Ib〜ハッピーエンドへ行き着くためには〜   作:月舘

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どうも、私です。今回はイヴちゃんが寝ている間のギャリーと主人公です。そろそろ大きく改変させた方がいいのか少し迷っています。一応一番最初に構想を練る時点で変えるところは幾つか出していたんですけどだいぶ広範なんですよね……。







では、どうぞ。


再びの邂逅

「すぐ近くに部屋があって助かったわね……。ヒロトシは大丈夫?疲れてないかしら?」

 

 

あの後真っ直ぐ行って突き当たりに部屋があったので急いでそこに入って一息ついた俺達はイヴちゃんを床に寝かせて起きるまでのんびりする事に。

しかし疲れからか気絶してしまったイヴちゃんは現在進行形で魘されており、だからといって起こすのも何かと忍びない気持ちでいっぱいになっていると隣から不意に俺自身の安否をにきする声がかけられる。

 

 

「あぁ。俺は何とか大丈夫。ギャリーこそ殿だったけど大丈夫だった?」

 

「アタシはアンタの開いてくれた道を通っただけだもの。なんともないわ。それにしても……イヴ、魘されてるわね。」

 

「現実なら或いは何とかしてあげられたのかもしれないけど……。夢の中だとどうしようもないな。」

 

 

俺達はイヴちゃんの顔を見ながら苦悶する。こんなに小さな子の為に俺がしてあげられる事の少なさに自分自身が嫌になる。

 

 

「……俺少し疲れたから仮眠取るわ。何かあったら起こしてくれ。」

 

「えぇわかったわ。アンタもここまでよく頑張ったわね。あたしが見張っておくからゆっくり休みなさい。」

 

「……サンキュー。恩に着るわ。」

 

 

俺はそう言うとイヴちゃんのすぐ近くに腰を下ろし壁に寄りかかる。そして目を閉じるその直前に少しでもイヴちゃんの助けになるようにと念じながら俺は彼女の手を優しく握った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁ、さっきぶりだね。元気にしてたかい?」

 

 

目を開くとそこには何やら見覚えのある初老の男性がこちらを見つめて優しく微笑んでいる。格好も前と変わらず厚手のエプロン姿ではあったが、今回は椅子に座ってキャンバスと相対して何かを描いているようだった。何を描いているのかは見えなかったがそれを知ろうが知るまいが何が変わることは無いだろうと俺はそこから意識を外す。

 

 

「まさかここ(美術館)で意識を失うと俺は毎回爺さんと会わにゃならんのか。」

 

「それはどうだろう。流石の私にもそこは判りかねるよ。」

 

「ふーん。爺さんが出るかどうか決めてるわけじゃないんだな。」

 

「そりゃあそうさ。私だってできる事ならずっとアトリエで絵を描き続けたいんだからね。だがこの世界は走破させてくれないのさ。」

 

「……爺さんも大変だな。こんな男の夢に出ないといけないなんてさ。」

 

「そうでも無いよ?君みたいな若者が今どんな会話をするのか。しゃべり方はどんな感じなのか。流行っている言葉はどんなものなのか。全てアートに通ずるものがあるからね。」

 

「俺にはよくわからないな。俺にアーティストは向いてないかもしれん。」

 

「はっはっは!そう簡単に諦めたら出来るものも出来なくなるよ?これ幸いにも君はまだ若い。色んなことにどんどんチャレンジしてみるといい。」

 

 

まるで親戚のおじさんのような事を言う目の前の爺さんは俺の事を見ながらからからと笑う。その姿に少しイラついた俺は返事もせずそのままその場にドカッと座り込む。

 

 

「あぁそうだ。君に伝えていない事があったから今のうちに伝えておこう。君をあの美術館に招待したのは―――私だ。」

 

 

爺さんはそう言うと先程の豪快な笑いからアルカイックスマイルのような爽やかな笑みへと表情が変化する。

 

――どうやらこの空間にいると感情の制御が一筋縄ではいかなくなるらしい。俺はその言葉を聞いた瞬間に爺さんの胸ぐらを掴み、思いっきり睨みつける。

 

 

「おい、それは一体どういう事だクソジジイ。何であんな化け物ばかりが跋扈してる所に俺を呼びやがった。答えろ!」

 

「まぁまぁそう熱くなりなさんな。これは君が望んだ事に関係してるんだから私だけが悪い訳じゃないんだよ?」

 

「は?俺がこんな事望む訳ないだろうが。嘘もいい加減にしろよ。」

 

「そりゃ望んだ事なんて覚えてる訳ないよ。だって君、記憶が無くなってるところがあるでしょ?その時のことだもの。」

 

「――なんでそう思うんだよ。俺の記憶は十全にしっかりとあるぞ?」

 

「嘘は行けないよ。君の夢……というか頭の中にいるんだから君の記憶くらいは見させて貰ってるさ。こういう面白そうな事はなかなかに経験出来ないからね。」

 

 

なんともまぁ抜け目のないジジイだ事で、俺の記憶はどこまでかは知らないが見られてしまったらしい。まぁ対して何があった訳でもない極々平凡な俺の人生なんて見たところで面白いものなどあまり無かっただろうけども。

 

 

「まぁそんな事より君の記憶についてだ。と言ってもその記憶も恐らくはもうすぐ思い出せるだろう。その時まで待ってておくれ。」

 

「何が何だかよく分からないが、今回だけは爺さんの言う事を信じてやる。」

 

「あぁそれでいい。……そろそろ時間のようだしもしまた会えたらよろしく頼むよ。君の旅路に幸多からん事を。」

 

 

俺はその言葉を聴きながら急激な眠気に抗う事は出来ずに爺さんに一言言い残すことも出来ないままこの夢の世界を去る。俺のまぶたが閉じる直前に何やら爺さんの口元が動いていたがなんて言っていたのかは全く聞こえなかった。

 

 

 

 

「さて……彼の仕込みも終わったし、あとは君達の選択にかかっているよ。どうか悔いのないように頑張ってくれたまえ。」




実は今回の大利くん。寝る時にイヴちゃんに膝枕とか腕枕をしてもらおうと思っていたんです。でもこのシャイボーイにそんな事ができるのかと考えた瞬間に私の妄想が一瞬にして弾け飛んでいきました。

まぁ日本人なんで奥ゆかしくお手手を繋いでもらいました。


……うちの子が人たらしだったらきっと膝枕や腕枕をなんの躊躇いもなくやるんだろうなぁ。

でももし私が同じ立ち位置になったら恐らく手を握る事すらしないと思うので少なくとも私よりはコミュ力がありますね。
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