確認できた。今までの流れからして別の部屋の鍵が空いたんだろうけどその候補としては3つある。

 

 

「さて、恐らく今のでどこかの扉の鍵が開いた音がしたけどどこから行く?俺たちの入ってきた扉側からかそれとも逆側からか。」

 

「真ん中のあの小部屋からじゃなかったらどっでもいい気がするわね。どうせどっちから行ってもまだこのフロアの完全攻略が終わった訳じゃないし……。なんかアタシ嫌な予感するのよね〜。」

 

「そんな事よりもさっきの鍵が開いた音の後ろでガラスの割れるような音が聞こえた気がするんだけど私の聞き間違いかな?」

 

 

ガラスの割れる音。それが意味しているのは恐らくあいつらの活動が始まったということだろう。出来れば一生動かないままでいてくれた方がこちらとしてはありがたかったのだが動いてしまったのなら仕方が無い。気を引き締めていこう。

 

 

「さて、嫌な鬼ごっこの始まりだ。」




いつも通り書いてたら主人公とイヴちゃんのイチャつきだけで半分以上いってる気がします。ですがイヴちゃんが可愛いのがいけないのであって私のせいではありません。
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