では、どうぞ。
俺が部屋の奥にある鏡に注目しているとイヴちゃんとギャリーもそれに興味を持ったのかじっと見つめ始める。しかし遠目から見ていても何も起きない事に気づいたのかイヴちゃんが歩き出したかと思ったら鏡の前でじっと鏡の中のイヴちゃんと見つめあっていた、
「イヴちゃん……何をそんなに見てるのかな?」
「ん〜?今の身だしなみがおかしくなってないか確認してるの。ママにどんな時でも身だしなみはちゃんとしておきなさいって言われてるから!」
「そうよね!イヴも女の子だもの、いつだって可愛くいたいものね!全くヒロトシったら女心も分からないなんて……彼女に愛想つかされるわよ!」
「彼女なんて居ねぇよ!てかいた事すらねぇよ!」
「あら意外。アンタなら過去に1人や2人付き合った経験とかありそうなものだけど……ないのね。まぁそれなら納得だわぁ〜。」
「言い方が絶妙にイラつくな……。それに彼女なんか居なくても俺にはゲームとネット環境があればそれだけで万々歳なんだよ。」
俺がそう力強く言い切るとギャリーは小さく溜息をつき、イヴちゃんは特に何を気にする事も無く鏡を見ながら手ぐしで髪をとかしたり前髪を整えたりしている。なんとも女の子らしいと言えば良いのか、同級生がよく教室でコンパクトミラーを片手にやっている姿と酷似している。まぁ違うところを上げていくとするのならば、大なり小なりあれど同級生の連中は化粧をしていたがイヴちゃんはまだそういう事に手を出していない所だろうか。
そんな事を考えていたらなにやら後ろからがチャリと扉のノブをひねる音がする。何事かと勢いよく後ろを振り返るが変わった場所なひとつもない……と思いきや入口前に不気味な方かの両端に置かれていたあの白い生首の彫像がいつの間にか置かれている。特に他に変わったところは見当たらないなと考えているとギャリーが生首に動かす為に近づいていく。
「何よこれ……いつの間に入ってきたのよ……ふんっ!……あら?ふんっ!!……ビクともしないわ。全く参っちゃうわね。」
「え?マジか。ちょっと俺も試していい?……あーなるほど。確かにこれは動かんなぁ。跨ごうにもなんか壁みたいな何かがあって無理っぽいし……こりゃ閉じ込められたな。」
「え!?2人ともそれって大丈夫なの!?」
「まぁ何かキーとなる事を見つければこいつも動くだろうから大丈夫だよ。今までもそうだったし急に変わることはそうそうないと思うよ。」
「う〜ん……ほんとにそうならいいんだけど……。」
イヴちゃんが何か不安がっているがもうここまで来てしまった以上何を不安がってもどうにもならないし進むしか道はないんだから不安になっていても仕方がない。そう考えている俺はもう1度3人で鏡の前に立ってみたら何か起こるのか試して見たくなり、2人を呼んで鏡の前に再び戻っていく。
「……えっ?」
「ほー。こう来るのね。」
「なんでお兄さんはそんなに冷静なの?」
「ぎゃーっ!!なっ、なによコレ!」
「あっ壊そうとするなよ!これを壊したら何が起こるか本当にわからんから!」
「だからなんでそんなにお兄さんは冷静なの?」
イヴちゃんがさっきから俺になにか言ってきているがそんな事は無視をして俺は話を続ける。さっき器物破損は俺たちの何かを持って賠償させますと書いてあったし出来る限りリスクは避けておきたいとギャリーに熱弁をした所、何とかわかって貰えたらしくいつの間にか振り上げていた足を下げさせる事に成功する。
「ヒロトシありがと。アンタのおかげで余計な事をせずに済んだわ。」
「いやいや。ギャリーがそうしたくなる気持ちも分からなくはないから。俺がもしこれから同じように暴走しそうになったら止めてくれよ?」
「そんなのもちろんやるわよ!アタシ達にかかればヒロトシなんてちょちょいのちょいなんだから!ね?イヴ。」
「うん!わたし達に任しといて!」
「こりゃ心強いな。これなら俺がどうなっても大丈夫そうだ。」
「でもアンタも何もないように努めなさいよ。アタシは誰かの犠牲に生きていたくはないから!わかった?」
俺の瞼がいつもより大きく開くのが自分でも感じられた。それくらいに今のギャリーの言葉には驚いた。そこまで気を使われては俺もその声に答えたいのだが、この先どうなるかは俺にも分からない。だからギャリーには悪いがこう返させて頂く事にする。
「あぁ、善処するよ。」
最近の小学生のお化粧事情は知らないのですが、私の幼少期は私含め男女共々お化粧している方がいらっしゃらなかったと記憶してますのでイヴちゃんはすっぴんでのご出演となっております。
イヴちゃんのお化粧姿をご所望の方には大変申し訳ありませんがご理解頂きますようどうかよろしくお願い致します。