申し訳ないですが、私の頭ではこんなタイトルしか思い浮かばなかった……
では、どうぞ。
薔薇を探せ
「じゃあ自己紹介も済んだし、早速出発しよっか。イヴちゃんは大丈夫?」
変な名前と言われて落ちた気分を無理やり引っ張りあげ、先に進もうと提案する。するとイヴちゃんは出てきた部屋に気になるものがあったようで後ろをチラチラと見ている。
「どうしたの?部屋の中に何か気になるものでもあった?」
「うん。」
「わかった。ちょっとだけ入って見よっかな。イヴちゃんはどうする?」
「1人はいや……。」
そう言ってイヴちゃんは俺の服の端っこを掴む。
そりゃそうだ。今まで1人でここまで来たんだ。それが短い道のりだったとしても。この歳で親が居ない心細さはとてつもなく心に来るはずだ。この子の辛さをわかってあげることは出来ないけれど、俺と同じ仕打ちを受けている以上恐怖を抱いていることに変わりはない。そんな子に俺がしてやれることといえば行動を共にとることくらい。出来ることならその恐怖心を全て担ってあげたいのに。イヴちゃんには申し訳ないがそれしか出来ないのだ。
「わかった。一緒に行こうか。」
「うん……。」
イヴちゃんが出てきたドアと対面する。この先には一体何があるのか。考えるだけで嫌になる。でもきっと見た目だけのハリボテだろう。怖くない恐くないこわくないコワクナイ……自分にそう言い聞かせる。そして自分の決心が鈍らないうちに一気に扉を開け放つ────。
「女の……人?」
「あれ?表情が戻ってる……。」
そこには静かに微笑む女性の絵が飾ってあった。穏やかなその表情はまるで子供を見守る母親のような。そんな温かさを感じる。ただ一つ欠点を挙げるとしたら、この女性は髪の毛が長すぎて額縁に収まっていないところだろう。これではまるで額縁の後ろに生きている人が立っているみたいだ。
しかし、イヴちゃんが今言った言葉も気になる。“表情が戻ってる”。つまりはこの表情が1度変わったということだ。それでそれに恐怖したイヴちゃんは、慌てて扉から出ようとしたところ俺にぶつかった。確証はないがおそらく間違っていないだろう。ならばどんな風に変わったのか。そんなことを考えていると、絵画の下に何やら書いてあることに気づく。どうやら作品紹介では無さそうだ。
『薔薇とあなたは一心同体
命の重さ知るがいい。』
……これは俺の想像していたことは間違っていないようだ。ならば尚更俺の
それは情操教育的にも倫理観的にも宜しくないだろう。一刻も早く探し出さなければ。
「ねぇイヴちゃん。イヴちゃんの薔薇はどこにあったかな?」
「わたしの薔薇はね。部屋の前にあった花瓶に入ってたよ。」
「そっか。……お兄さんね。まだ自分の薔薇が見つかってないんだ。だから探すの手伝ってくれるかな?」
「うん!いいよー!」
「それとね?その薔薇はとても大切なものなんだ。だから絶対に無くしたり花弁を毟っちゃダメだよ。これは約束だ。」
「……?わかった!」
子供はとても好奇心が旺盛だ。たとえいくら大人しい子でも好奇心には勝てないだろう……と思う。
イヴちゃんに限って薔薇を毟るなんてことはしないとは思うが、口頭で注意しておくことに越したことはないだろう。
薔薇を探せってウォーリーを探せ的なあれじゃなく、探せやオラァン!ってことなんですかね?
聞かれても困るでしょうけど。