原作のセリフの方はあまり改変しないまま使ってますので普段の私の文章と感じが違うかもしれませんが気にしないで頂けると幸いです。
では、どうぞ。
「……帰ってこないわね。」
「あぁ……帰ってこないな。」
「こんなに遅いなんて、何かあったのかしら。」
大体彼女達を見送ってから10分ほど経っただろうか。2人が扉を開けて入っていく音を最後にその後の動向が全く掴めないほどに無音が続いていく。あまりの静けさによほど不安に駆られたのかギャリーがちょこちょこと忙しなく動き続けている。
それでも気がすまなかったのか、遂にギャリーは大声を出して2人を呼び始めた。
「イヴ!メアリー!聞こえたら返事して!―――、駄目ね……。あぁ、やっぱり2人だけで行かせるんじゃなかった……!どうしましょ……。」
「まぁ俺らのどちらかが向こう側に行く事が出来ていればまた違ったんだろうけど……まぁ過ぎた事は仕方ないわな。」
「そんな事分かってるわよ!……もう一度あの部屋、調べてみようかしら。……あんまり入りたくないけど。」
「まぁそれしか行ける所ないしなぁ……。さっき入った時は誰かさんが出たがったせいで探索もあまり出来なかったからなぁ。」
「う、煩いわよ!いいから早く行くわよ!」
ギャリーはそう言うと俺の事を全く気にせずに先程出てきた部屋へと戻っていく。
その姿がなんとも俺よりも歳を重ねているようには見えない辺りギャリーのその人間性というものが見えてくる。なんとも頼りない感じに苦笑いを浮かべながら俺はギャリーの背中をゆっくりと追いかけていく。
――――――
勢いで来てしまったせいで扉の前で立ち止まってしまっていたギャリーの背中を押して何とか入ると、そこは先程と何も変わらない気味の悪い人形が沢山置いてある部屋となっていた。
そしてその部屋の扉の真正面―――、つまり俺達の目の前の壁には大きな絵画が飾られていた。
『赤色の目』
絵画の下にある作品名にはそう書かれていた。確かに描かれている人形と同じようなこの絵はなんとも禍々しい赤い目をしているがイヴちゃんにはこれがうさぎに見えていたというのだから、俺がいた所で何が変わったなんて事もないと言われている気がして嫌になる。
「……何度見てもこれがカワイイだなんて思えないわ。」
「ん?……あぁ、確かに可愛いとは思えないな。まだ俺たちが慣れてないだけなのかもだけどさ。」
「こんなの見なれたとしてもカワイイとは思えないわよ……。」
俺達はそう話しながら絵画を眺める。しかしその気味の悪い絵画をずっと眺めているのもあまりいい気分じゃなかったので、そこから離れてふたつある本棚を調べていく。
すると本棚の端の方に1冊気になる本が見つかる。
『心壊』
『あまりに精神が疲弊するとそのうち幻覚が見え始め……最後は壊れてしまうだろう。』
『そして厄介なことに……自身が“壊れて”いるのを自覚する事はできない。』
現在イヴちゃんが陥っていると思われる症状が書かれている本だった。ゲームをやっている時から思っていたが、いくら精神を病んだからと言ってここまで酷い幻覚を見る事はあるのだろうか。いくら何でもうさぎとこの人形は形の造形が違いすぎるためふと疑問を抱いたが、いくら考えても答えが出ない事は分かっているので早々にこの事について考える事をやめて他に気になる所はないか探していく。
―――
この部屋にある2つの本棚を調べ終わった所で特になんの進展もないまま他に調べられる所があまりない事にウンザリしているギャリーが現実逃避気味に口を開く。
「めぼしいものはないわねぇ……。……ん?」
「どうしたギャリー。なにか気になるものでも見つかったか?」
「いや、なんかこの本棚あんまり本が入ってないしアタシでも動かせそうじゃないかしら?」
「あー、確かにこの本棚くらいなら動かせそうかも。ダメ元でやってみれば?」
俺がそう言うとギャリーはそれに頷いて本棚を押していく。すると本棚は危なげなく動いていき、その裏に空いていた穴が俺達の目の前に現れた 。
「あらま、動いたわ。なんでさっき気づかなかったのかしら。まぁいいわ。ここから出られそうね。」
「もう少し穴が大きければ通りやすかったんだけど……まぁ通れるだけ御の字か。」
「さっさと先に進みましょ。早くイヴたちと合流しないと……。」
「それもそうだな。次はもっとわかり易かったらいいんだけど……。」
ある程度答えの知っている俺はそんな事を
俺の中にあるゲーム『Ib』の知識がどこまで通用するのか分からないが、多少でも使える事を祈りながら頭をぶつけないようにゆっくりと壁の中を進んでいった。
アンケートの方ですがとりあえず26日の更新までは受け付けておりますので是非投票の方をよろしくお願いします。
今まで通り書くとイヴとメアリーの探索パートが無くなります。欲しいですか?
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欲しい
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要らない
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どちらでもいい