Ib〜ハッピーエンドへ行き着くためには〜   作:月舘

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どうも、私です。お気に入り100人達成しました!皆様ありがとうございます!


ついに今回、待ちに待った最後の一人がパーティに入ります。尚、今回の文字数は3000文字を超えてますので普段の文字数の感覚で読むと少し長いかも知れません。

でも私のしたかった事の1つが此処で達成出来たのでそれの副産物だと思って割り切ってます。









では、どうぞ。


第四章 最後のピース
メアリー


出てきた扉から夜桜の絵画の近くまで歩いてくると、何やらノートの前辺りから赤い足跡が点々と続いているのが見えてくる。その足跡は先程通った際にはなかったもので、どうやら俺達が今進もうとしている方向へと向かっているようだ。

 

 

「……あの足跡を追ってみる?もしかしたらさっきはなかった道が出来てるかもしれないし。」

 

「そうね。今までの事を考えるとこのままあれを無視して戻っても何かあるとは考えにくいものね。」

 

「あの足あとの先には危ないものがないといいなぁ……。」

 

 

あの足跡を見てから何故だか頭の奥がズキズキと痛み始めたが、そんなものは無視をして俺は2人を先導するように足跡の向かう方へとスタスタと歩いていく。

 

1歩進む度に痛みが強くなっていく感覚のする中、それでも俺は歩みを止める事が出来ないままに進んでいくと先程通った際には絶対になかったと言い張れる位置に扉が出現していた。しかし俺達は壁が動くような音などは聞いていないし、だからと言って突然音もなく壁が消えるはずもない。

 

なんとも奇っ怪な事だと考えていると後ろから着いてきたイヴちゃんとギャリーがいつまでも扉の前で動かない事を不審に思ったのか俺の肩を叩いて来た。

 

 

「……ん?どうした?俺に何か言いたい事でもあった?」

 

「いやいや!いくら不審な扉がいきなり音もなく出てきたからってそこまで頭を抱えて悩む事ないでしょ!アンタの悪い癖が出てるわよ!」

 

「……お兄さんもしかして頭いたいの?つらそうな顔してるよ?」

 

「え?……イヴちゃんはよく見てるね。でもこれくらい大丈夫だよ。じゃあ進もうか。」

 

「……ヒロトシ。本当にきつかったらいつでも言うのよ?アタシが先頭変わるからね。」

 

「ありがとうギャリー。そんときはお願いするわ。」

 

 

上手く笑えたか分からないが心配をかけないように精一杯微笑みながら俺はドアノブに手をかける。なんだか手汗がすごく出ているがそんなものを拭く余裕さえ今の俺にはなかった。

 

ゆっくりとノブを回して扉を開く。すると扉の奥からなにか人が走っているような音が俺の耳に入ってきたと思ったら次の瞬間俺の腹部辺りに軽い衝撃が走り軽くふらついてしまう。

しかし後ろにイヴちゃんとギャリーがいる手前ここで倒れる訳には行かないと瞬時に足腰に力を込めて倒れないよう踏ん張る。

 

何とか倒れずに済んだ俺は先程の衝撃がなんだったのか視線を下に向かわせるとそこにはブロンドと言うにはあまりにも黄色が強い髪色をした少女……?が俺の事を覗き込んできていた。その瞳を見た瞬間に俺の頭痛は痛みを増して思わず頭を抑えてしまうほどだった。

 

 

――――――

 

 

「本当にもう……これは辛いなぁ……。」

 

「そうだ。俺が書けばいいや。誰に見せる訳でもないし好きなことを書き殴ればいいんだ。」

 

 

――――――

 

 

……俺は何故ここに来るまでこんなにわかりやすいヒントもありながら気づく事が出来なかったのだろうか。ここは「Ib」の世界そのまんまじゃないか。それに俺はなんで今のタイミングで思い出した?この子と出会ったからでは無いのか?という事はもしこれが仕組まれた出来事なのであればそれを計画実行できる人物がいるはずだ。

 

 

――――――

 

 

「あぁそうだ。君に伝えていない事があったから今のうちに伝えておこう。君をあの美術館に招待したのは―――私だ。」

 

「そりゃ望んだ事なんて覚えてる訳ないよ。だって君、記憶が無くなってるところがあるでしょ?その時のことだもの。」

 

「まぁそんな事より君の記憶についてだ。と言ってもその記憶も恐らくはもうすぐ思い出せるだろう。その時まで待ってておくれ。」

 

 

――――――

 

 

……あのおっさんか!いくら俺の夢の中の人物とはいえそれ以外にこんな突拍子のない事をしそうな人物は思い浮かばない。それにあいつは俺がたった今思い出したこの記憶についても何か知っているような事を仄めかしていた訳で。……まぁ俺の記憶やあのおっさんの存在については今は一旦置いておこう。それよりも目の前の少女――メアリーの対処をどうにかしよう。

