Ib〜ハッピーエンドへ行き着くためには〜   作:月舘

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どうも、私です。今日も今日とてそこそこ難産です。










では、どうぞ。


迷路

イヴちゃんの頭を撫でていると、ギャリーの向かった方向からガコンと何かが置かれるような音が聞こえてくる。何事かと思い、まずギャリーに何か起きてはいないかと視線を向けるが特にギャリー本人には何も起きていないようだ。本人も少々驚いた表情を隠せていない。

しかしそんなギャリーのなんとも言えない表情を見ていたら視界の端に違和感を感じるのでそちらを向いていると、ギャリーが入っていった迷路の入口に柵が1つ追加されており俺とイヴちゃんが迷路に入る事はできなくなってしまったのである。

 

それと同時くらいに迷路の中腹あたりにいた無個性が1体ノロノロと動き始めた。

 

 

「ギャリー。無個性が動き始めたから早くボタンを押しに行った方がいいと思うぞ。」

 

「えっ本当!?……さっきの部屋と比べると随分とゆっくりな無個性ね。でも確かにここに止まってても捕まるだけだしさっさと正解のボタンを押してくるわ!」

 

「ギャリー頑張って〜!」

 

「アタシに任せときなさい!こんなギミック程度ミスなしでクリアしてやるわ!」

 

 

なんともビッグマウスをつらつらと垂れているギャリーだが、俺にはすぐにギャーギャー騒ぎながら逃げる姿がなぜだか思い浮かんでくる。実際になりかねないその想像が容易に出来てしまう事につい苦笑いを浮かべてしまう。しかし、その想像がもし現実のものとなってしまったとしたらと考えるとあまりいい気はしない。

 

そんな事を考えている内にギャリーは1つ目の赤いボタンの前に着いたらしく、カチッとボタンの大きさの割に随分と小さな音を部屋に響かせる。しかしボタンを押しても柵のどこかが開くような事はなく、寧ろ2体目の無個性が動き始めてしまった。

 

 

「ギャリー!無個性追加で動き始めたぞ!今まで以上に気をつけろ!」

 

「なんなのよもう!コイツらどこまでも着いてきてキリがないわね!」

 

「頑張れ〜!捕まらないで逃げて〜!」

 

「ま、任せておいてちょうだい!このくらいのピンチが何よ!ピンチって程でもないわ!」

 

 

大声で己を奮い立たせながらギャリーは無個性の間をスルスルと抜けていく。その場は何とかなったが後ろからはゾンビのような足取りでギャリーを追いかける無個性が。ゆっくりと着いてくるアイツらからしっかりと距離を取りつつ次の青いボタンの前に到着すると、脇目も振らずそれを押す。

 

すると柵が1箇所あったものが瞬時になくなり、そこから出ることが可能になった。しかしその開いた所から入ろうとしたが、やはりなにか見えない壁のようなものに阻まれても進むことが出来なくなっている。

 

出口から見てすぐ目の前に本棚があり、どんな本がそこに入っているのか確認したかったが迷路に入っていない俺達にはそのような資格はないらしい為、諦めてギャリーに見てもらう事に。

 

「あ、ギャリー。そこの本棚調べて。何か気になる本とかない?」

 

「一応追いかけられてるのになんて事言うの!?アンタ中々に厳しい事言うわね!」

 

「パラパラーっと流し読みでいいからよろしく。」

 

「あぁもうやってやろうじゃない!……って、ここの本棚1つ以外背表紙の文字読めないんだけど!?」

 

 

ギャリーはグチグチと文句を言いながら本棚へと手を伸ばす。慣れた手つきでパラパラと読み進めていくギャリーだったが、その表情から察するにあまりいい情報は書いてなさそうであった。

 

無個性が近づいてきていたのもあって早々に迷路の外に出てくると、先程までなかった柵がギャリーが通り過ぎた途端にガコンと音を立てて道を塞いでしまう。これで入口と出口の両方が閉められて入れない状態になってしまった。

 

 

「ギャリーお疲れ様ー!迷路楽しかった?難しかった?」

 

「全然難しくなかったわ。あれくらいならアタシの頭脳にかかれば余裕よ!」

 

「ギャリーお疲れ様。本読んでた時渋い顔してたけど何が書いてあった?」

 

「願いの込められた作品には魂が宿るとかそういうのよ。……アタシここに来る前まではオカルトとかあんまり信じてなかったんだけどここに来てからは信じざるを得ない状況に合わされてばっかでもうなんなのか分からないわ……。」

 

「まぁこの世界は異常だもんな。俺も似たような感じで大変だったよ。」

 

 

ギャリーは俺たちと合流を果たし、そのまま先へと進んでいく。後ろから聞こえるカツーンカツーンという音を背にしながら俺達は通路の突き当たりを曲がっていくのであった。




この話を書いている時に子供の時入った迷路を思い出しました。生垣の迷路だったんですけど結構広くて楽しかった記憶があります。

因みに私の母は迷路に入ったら自分で脱出できずにヘルプを呼ぶ人です。
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