Ib〜ハッピーエンドへ行き着くためには〜   作:月舘

79 / 142
どうも、私です。今回はとても筆が進みました。やっぱりワチャワチャしているところを書くのは楽しいですね。

※今回少しオリジナル展開がございます。大して誤差は無いですが。










では、どうぞ。


行くも地獄止まるも地獄

取り敢えず扉を背中で抑えながら部屋の状況を確認する。イヴちゃんは俺達の伝えた通りに部屋中をキョロキョロと見渡しながら音の出処を確認していて、ギャリーは3段ある本棚を動かしてどうにかこうにか窓ガラスを塞ごうとしているのが確認できる。しかし、3段のうち上2つが空のせいなのか、慌てて棚の上部を押してしまい倒れてしまっている。これでは窓ガラスを塞ぐ事は出来ておらず、もしアイツらが台に乗ってガラスを割ってきたら先程の薔薇を奪還した時のようにこちらに入ってくるのだろう。

なんて考えながら視線を本棚から窓ガラスの方へ向けると、そこには既にこちらに来ようとガラスに手をかけて割らんとするアイツらの姿が映っていた。

 

「ギャリー!逃げてぇ!」

 

「えっ!?急にどうしたのよイヴ!何がどうしたって言うの!?」

 

「窓ガラスの前にアイツらがいる!ガラスを割るつもりだぞ!そこにいたら怪我をするから直ぐに離れろ!」

 

「はぁ!?それを早く言いなさいよぉぉぉおおおお!!!」

 

 

ギャリーはそう言うが早いか全力で後ずさりをしてその場から離れると、丁度そのタイミングでアイツらはガラスを割ってこの部屋へと侵入してきた。運がいいのか悪いのかギャリーの目の前で割られたガラスはついぞその破片が俺達の元へと届くことは無く、怪我をする事は無かった。

 

しかしこの狭い部屋にアイツらが入ってきたという事は既にここはセーフゾーンではなくなったという事で。早急にこの部屋から脱出を試みたいところではあるのだが、なんともいやらしい事に未だに扉の前にはアイツらが居る気配はするしアイツらの入ってきた窓もまだガラス片が窓枠に残っている事から、応急手当できるものが無い現状危険すぎる。

 

そんな打つ手無しの所謂“詰み状態”に陥った俺達だったが、次の瞬間今までとは比べ物にならない程に大きな音が壁から聞こえてきた。何事かとそちらを見るとアイツらの1体が壁に大穴を開けて部屋へと入って来るでは無いか。

 

 

「はぁ!?そんなんありかよ!」

 

「ヒロトシ!こっからどうするのよ!」

 

「私はあの穴位ならそんな苦もなく通れるよ!」

 

「ナイスイヴちゃん!それで行こう!ギャリー!一番槍行ってこぉい!」

 

「アタシっ!?あ〜もう!仕方ないわねぇ!」

 

 

ギャリーは腹を括ったのか目の前の追っ手をするりと避けて穴へと一直線で進む。しかしいくら大きい穴とはいえ成人済みの男性が難なく通れるほど大きい訳もなく、体を丸めてよちよちと歩く姿を見ているとこんな状況なのも相まって遅いと叫んでしまいそうになる。しかしいくらいつもより小さい歩幅とはいえ2歩3歩も歩けば壁なんてものは通り過ぎる訳で、すっくと立ち上がるとギャリーは外の様子を一言でわかりやすく伝えてくる。

 

 

「ぎゃーっ!外も阿鼻叫喚じゃない!」

 

「イヴちゃん!ギャリーの元に向かって!俺も直ぐに向かうから!」

 

「わかった!お兄さんも早く来てね!」

 

「了解!」

 

 

イヴちゃんが穴の方へと向かうのを感じた俺はアイツら2体を相手取りながらできる限り彼女が無事壁の向こうまで行けたのかチラチラと確認する。

 

少ししてイヴちゃんが無事に部屋から出られた事を確認した俺はその場で2人に対して大声で呼びかける。

 

 

「2人とも穴の前から離れといて!今からそっちに向かう!」

 

「わかったわ!怪我はしないようにしなさいよ!」

 

「そんなの分かってる!いいからどいてくれ!」

 

「一体何する気なのよ!危ない事はしないで頂戴!」

 

「あーもう!いいから早く!」

 

 

漸くギャリーが穴の前からどいてくれた事を確認した俺は穴の方へと全力疾走をする。壁の残骸が逃走の邪魔をしてくるが、そんな事は気にしないままに俺はスライディングで穴へと突入する。その際に砂埃の様な細かい粒子がその場に舞い上がり、足の先にあった瓦礫が速度をがくんと落としてくるがそんな事など気にしてはいられない。兎に角穴を通る為だけを考えたスライディングば何とか成功し、大きな怪我もないままに俺も部屋から出る事ができた。

 

 

「ふぅ……何とかなったな。……うわっ!目の前の扉2つとも塞がれてんじゃん!」

 

「そうなのよ!しかも動いてる作品の量も今までと比にならないくらい多い感じがするのよ!」

 

「確かに歩く音とか引きずる音が半端なく聞こえてくるな……。これ逃げ切れる?なんか無理な気がしてきた。」

 

「アンタが諦めないで頂戴!アタシ達のリーダーでしょ!」

 

「待て!いつから俺がリーダーになった!俺はそんなものになった覚えはない!」

 

「2人とも!そんなことより早く逃げようよ!わたしは作品に捕まりたくないよっ……!」

 

「……っ!よし!じゃあとりあえず固まって行動するぞ!そんで全ての扉を確認!異論は!?」

 

「「なし!」」

 

「よし!じゃあ行動開始!」

 

 

その掛け声とともに俺達はセーフゾーンを探しに今まで以上に危険地帯となったこの部屋を探索する事になった。依然続くピンチから無事に逃げ切れるのだろうか。




ココ最近昼間が暑くてたまりませんね。ただ昨日は台風の影響か風がありましたし、何故かその風も少し涼しかったので過ごしやすかったですね。
まぁ汗はものすごくかきましたけど……。そういう意味では洗濯物が増えるので外に出たくないですね。

それと誤字報告ありがとうございます。先程初めて誤字報告一覧の所を開いた所、3箇所の誤字報告が有りましたので、そちらは訂正させて頂きました!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。