 

 

「……ヒロトシアンタ全く動かないけど何かあったの?」

 

「いや、ちょっと女の子とぶつかってさ。びっくりしすぎて少し放心してた。」

 

「え!?ちょっと大丈夫!?」

 

「……!」

 

「あ、ちょっと待って。足首ひねったとかそういうのは無い?」

 

「あ、うん……私は大丈夫……です。」

 

 

ぶつかった際に怪我をしてないか聞いてみたが取り敢えずは大丈夫のようだ。まぁ向こうからしたら見知らぬ男の人とはあまり会話したくないのかもしれないが。まぁ暗い方向に思考を持っていく必要も無いしここはポジティブに行こうか。

 

 

「ねぇ、アナタ……もしかして美術館にいた人じゃないの?」

 

「あ……!」

 

「やっぱり!そうだと思ったのよね!……あ、自己紹介がまだだったわね。アタシはギャリー。でこっちの子は……。」

 

「わたしはイヴって言うの!よろしくね!」

 

「そんで俺はヒロトシ。君の名前はなんて言うのかな?」

 

「…………。」

 

 

ギャリーのナイスパスもあったおかげで俺達は自己紹介を出来た……のはいいのだが、やはり俺とギャリーが怖いのか邪魔なのかすぐに名前を言ってはくれなかった。……ここは一旦イヴちゃんと二人で話を進めてもらうのもありなのか?そんなことを考えている間にもギャリーはメアリーに話しかけていく。

 

 

「アタシ達も美術館にいたのに気づいたらこの訳わかんない場所に迷い込んじゃってて……。今何とか3人で出口を訳なんだけど、もしかしてアナタもそうじゃない?」

 

「わ……私も誰かいないか捜してたの……。外に出たくて……それで……。」

 

「あぁやっぱり!ねぇ、良かったら一緒に行かない?」

 

「え……。」

 

「女の子1人じゃ危ないわ。ここ、変な生き物とか結構いるみたいなのよ。だから一緒に行きましょ?みんなでいた方が心強いし!」

 

「そうだよ!一緒に行こ?」

 

 

ギャリーとイヴちゃんがメアリーにそう問いかけると少しだけ彼女は考える素振りを見せる。その姿に2人は半ばドキドキしながら聞いているんだろうけど、俺は既に答えを知っている云わばカンニング状態なのでそんなドキドキは全くと言っていいほどない。だって彼女も外に出たがっているのだから。

 

 

「うん行く……!」

 

「んじゃ決まりね!……あ、アナタ名前はなんて言うの?」

 

「メアリー……。」

 

「メアリーね!よろしくメアリー。」

 

「メアリーよろしくね〜!」

 

「よろしくなメアリー。」

 

「……うん!」

 

 

どうやら俺達のファーストインプレッションはあまり悪い方向へは行かなかったようで何よりである。

 

しかしこの子が加入したという事は物語としては半分辺りといったところか。細かい所は所々違ったり俺自身が忘れてしたりしてしまっているものの大まかな流れとしては大きく外れた所がないということは喜ばしい事だ。

こういう風に一作品に俺のような異物が入ると徐々に流れが変わって最終的には全く別のエンドを迎えるなんて二次創作を漁っているとよくある話だが、この世界的にはまだ大きく変わった所はないのだと思われる。

 

ならば警戒するべきはこれから、二手に別れてしまうところからだろうか。まぁこれからの事は未来の俺に丸投げするとしよう。どうせここで考えててもこの先何が待ち受けているかなんて100%は分からないのだから。……青人形はこっちに友好的だといいなぁ。

 

 

「えと……イヴ、よろしく……。」

 

「うん!よろしくね!」

 

「……うん!」

 

「よーし!それじゃあ仲間も増えた事だし張り切っていくわよ!」

 

「「おー!」」

 

「2人とも元気がいいねぇ。子供は風の子元気の子ってか。」

 

「お兄さんもまだ高校生なんでしょ?じゃあまだ子どもじゃん!」

 

「ありゃま。こりゃ一本取られたな!アッハッハ!」

 

 

なんて和やかな雰囲気に包まれながら俺達は先へと歩みを進めていく。その俺の足取りに、今はなんの迷いもありはしなかった。




次回はNG集でも書こうかなと思ってます。まだ予定は未定です。でもそろそろ閑話的なものを挟みたい……。


来週の火曜日更新はコロちゃんのワクチンの2回目を打ってくるのでもしかしたら出来ないかもです。よろしくお願いします。
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