では、どうぞ。
ギャリーは俺の返答にあまりいい顔はしなかったものの俺の発言から何かを感じたのかそれ以上俺に詰め寄る様な事はしてこなかった。それはきっとギャリーも今後何かあった時には俺にするなと言っているような無茶をするかもしれない事を考えてのことなのかもしれないがそこはギャリーのみぞ知ることなのだろう。そんな事を考えながら俺は生首のマネキンが動いて再び通れるようになった扉の前の様子を少し開けて確認する。
「うーん……何か襲ってくる絵画が増えたっぽいな……。引きずる音がさっきギャリーが囮をしてる時よりも増えてる気がする。」
「えっそれは面倒な事になったわね。……正直こういう場合ってみんなバラバラに行動した方が案外安全だったりする時もあったりするんだけど……。今回は固まって動きましょうか。」
「え?一人一人で動いた方が安全なんでしょ?じゃあみんなバラバラで動こうよ。」
「やっぱりどう動くかって時と場合によるのよ。これがもし10人以上とかの大人数だった場合はツーマンセルやスリーマンセルで行動した方が圧倒的に安全かつ効率的に行動できるんだけどアタシ達は3人。少人数なんだからわざわざ別れて行動しなくても大丈夫なのよ。」
「ふーん。なんだかよく分からないけどわたし達が一緒に動いても大丈夫って事はわかった!」
「……まぁその認識でいいわよ。間違ってはない事だしね。」
ギャリーがちょっと落ち込んだ風にそう返答するとそれを知ってか知らずかイヴちゃんは嬉しそうに外の様子を確認している。その姿を見ていると、せっかく敵が増えたとわかった時に自分の中で引き締めた緊張感がゆっくりと解かれていくのが自分で感じとれた為俺は早々にこの部屋を出る事を決意する。
「じゃあ早速外に出よう。ここにいても何も始まらないし前にアイツらはいてそこから大きく動かないっぽいからね。」
「そしたらここを出てどこに向かうのかしら?何か当てはある?」
「ないからまたこの部屋歩き回る。」
「えぇ!?お兄さんそれは危険なんじゃないの?」
「でもまあそうするしかないじゃん?さっき開いてなかった扉が開いてたらラッキーだけど音が無かったから多分開いてないだろうし今まで入った部屋は隅まで見尽くしたし。」
「まぁ確かにそうねぇ……。そう言われるとヒロトシの言う通りに虱潰しに探すしかアタシ達には残されてないわね。」
「だろ?じゃあそんな感じでよろしく。」
俺はそこまで言うと扉をゆっくりと開け放ってアイツらのいる部屋を肩で風を切りながら進んでいく。その後ろから怪訝な表情を隠さないまま2人が着いてくるがそんな事など俺にはお構い無しに先導して歩いていく。別に隠し事をしている訳では無いが強引に話を終わらせてしまったせいか何となく顔が合わせづらい状況に陥ってしまった気がする。
まずこの部屋を調べてみようという事でアイツらの居ない方へ居ない方へと歩いていくと、何も見つからないまま半分程を確認し終わってしまった。引きずる音が聞こえる位置もずっと同じ方向からなのでアイツらの位置もさほど変わってないのだろう。しかしあと確認していないところというと赤い服の女のいる方向しかないのだから困ったものだ。
「……ねぇヒロトシ。今から行こうとしてる方からアイツらのいる音が聞こえるけどここからどうすんのよ。アタシがまた囮になろうかしら?」
「うーん俺が言ってもいいんだけど、というか俺が行きたいんだけどどうせダメって言うんだろ?じゃあギャリーに行ってもらうしかないんじゃないか?」
「わたしが行っても良いんだけど……2人的にそれはダメなんだよね?だったらじゃんけんで決めちゃっていいんじゃない?わたし的には2人とも無理はして欲しくないから行かないでって言いたいけど……それは無理なんでしょ?」
「いや無理じゃないけど……安全マージンを取るなら欲しいかなってところだね。あまり危険な橋を渡りたくないしアイツらくらいなら囮役もそんなに危険じゃないからね。」
「……じゃあ3人で行こっ!赤信号みんなで渡れば怖くないの精神で!」
イヴちゃんはそう言うと俺達の腕を掴んでニコニコしながら進み出す。その笑顔に絆された俺達はこれから起こり得る可能性を何も考慮せずイヴちゃんについて行った。その事が俺の中で明るみになるのはもう少し後の事だった。
以前の前書き後書きで書いたかもしれませんが、基本は元のゲームのストーリーに沿って進んでいきます。つまりこの後イヴちゃんは……。
まぁ主人公視点しか基本書かないんですけどね。